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とある世界の重力掌握

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『美琴を今の状態から救うことは僕には出来ないからだよ。僕は計画の要である一方通行(アクセラレータ)に勝てなかった。だから直接計画を止めることは出来ない。だから上条には悪いんだけど援護とサポートに徹することにしてるんだ 』

そこまで話した時、ひょこっとベット下に黒子が顔を覗かせた。

「寮監はいなくなりましたわよ。行くのなら、今のうちですわよ? 」

「ありがとう白井さん。じゃあ上条、今から高杉を呼ぶから上条はお前が夏休み前最後の日に美琴に雷落とされた鉄橋に向かってくれ 」

「分かった。護はどうするんつもりなんだ? 」

「僕は操車場に向かう。上条が来るまでにサポートの用意が必要だからね 」

上条は護がなぜ操車場に行くかを聞かなかった。それは護を信頼しているからこそだろうか。

とにかく2人は動き出した、学園都市の闇が生み出した計画という名の虐殺行為を止める為に。


部屋にいた白井は、護たちの話を聞いていなかったらしく護と上条にとくにつっかかる事もなかっので護は心中ほっとしていた。

上条は既に鉄橋に向けて移動しているため後は高杉と護が操車場に行くだけである。

「なあリーダー。アクセラレータの能力(ちから)はベクトル操作って言ってたよな? となると俺の得物は通じない.......瞬間移動を利用した格闘も通じない.......正直、敵う気しないぜ 」

「それはそうだよ。あの第1位には第4位である僕も第3位である美琴も勝てない。正直、あいつに僕らは打つ手がない 」

必ずしもではないけど........と心中で護は呟いた。

アクセラレータに対して前回の戦いで護の緋炎之護による魔術的攻撃は多少なりと効果はあった。

つまり魔術攻撃ならアクセラレータにダメージを与えられるということなのだが........

「(吸血鬼であるセルティは行方不明、哀歌は傷を負って行動不能と来てるからな.......緋炎之護の長時間の使用は体に負荷がかかることが前の戦いで分かっている僕ではアクセラレータに致命的なダメージを負わせられない........SASの魔術使用者である2人も例の襲撃者のために出払ってるし........ こういう時に.....) 」

「救民の杖みたいな組織の協力があればな?ですか? 」

「そうそう救民の.......ってはあ? 」

「お前いつの間にそこに!? 」

護と高杉の驚愕も当たり前で、護に言葉をかけてきた女性は全く気配を感じさせないまま護たちの近くまで来ていたのだ。

その女性の顔に護は見覚えがあった。

「君は........ 」

「覚えてましたか。お久しぶりです護さん。救民の杖のナタリーです 」

「なぜにナタリーさんが学園都市に.........ていうか前と格好が違いません? 」

「さすがにこの街であの姿は目立つので........一応、この街の大人のデザインに合わせてるんですけど...... 」

もしかして浮いてます?といった感じに不安げな表情をするナタリーに首を振って否定する護。

「そうですか、良かったホッとしました 」

安心した表情を見せるナタリーに高杉が疑問を投げかけた。

「なんで魔術組織の一員であるアンタがここにいるんだ? 」

「ついでに聞きたいんだけど、さっき僕の心を読まなかった? 」

2人の質問に少し苦笑しながらナタリーは答えた。

「まず私がこの街に居る理由ですが.........それはこの街で計画されている『人造神計画』という計画を止める為です。念の為に言いますけどこれに関しては統括理事長と交渉して許可を貰ってます。次に心を読んだかについてなんですけど.....はい、確かに読みました 」

ナタリーの返事に護と高杉は同時に黙り込む。

この時高杉は内心で呟いていとある人物への心の声を聞かれたのではないかと思っており護は護でさっき心の中で思っていたことをスバリ読まれていたことに恥ずかしさを覚えていた。

「あの......どうやって心を? 」

そう言う護に答えて、ナタリーはズボンのポケットから一枚のカードを取り出した。

「生命樹(セフィロト)と言うものを知っていますか? 私はそれを利用した術式を扱うセフィロト使いなんです。そして今護さんの心を読んだのは、このカードが示す象徴の為です。詳しい話をすると長く長くなるんですけど........ 」

そう言いかけたナタリーを護は手で制した。

「その話しは後で.......今は僕達にはやらなきゃいけないことがあるから。心を読んでいたナタリーさんなら分かると思うけど....... 」

「ええ、アクセラレータというこの街最強の能力者が妹達(シスターズ)という女の子を殺さないように牽制するんですね? 」

「その通りです。協力してもらえますか? 」

護の言葉にナタリーは頷いたがその表情にはどこか申し訳なさげな色があった。

「本来任務ではないですけどリーダーを救ってもらった恩もありますし協力させてもらいます。ただ...... 」

「ただ、どうしたんだ? 」

高杉が問う。

「今日は日曜日。生命樹(セフィロト)カードを使った術式は曜日に左右されます。なので今日使えるのはこの3枚だけなんです 」

そういってナタリーが出したのは、3枚のカード。

1枚目は真っ白なカードで数字の1と冠を被った王の姿が描かれており、そのカードのふちを小さなダイヤモンドが覆っている。

2枚目は灰色のカードで数字の2と髭をたくわえた尊厳ある顔つきの男が描かれており、そのカードのふちを小さなトルコ石が覆っている。

3枚目は、黄色のカードで数字の6と太陽が描かれており、そのカードのふちを小さな金が覆っている。

「一枚目と二枚目は曜日に関係無く使えるカードで三枚目は今日しか使えないカードです。その内二枚目の知恵のラツィエルは護さんたちの心を読んだ時に使ったもので攻撃するためのものではないので実質的に扱えるのは2つきりです。だからあまり役立てないかもしれません。 それでも構いませんか?」

細やかな説明を制しておいたのに普通に話したナタリーに若干呆れつつ、それでも構わないと頷いた。

こうしてナタリーを加えた一行は星が光り始めるころ操車場に到着した。

暗いな.......というのが護が抱いた印象だった。

まだアクセラレータは実験を始めていないのだろう操車場は静寂に包まれている。

「時間的にはそろそろ実験が開始されても良いはずの時間帯なんだけどな....... 」

「ああ、リーダーの予言通りならそろそろのはずだが...... 」

そういって不安げに周りを見渡す2人。

その時だった。

「あなたたちは何故ここにいるのですか?とミサカは確認を取ります 」

その探していた声に振り向く護。

「良かった......10032号だろ? まだ実験は開始されてなかったんだね? 」

そう安堵する護だったが、直後に彼女が放った言葉は護を混乱の渦に叩きこんだ。

「あなたが言う10032号はミサカではありません、とミサカは否定します。ミサカのシリアルナンバーは19090号ですと念の為にミサカは付け加えます 」
作品名:とある世界の重力掌握 作家名:ジン