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Ib ~とある美術館での物語(5)~

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私はそれを拾うとギャリーを見た。

なんだかギャリーが先に進みなさいと言っている気がした。

「ギャリー・・・」

ギャリーは自分を犠牲にしてでも私を守ってくれた。

それなら私がすることは・・・。

「ごめんなさいギャリー、それからありがとう。私・・・、絶対ここから出るからね」

そう言うと私はギャリーのバラをコートの左ポケットへ入れた。

「バラはポケットに入れておくね。・・・代わりにこのライター借りるよ」

私はライターを握りしめるとそう言った。

「じゃあ、・・・私先に行くね」

そう言って私は上へ向かって歩き出した。

上の階に着くと私は辺りを見回した。

部屋にはメアリーが外へ出るのに使ったと思われるドアが一つあった。

ドアの反対側には階段が見えたがいばらが階段を塞いでるため通れそうもなかった。