Ib ~とある美術館での物語(4)~
「・・・やっぱり何度来ても不気味よねこの部屋」
入り口から見て左右の壁に低めの棚があり、その上には人形がいくつも置いてあった。
人形の特長として着ている服の色はバラバラで髪は黒いもじゃ毛、目の色は赤く肌の色は青くなんだか不気味だった。
更に六体の人形が天井からもひもで吊るされていた。
吊されている人形はどれも首にヒモが結ばれていて、何体かは首から綿が出ていた。
部屋の奥の絵にはこの部屋にある人形の顔が大きく描かれていた。
「・・・何回この絵を見てもこれがカワイイだなんて思えないわ」
そう呟くと私は本棚を調べることにした。
「・・・ん?」
特にめぼしいものはなかったが本棚の一つに横に動かされた跡があるのに気がついた。
試しに横へ動かしてみると本棚の後ろにしゃがめば通れそうな通路があった。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(4)~ 作家名:エグゼター