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狙われるモノ2

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2日目、鋼のの姿のアルフォンスが目を覚ました。
「アルっ、起きたのか?」
「兄さん・・・・そういえば兄さんと入れ替わったの初めてだね。」
笑顔で言ったら、殴られた。
「痛いっ、何するんだよ、これ兄さんの体なんだよ。」
「お前が呑気なこと言ってっからだ、心配したのに。」
「ごめんなさい。」
「・・・で、アル、なんで魂の入れ替えなんてことになってんだ?」
「大佐から聞いてないの?」
「大佐たちが助けに来て、それであの雷野郎を大佐が倒したってことは聞いた。だが、魂の入れ替えについてはアルに聞けって言われた。」
「ナギさんは?」
「一度も会ってねぇ。なんでも疲れたって寝てるらしい。」
大佐、ナギさんも。・・・逃げたんですね。って、どう説明しよう。本当のこと言ったら――ナギさんに危険だって止められたのを、脅してまで入れ替えてもらったんだって言ったら、絶対怒られる。
「・・・そ、それは・・・」
「それは?」
「・・・不幸な事故、かな?」
「もう一度、殴られたいのか?」
「だから、これ兄さんの体なんだよ。そんなにポカポカ殴らないでよ。」
「うるさい、お前が真面目に答えないからだろう。」
「つぅっ・・」
「?おい、アル。大丈夫か?そんなに強く殴ってないだろう。」
「いや、殴られたとこじゃなくって・・・左足。」
「左足って・・・機械鎧か。」
「あ、そうか。兄さんの体だもんね。機械鎧・・・初めてだけど、こんな感じなんだ。時々、凄く痛いんだけど。」
「・・・慣れないからだ。」
「本当に?いつも痛むんじゃないの?」
「そんなことはない。」
じーって兄さんを見ていたら、視線が微妙に外された。
「ウソでしょう!」
「ウソじゃねぇっ!!」
「じゃ、何で視線を逸らすのさ?」
「自分の顔をそんなに直視できるか!大佐じゃあるまいし。」

病室に入ろうとしたが・・・元気すぎる会話が聞こえたので止めた。何気に失礼なことを言われている気がするが、きっと「事実じゃねぇか」と言われるだろう。確かに、反論はできない。
ハボックに病室から出ないよう、しっかり見張っておくよう念を押して、エルリック兄弟の病室の前から去った。

「うぅ・・・痛っ・・・」
言い合いをしてたら、アルが今度は右肩を押さえた。
「アル?・・・お前、あっちこっち痛いんだろう。ちょっと待ってろ、医者を呼ぶから。」
「大丈夫、大したことないよ。あの時の方が痛かったから。」
「・・・あの時?」
「うん、入れ替わったときの方が・・・」
「ちょっと待て。傷を治してから入れ替わったんじゃないのか?」
アルの表情が固まる。
「・・・えっと・・その・・・」
「アル、いつ、入れ替わったんだ!?」
大佐たちが助けに来て、雷野郎をぶっ飛ばしたんなら、すぐに俺の傷の治療をしたハズだ。
まさか魂の入れ替わりの方が先だなんて思ってもいなかった。もし、そうだったらあの俺の傷の痛みをアルが味わったことになる。
「ほぼ、同時だよ。」
「作り笑いで言われても、全く信用できねぇな。それにまだ、何で入れ替わったか聞いてねぇ。」
「え~っと・・・だから、ちょっとした不幸な事故みたいな。」
「・・・何を隠している、アル?」
「兄さん、その顔、怖いよ。」
「お前の顔だ、文句を言うな。それより質問に答えろ。」
まいったな、兄さん、しつこいし、どうしよう。よし、同じ質問をしてごまかそう。
「・・・兄さんだって、何か隠してるでしょう。」
「なっ!?そ、そんなことはないぞ。」
「なんで、どもるの?・・・本当に隠してることがあるんだね。」
「お、お前、カマかけたなっぁ!?」
ビビった。雷野郎に捕まったとき、死を覚悟したのがバレたかと思った。
「兄さん、何を隠してるの?・・・捕まったとき、何かあったの?」
「な、何もないぞ。」
「目、逸らして言われても、説得力ないよ。」
「アルこそっ、なんか隠してるだろう?」
・・・お互い、相手の顔をじーっと見つめる。怪しい。
((絶対、何か隠してる。))
同じことを思って表情を探り合う。・・・自分の顔だが。
だが、長くは続かなかった。またアルが、今度は胸を押さえたからだ。
「アルっ!やっぱ、お前痛いんだろうがっ!!」
「兄さんの方が痛い思いをしたじゃないか。あの雷の人が言ってた。・・・死ぬよりも痛い思いをさせたって。」
「俺がドジってあのおっさんに掴またから、俺が痛い思いをするのはいいんだよ。」
「よくないよっ!!なんで兄さんばっかり。機械鎧なのも今回も、どうして兄さんが一人で背負い込まないといけないだっ!!」
「アル・・・だから、俺が油断したせいだって」
「違うよ。兄さんを一人で行かせた僕にも責任がある。それに機械鎧は絶対に違うよね。僕も一緒に人体錬成をやった。なのに」
「その代わり、お前は魂だけの体になったじゃねぇか。」
「でも今は違う。元に戻った。なのに何で兄さんは戻らなかったの。ずっと疑問に思ってたんだ。」
「いいよ、これくらい。大したことじゃない。」
「大したことあるっ!!寝てるときも、起きてるときも違和感があるし、入れ替わってわかったけど、時々痛いじゃないかっ!!」
「だから、それは慣れないからだっ。俺は気にならないっ!!」
「ウソだっ!!」
「ウソじゃねぇっ!!」

「おまえら・・・さっきから同じこと言い合って飽きないか?」
「「ハボック少尉・・・」」
「とりあえず、ケガ人は寝ることっ!!休まないと、治るもんも治らないだろ。
大将、ジャマしない。大人しくしてねぇと、アルのっていうか、大将のケガ、治らないぞ。」
ハボック少尉が上半身を起こしていたアルに横になるように手を添える。
ほっとしたような顔をして、アルが横になる。・・・すぐに寝息が聞こえてきた。
・・・ムリをさせていたのか。
いや、そもそも俺の体にアルがなっていることが悪い。
俺の体は、相当痛めつけられていたから・・・だからってなんでアルがその痛みを味あわなきゃいけないんだ。俺がドジってあの雷野郎に捕まったせいなのに。

「少尉、ナギがどこにいるか知らないか?」
「あぁ?知るわけないだろう。俺はずっとこの病室の前の見張り番だ。」
「じゃ、大佐は?」
「さっき来てたけど。」
「俺は会ってない。」
「そりゃ病室に入らずそのまま戻っちまったからな。なんか複雑な顔してたぞ。」
いつだ?来たんなら顔を出せ。聞きたいことがあったのに。
「大佐をすぐに呼んで欲しい。」
「そんなに大佐に会いたいのか?」
「気持ち悪いこと言うな。大佐にナギの居場所を聞くだけだ。一刻も早く元に戻りたいんだ。居場所を知らないなら退院の許可をもらいたい。」
それに、なんで魂が入れ替わったかも聞かないと。
もし傷を治す前だとしたら・・・あの痛みをアルが味わったとしたら、どうしてそんなことをしたか問い詰めてやる。
「わかったよ。だが大佐も事件の後始末で忙しいんだ。明日には絶対に顔を出すよう伝える。だから大将も休んどけ。それがムリなら弟の看病をしとけよ。大人しくしてなかったら大佐に伝言はしないからな。」
「・・・わかった。」
――結局、この日は大佐もナギも現れなかった。


3日目、予想していたことだが、鋼のがうるさい。
「大佐、ナギはどこだ?」
作品名:狙われるモノ2 作家名:海人