Ib ~とある美術館での物語(4)~
―イヴサイド―
「メアリー、何か見付かった?」
私達はあれから黄色の部屋で役に立つものがあるか二人で手分けして捜していた。
「・・・メアリー?」
返事がないのが気になりメアリーの方を向いてみるとそこにメアリーはいなかった。
「・・・あれ?さっきまでいたのに・・・、どこに行ったんだろう」
そう呟くと私は部屋を出た。
「イヴ!」
声のする方を向くとギャリーが青いドアの前に立っていた。
「ギャリー!どうやってここに?」
「まぁ、色々あってね・・・。それよりイヴ、メアリーは?」
「わからない・・・。気が付いたらいなくなってた」
「そう・・・。・・・イヴ落ち着いて聞いて。信じられないかもしれないけどメアリーは・・・人間じゃないのよ」
「え・・・。それってどういうこと?」
「ゲルテナの作品の一つ・・・、あの追いかけてくる絵の女とかと同じような物なんだと思う・・・」
「そ、そんな・・・」
「あまりに普通に接してくるから気が付かなかったけど・・・、アタシもゲルテナ作品集を見たときは驚いたわ」
「・・・」
「とにかくメアリーには注意して先に進みましょ。もしかしたらこの先で会うかもしれないし」
「・・・うん」
作品名:Ib ~とある美術館での物語(4)~ 作家名:エグゼター