Wizard//Magica Wish −4−
濡れたまま出てきたためタオルが体にフィットし、より一層いやらしさを引き立てていた。
湯上りのため頬は赤くなっており、ポニーテールだった髪は下ろし、ぽとっぴとっと水滴が落ちている。
「あ…いや…」
「ん?なんだ…どうしたハルト?」
杏子は今の状態が理解できていないのか、その状態のままでハルトを心配し近くに寄り添い彼の顔を覗くように前屈みになる。その時タオルの隙間から彼女の膨らんだ胸の谷間がハルトの目に移った。
「きょ、杏子ちゃ…ふ、服!!」
「ん?まだ濡れてるんだ。着るには早すぎるだろ」
「馬鹿っ!湯冷めするだろ!」
「そこまで言うなら…しょうがないなぁ」
ハルトは必死に目をそらし彼女に服を着るように指示する。しかし彼女はその場でタオルを取ろうとしたため、ハルトは一瞬で反対方向に方向転換し、精神を保つ。
だが、方向転換した目先に大きな窓がある…そこには、自分が映る。同時に、タオルを取る杏子の姿が…。
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!はっ!そうだ!!」
「『スリープ』プリーズ!」
「…よっと、着替えたぞ、ハルト…て、ん?」
「ぐぅ…すぅ…」
「なんだ、もう寝たのか。随分早寝が得意なんだなぁ」
瞬時に眠りの魔法を使用し、杏子のために引いた布団の上で寝てしまったハルトであった。
作品名:Wizard//Magica Wish −4− 作家名:a-o-w