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Wizard//Magica Wish −4−

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「ふぃ~…ハートの4か、降りて正解だったな」

「なぁぁぁぁぁっ!!?ハートの…3!?お、お前たち騙したな!!!!」
「ふふっ!この勝負は私の勝ちね!!」

杏子は頭を抱え込んでその場に寝転んで転がりまわっていた。よほど、自分が負けたというショックと完全に勝ち誇っていた羞恥心が出てきたのだろう。
案の定、ハルトの持っていたトランプの数値は4で、決して高い物ではなかった。ハルトの読みは当たっていたのだ。

「あぁぁもう!!マミ、ハルト!もう一回勝負だ!!」

「うん、いいよ」
「何度やっても同じよ?佐倉さん!」

再びマミは山札から3枚取り出し各々に渡す。
それを気に、3人はインディアンポーカーが予想以上に楽しかったのか、休むことなくやり続け、いつの間にか1時間の時が流れていた。

テーブルには交戦し合ったトランプが置かれ、山札は残り5枚という状況になっていた。この時点での勝敗はハルトは5勝、マミも5勝、杏子は何故か6勝とコツを掴んだのか後半からは杏子の連勝続きだったのだ。


「さ、佐倉さんの追い上げはすごかったわね、…まさかいきなり勝ち越してくるなんて」
「でも、まだ勝敗は着いてないよ?あと1回あるしね」
「このまま私が勝ち越せば私の優勝だ!さて、行くぞ二人とも!!」


マミは最後の手札を配る。ちなみに残り2枚あるが1人足りなくなってしまうためこの回で最後である。
ハルトは今まで出てきたカードの数値と記号を必死に思い出す。
一度使用したトランプは山札には戻らないため、記憶力も大切となってくるのだ。

(思い出せ…確か、クラブは1から13まで全部出てる筈…残っているのは、確か…)
(確か、スペードのK『13』とダイアのJ『11』ね…あと…スペードのA『1』…それに…)
(それに…ハートの5に、ダイアの2の筈だ。大きい値が出てくる確率は5分の2、これさえ引き当てれば勝敗はある!!)
(ったく、何が出たなんてさっぱり覚えてねぇ!!まぁ私の圧勝だろ!!)

各々の思考錯誤が無言で漂う、一人は例外だが…。
マミは最後の3枚のカードを渡し、3人は一気に自分の額に当てた!

「っ!!…ふぅ」
(杏子ちゃんがダイアのJ『11』、マミちゃんがハートの5って事は、俺はダイアの2かスペードのA『1』、もしくはスペードのKってことか!)

「………」
(まいったわね、佐倉さんはダイアのJ、ハルトくんは…ぷっ…スペードのAね、問題は私が一体なんなのか、とりあえず、ハルト君には勝利確定だけど、自分がわからなきゃ意味ないわね…たしか、残りにスペードのK、ハートの5にダイアの2…)

((この勝負に勝つ確率は…3分の1!!))

「…ぷふふっ…おまえたち、凄い顔してるぞ?」

(問題は杏子ちゃんだ。杏子ちゃんはJ、比較的高い数値を引いている。この勝負に勝つにはスペードのKを引くしか勝目はない!…もう引いているけど)

(けど、3分の1って…かなりシビアな数値ね。最後の最後に運任せって…さて、ハルトくん、この勝負どう出るのかしら?先にハルトくんが降りれば私に降りる権利は無くなってしまう…降りるとしたら、先に私が降りないと…)

「なんだよ~暇だから誰か何か話せよ!」

(あのマミちゃんの表情!完全に勝ち誇った時にでる表情だ…つまり、俺の手持ちは低いのか?…いや、待て。もしかしたら俺を無理やりこの勝負から降ろそうとする作戦かもしれない。そう簡単に降りれなさそうだな…)

「マ、マミちゃん…正直に言う、君は降りたほうが良い」

「…あら、よほどの自身があるようね。それほど私の数値が低いのかしら?」

「どうだろ、けど、杏子ちゃんには勝てないと思うな」

「おぉ!私ってそんなに強いのか!?…あ」

(どうだ、マミちゃん…余計混乱させて降りてくれれば、俺と杏子ちゃんの二人の勝負、もうここまできたら自分のカードを信じるしかない!来てくれ、スペードのK!)

(やるわね…ハルトくん。私を混乱させようって作戦ね…けど、それは無理よ?だってあなたの数値は最弱のAなんだから…!)


(さあ、どう出るマミちゃん!)
(さあ、どう出るのかしら、ハルトくん!)

「あ、あのさぁ…やっぱ私降りるわ!一番最初もこんな感じでまけちゃったし…へへ」

「「…え?」」



(ちょ、ちょっと待てよ杏子ちゃん!ここまで来て勝負に降りる!?そんなのってあまりに残酷すぎるって!)
(佐倉さん…完全に盲点だったわ。まさか彼女がこの勝負に降りるなんて…けど!)

「よし、マミちゃん勝負だ!」
(こ、来いスペードのK!!)
「…ごめんなさい!ハルトくん!」


「「「インディアンポーカー!」」」





………


「……もう、…インディアンポーカーはしない」

「ははははっ!残念だったなぁハルト!!でもお前でもあんな顔できるんだなぁ!!」
「ごめんなさい?ハルトくん!…さて、もう遅いから寝ないとね。明日も学校あるし」

「おう、頑張れよ~」
「頑張ってね、マミちゃん」

「あなたたち…あ、佐倉さんとハルトくんはまだお風呂に入ってなかったわよね?私はさっき入ったからもしよかったら使っても良いわよ?」

「あぁ、それじゃ遠慮なく使わせてもらうよ」
「俺後で良いから、先入ってきな」
「いいのか?まあ私は長風呂苦手だからすぐ終わるから!」

そう言い残し杏子は風呂場へと向かっていった。
マミの家には自分用のベットしか無いため、ハルトと杏子の布団はリビングに引いて寝ることとした。だが、この時マミはうっかりして忘れていたのだ…。

「あ…大変…どうしましょう」
「どうしたの、マミちゃん?」

「予備の布団…一つしか無いわ」

「っ!…い、いや大丈夫だよ。俺最悪ソファで寝るから。てか今まで普通に野宿してたし、屋根があるだけでも最高だよ」

「そ、そう…ハルトくん?」
「大丈夫、杏子ちゃんにもちゃんと話すから!…あと、そんなやましい気持ちも一切ないから」

「なら良いんだけど…ふあぁ…じゃあ、私先に寝るわね。おやすみ、ハルトくん」

「うん。おやすみ、マミちゃん」


とりあえず、ハルトはリビングに布団を敷き、杏子だけ寝かせられるように準備は整った。幸いにも毛布が一枚残ったため、これでソファで寝られるだろう。
そういえば、先程の件で今の自分の状況を悟った。
ほぼ同い年の女子の家で男子である自分がただ一人。
これって相当色々な意味で大変な状況ではないのでないか?
しかも二人とも中々の美人だ。
今まで良く精神が保っていれたのかが自分でも不思議なぐらいだ。


「ハルト~次入って良いぞ」
「早っ…まぁ良いや。変な考えはお湯に全部流し…て…」

今、ハルトは言葉が出ない状況に陥ってしまった。
何故か?
このような状況は普通に生活していれば絶対に起こりうることはない。
だが、彼女は特殊なのだ。だから、何があっても予想はできない。

ハルトの目の前に杏子が立っていた。
ただ、立っていただけではない。
風呂から直接でてきたのか、今の杏子の状態はタオル一枚で身を隠した状態だったからである。
普段は見られない肌のつや、そして体のライン。
作品名:Wizard//Magica Wish −4− 作家名:a-o-w