Ib ~とある美術館での物語(4)~
「ねぇ、これであのツタ削れないかな!?」
「うーん、さすがに無理じゃないかな?」
「そうだよね・・・、やっぱりだめかぁ・・・。でも一応これ持っていこうかな・・・」
「え?どうして?」
「念のため、だよ・・・」
そう言ってメアリーはパレットナイフを入れ物にしまうと自分のポケットに入れた。
「さて、大体捜したけど役に立ちそうなものはなかったね」
「そうだね、こっちも絵の具しか見付からなかったし」
「一端ギャリーのとこに戻ろっか?」
「うん、そうしよっか」
そう返事をしてギャリーのところへ戻ろうとすると突然部屋の明かりが消えた。
「わっ、なに!?」
「また、停電?」
「また?」
「うん、前にも一度あったんだよ」
「そのときはどうしたの?」
「そのときは・・・」
私が話そうとした瞬間また部屋のあかりがついた。
作品名:Ib ~とある美術館での物語(4)~ 作家名:エグゼター