魔法少年?リリカルなのは
Episode 5
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家に帰って怒られて。フェレットバレて今正座。夜遅く何やっていたのかこってり絞られてます。もちろん魔法のことも。
一般の人に魔法は言えないからとフェレットくん、もといユーノくんに教えてもらった『念話』とかいうてれぱすぃーでそのユーノ君になにか言い訳を聞いてみたけども
『え、どど、どうしよう!!?魔法のことは一般の人には話せないし……お花摘みに言ってた……とかは!!?』
非常に全く使えない。出まかせでいろいろいってはみたものの
「ねぇなのは。お母さんはね、嘘をつく人が一番嫌いなの。なのははいい子だから嘘はつかないよね?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいたたたたた!!!?」
満面の笑みでやる元祖梅干は非常に痛かった。
ユーノが事情説明をする間おれは正座。その事情説明の長いこと長いこと。
あかん、あしだけじゃなくてお腹も痛くなってきた。
「なるほどねぇ……まぁなかなか信じられなけど、こう現にしゃべる動物がいるとなると……。まだなのはと同い年なのに立派ねぇ……わかったわ。当面の間はうちでお世話してあげる。お母さん感動しちゃった」
「いいんですか!?」
「もっちろん。それにあなたすっごくかわいいしっ!」
「あぅ……ありがとうございます」
おかーさんにもふもふなでられるユーノ。微笑ましいだろう光景だろうがしかしおれのお腹はそろそろ限界。
「ということで、ユーノ君は私たちで預かります。なのはは手伝ってあげてね」
「え?」
「……話聞いてた?」
「違う世界のユーノが発掘したジュエルシードの護送中に船が事故ってジュエルシードが地球に散布。」
「……正座追加」
「なんで!!?内容は合ってるよね!?」
まってほんとーにもう限か……あっ。
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レイジングハート。ただの赤い玉にして、かなりの高性能。授業中のおとも。退屈な授業中もいい話相手になってくれる。魔法って素晴らしい。
まぁ、はじめの方は言語がわからなくてうまくいかなかったけど話してるうちになれた。
やっぱ経験だよね、経験。どや。
「それでは高町くん、今までの経験を活かしてこの問題を解いてみてください。この間やった四則計算と、分数の仕組みを考えれば出来ると思いますよ?さ、がんばって!」
「おれのノートにそんな経験はない」
「廊下に立ってなさい」
「はい」
何事も経験だよね。
学校が終わっておれの足は既に棒。月村とバーニングと別れ俺だけ一人に。
そこでなんとなく昨日の公演を見に行こうかなと海沿いの公園に行ったのが運の尽き。
「何この妖怪大戦争」
見るとところどころで光の柱があがり、空には翼をはやしたサーベルタイガー。やはりおおよそ人の生き物じゃないからジュエルシードで間違いはないと思う。
戦っているのは見たところ俺と変わらない年の女の子。金と黒の大鎌を振り回しながら、彼女は黒い衣装で空を駆け巡る。空飛ぶサーベルタイガーの死角に常にポジションを取る素晴らしい動き。きっとおそらく1vs1はったら瞬殺されるだろう。
「ただね、今ここってなんの対策もしてないよね。だから誰かに見られたら一大事ってなのはは思うんです。おーい、そこの子ー!急いで降りてこーい!いろんな意味で危ないぞー!」
TV的な目線的にも。地面から見てるロリコンどもの目線的にも。
女の子はこちらに一瞬だけ目線を向けるとそのままサーベルタイガーを一刀両断して封印。そしてそのまま踵を返して俺の方へ一直線。この間1秒もみたない。素晴らしく恐ろしく早い。声なんかかけなきゃよかった。これはあかん。速すぎる。
しかしいつもおとーさんとにーちゃんの戦いを見てる俺に死角はなかった。目に見えなくても避けるぐらいなら余裕。
バシャーンという音と水が地面に落ちる音が響く。おそらくベテランの彼女のことだ。追撃を狙っているに違いない。
「あっ……モガッ……いやっ……!」
「え」
4月上旬。冬に比べて暖かくなったとは言えこの季節の水泳は流石に寒かったとです。ああ、制服の上着、なんて言い訳しようかな。
「広域サーチ第四区画終了っと……」
『アルフ、遅くまでお疲れ様』
「フェイト!」
『そっちはどう?』
「発動前のさっき一個見つけたよ。今夜中にはもっとサーチできるとおもうけど……」
『そっか。こっちは1個だけ……クシュンッ』
「どうしたのさフェイト。風邪かい?だからちゃんと毛布をかけてねないとって言ってるのに……」
『……うん。あ、アルフ、今日はもういいから帰ってきて?一緒にお風呂入ろう?』
「え!!?どうしたのさ、急に」
『……水怖い』
「あらら」
作品名:魔法少年?リリカルなのは 作家名:こーこうせい