Ib ~とある美術館での物語(4)~
「絵からツタが出てきた!」
「な、なんかマズイわ!みんな絵から離れて!」
「イヴ!あぶない!」
メアリーが私の腕を引っ張った瞬間、絵から飛び出たツタは先程まで私が居たところを通過し、三本とも私の後ろの壁に刺さった。
後少しメアリーに引っ張ってもらうのが遅かったらと考えると怖かった。
「二人とも大丈夫!?」
「あー、びっくりした!あたしは平気だよ」
「イヴは?ケガとかしてない?」
「私もメアリーのおかげで大丈夫だよ」
「そう・・・、よ・・・良かった・・・」
私が答えるとギャリーがそう言った。
「それにしてもこれ・・・邪魔でそっちに行けないんだけど」
確かに絵から出たツタは一本一本が太く、それらが完全に通路を塞いでしまっている。
そのためギャリーと私達は分断されている。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(4)~ 作家名:エグゼター