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こらぼでほすと 年末風景3

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「大部分? え? これ、すごいんじゃあ・・・」
「いや、意外と安上がりだ。それに、あっちこっちから祝儀が出てるから。」
 トダカが負担するつもりをしていたのだが、あっちこっちから一緒に忘年会をさせてくれ。と、言い出したので、そちらからは祝儀ということで、いくらかは貰っているし、今回、出てきていないウヅミーズラブのほうからも祝儀が持ち込まれている。だから、大部分とは言っても、半分ぐらいは、それで賄われることになる。
「シン、レイ、食事したらプールで遊んで帰れ。たぶん、宴会場は盛り上がって五月蝿くなるからな。」
「了解。アマギさん、明日午後から、うちに帰って来るんだろ? 俺ら、午後から自分の部屋の掃除してくるから。」
「わかった。それから、大晦日の予定があるから、スーツを持って来いよ? シン、レイ。」
「え? ドレスコードあるんですか? 」
 スーツなんぞ、仕事着しか用意がないニールは慌てる。店に、何着かあるが、それしかない。それに、リジェネはスーツが、まず準備がない。
「それは大丈夫だ。きみらのは、店から借りてある。」
 ニールの分は、店にあるし、リジェネの分はティエリア用のものを店から借り出してあるとのことだ。ちゃんとしたのを用意したほうがいいのかなあ、と、ニールもちょっと考える。店のほうにあるとはいえ、あれは店の備品で、ニール個人のものではないからだ。何かあると、店のスーツを使うが、一着ぐらいは私用のものを買おうかなあーと呟いた。それを聞きつけた、レイがニコニコと提案してくる。
「ママ、俺からプレゼントしましょうか? 」
 そんな高価なプレゼントはいらんっっ、と、ニールがレイの頭を軽く拳骨する。そして、シンもレイの意見は却下だ。
「ダメだ、レイ。絶対に賭けてもいいけど、そんなことになったら、とーさんが作るに決まってる。」
「それは賭けにならないな、シン。トダカさんのことだから、嬉々としてニールを採寸に連れて行きそうだ。」
 アマギもシンの意見に同意だ。服が欲しいと言おうものなら、トダカは大喜びで用意するだろう。それだけではない。たぶん、オーナーだって用意したいと言うに違いない。ニールは店の備品だと思っているが、ホストの服は各人用に仕立ててあるものだから、ニールの私服と言っても間違いではないのだ。ニールも、トダカがやりそうなことを想像して、そうなるよなあーと頷く。
「ママニャンが可愛くてしょうがないと、トダカさんは常々言ってるもんなあ。」
「好きなだけおねだりして差し上げればいいのに。それも親孝行なんですよ? ニール。」
 沙・猪家夫夫が、そう言って笑う。物欲に乏しいニールが、欲しい、と、言えば、トダカは用意する楽しみが味わえるのだから、それも、ある意味、親孝行だ。
「でも、八戒さん、なんだかんだとトダカさんはくれるから、俺、欲しいものなんて思い浮かびませんよ。」
 季節ごとに、さりげなくプレゼントされているので、衣服に関しては充実している。ホスト以外で、きっちりした服を着ることもないから、ニールにしてみれば欲しいものなんていうのがない。以前、ちょろっとホットプレートが欲しい、と、呟いたら速攻で貰ってしまったから、あまり口にしないようにはしている。それでなくても、トダカは子供たちに、なんだかんだと与えたがるのだ。
「物欲がないのも残念ですけど。」
「そういうねーさんだから、とーさんは、いろいろと考えるんだと思うぜ。たまには言ってやったら? 」
「と、言われてもなあ。シンこそ、おねだしたらいいんじゃないか? 」
「俺? うーん、俺も、わざわざ買ってもらうようなもんは思い浮かばないな。」
「レイも? 」
「俺も、ありませんね。」
 自分たちの稼ぎがあるから、わざわざ欲しいとねだるものがないのは、シンとレイも同様だ。
「あ、俺さ。ねーさんの快気祝いの費用を出すって言ったんだけど、断られた。あれ、受けてくんねぇーかなあ。」
「それ、俺も断られたぞ、シン。」
 ニールの快気祝いなんだから、シンとレイも費用は出したいと言ったのだが、ダメ、と、断られた。ついでに、ニールも少しぐらい負担させて欲しい、と、言ったのだが、こちらもダメと一刀両断された。私が好きなように仕切るんだから、おまえたちは大人しく出席しなさい、と、全員が叱られたのだ。ついでに、トダカーズラブに至っては、家族でないものは出てくるな、と、ばっさり拒否だった。
「ニール、きみは祝われるほうなんだから、出しちゃマズイだろ? 」
「でも、アマギさん。リジェネも連れて行くんだし。その分くらいは。」
「ははは・・・トダカさんにしてみれば、リジェネくんだって孫みたいなもんなんだ。そりゃ、叱られるだろう。そんな他人行儀なことはしちゃいけない。」
「そういうもんですか? 」
「そういうものですよ? ニール。アマギさんがおっしゃるように、大人しく出席するのが上策です。」
 そういうものかなあ、と、ニールが考えていると、 「アマギさんっっ。」という大声が聞こえた。
 メンバーがアマギを呼び出しにやってきた。アマギが私の娘と寛ぐとは、どういうことだ、と、トダカが文句を言っているとのことで、やれやれ、と、アマギも立ち上がる。ちゃんと、こちらの動向もチェックしていたらしい。
「じゃあ、三蔵さん、悟浄さん、八戒さん、悟空くん、ここで挨拶をさせていただきます。今年もお世話になりました。来年もよろしく。では、失礼。」
 これから、トダカ家お泊まり大抽選会の仕切りがあるから、アマギも暇ではない。たぶん、ゆっくりと話もできないだろうから、と、挨拶して立ち去った。悟空は、会話に参加していないが、いることはいる。食い放題を満喫しているから喋る暇がないだけだ。
「悟空、ここいらのも食べろ。」
「オッケー。でも、ママ。もうちょっと食ったほうがよくねぇ? あんま減ってないぜ? 」
 ニールの周囲には配達された料理が並んでいるが、どう考えても食べきれる量ではない。坊主が適当に箸をつけているが、それでも増えていくばかりだ。
「ママ、何か食べられそうなの、探してこようか? 」
「いや、食べてるよ、リジェネ。おまえさんが食べたいものを探しておいで。三蔵さん、お代わりは? 」
「紫ちび、生ビールだ。」
「ほぉーい。」
 坊主に命じられると、リジェネは、調達に走る。いろんな料理を探すのが楽しいらしいので、頼まれたら、ご機嫌だ。
「適当にプールのほうへ移動しましょうか? ニール。ここよりは空いてるだろうし、あちらにも飲食店がありますから。」
「そうですね。俺らは部外者だから、そこのほうが落着きますね。」
 時間が経つほどに騒々しさは増してくるらしいので、適当に移動したほうがいいだろう。忘年会なんてものは、荒れるものだ。巻き込まれると面倒だから、ここからは撤退する。


 小一時間ほどして、プールのほうへ移動すると、ほとんど誰も居なかった。まあ、そりゃそうだろう。まだ忘年会の最中だ。ここで泳ぐ変わり者はいない。レンタルの水着に着替えて、大人組は、こっちでも適当に酒盛りの態勢だ。プールサイドの席を確保して、再度、乾杯している。
「悟空、休憩したら泳ごうぜ。」