Ib ~とある美術館での物語(4)~
―ギャリーサイド―
「・・・」
イヴとメアリーに目の前のツタを壊せる道具があるかを見に行ってもらってからしばらく待ったが二人は戻ってこない。
(・・・遅いわね、何かあったのかしら)
「イヴ!メアリー!聞こえたら返事して!」
私は二人が入っていったドアに向かって叫んだ。
しかし、ドアの方から返事はなかった。
「駄目ね・・・。あぁ、やっぱり二人だけで行かせるんじゃなかった・・・!どうしましょ・・・」
目の前のツタは石でできているようで素手ではもちろん、今私が持っているライターでは燃やすこともできない。
「・・・もう一度さっきの部屋調べてみようかしら。」
(・・・あんまり入りたくないけど)
私は小さくため息をつくとさっきの部屋まで戻った。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(4)~ 作家名:エグゼター