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Ib ~とある美術館での物語(6)~

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だが、私にそんな記憶はなかった。

「・・・イヴ、覚えてる?」

「す、すいません。なんのことだかさっぱり・・・」

「ホラ!アタシのバラをイブが取り返してくれたじゃない!それから目が付いてる床とか、マネキンだらけの部屋とか・・・」

「ごめんなさい、やっぱりなんのことか・・・」

「・・・そうだ。イヴが倒れちゃったときにあげたわよね?キャンディ!」

「キャンディ?」

そう言われて私はポケットの中を探してみた。

「あっ・・・!」

するとポケットには黄色い包み紙に包まれたキャンディが入っていた

そしてそれを見て私は全てを思い出した。

私が迷い込んだおかしな美術館のこと、そこで遭遇した作品のこと、メアリーのこと、そして。

「・・・ギャリー」

「思い出したのね、イヴ」

「・・・うん!」

「正直今でも信じられないけど・・・本当にあった出来事よね?」

「そう・・・だと思う」

「イヴ・・・アタシ達無事に戻ってこれたのよ!」

「うん!そうだね」