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とある二人の無能力者2話

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ここで思い出して欲しいのは、
今回白井が干渉した事件のこと。
ATMが襲われた強盗事件。
武装したスキルアウト。

どう考えても風紀委員の管轄外だ。
そこに干渉した白井。

それらを一部始終話した初春は一度言葉を切り、

「つまり・・・アンチスキル側から怒られたんですよ」
「そういうことね」
「あぁ・・・それは落ち込むな〜」
「ちなみに今回で5回目です」

正直人一倍正義感の強い白井からしてみれば何も悪いことはしていないし、
それは佐天達の視点からみてもでもそうだろう。
だが。
大人の立場というのもあるのだろう。
仕方のないことと言ってしまえば仕方の無いことだろう。

(ん〜何か暗いな・・・せっかく皆で集まってるのにな)

佐天の性格からしてこういう雰囲気は好きではない。

(う〜ん・・・何とか他の話題を振らないと)
考えるに考え彼女が出した話題は・・・・





「そういえば、皆は好きな人とかいるんですか?」


「・・・・・・」
「はい?」
「佐天さん?」

(あれ・・・何か間違ったかな?)

「どうしたんですか、いきなり」
「え?ほ、ホラ!女の子同士の話って言ったら定番だしさ・・・」

不思議そうな視線を向ける3人。

(あぁ・・・どうしよう、何とかしないと)

どうにかこの状態から抜け出そうと必死に頭脳を働かせ、
1つの解に至った。



「それに!この間御坂さんが言ってた類人猿さんの話も気になるし!!」
「ちょっ!?佐天さん!!!」
「類人猿・・・・さん?」
「・・・・・(ピクリ)」

ぐったりとしていた白井がピクリ(ものすごく動揺した感じに)と揺れたのは置いておくとして、
そのまま話題を持っていく佐天。

「御坂さんってもしかしてその・・・類人猿さんのことが気になってるんですか?」
「な、何でそういう話になるのよ!」
「へ〜御坂さんて気になる異性の方がいらっしゃるんですね」
「・・・・・(ビクビク)」

ものすごく体が揺れたがあえてスルーしよう。

「で、ぶっちゃけた話どうなんですか?」
「ななななな何のことかしら?」
「嫌だなぁ、その気になる方のことですよ」
「べっ別に私はアイツのことなんて何とも思ってないし!」

佐天に続き初春も質問する。

「じゃあ、嫌いなんですか?」
「嫌いじゃない!!嫌いじゃないけど・・・・」

みるみるうちに顔を真赤にしていく御坂の反応を見て、

(好きなんだな)
(好きなんですね)

ツンデレの本領発揮といったところか。

「接点はあるんですか?」
「う〜ん・・・学校の帰りに話したりするくらいかな」
「ってことは毎日のように会ってるんですね」
「・・・・(グフッ)」

何かやばい音が聞こえた気がするがギリギリスルーしよう。

「毎日ってわけじゃないけど・・・それに会ってるっていっても数分話すだけだし・・・」
「何か新鮮な気分ですね」
「お嬢様の恋愛ですかぁ〜、いいなぁ〜」
「あの類人猿許すまじマジ殺す」
「し、白井さん!?」

流石にほってけなくなったので慌てて声をかける佐天。
白井は邪悪なオーラを携え御坂に詰め寄る。

「お姉さまには私という一生のパートナーがいるのにも関わらずあの類人猿と逢瀬を」
「一生のパートナーって紛らわしい言い方すんな!!」
「まぁまぁ落ち着いて下さいよ。年頃女の子なんて皆こうですから」


それは素直にそう思ったからこそ言った言葉。
しかし、それがまずかったのか。


「そういうからには佐天さんにもそういう人がいるのよね?」
「え?」

完全に意表を突かれたというべきか。
何も考えていなかった佐天は数秒停止する。

「私・・・ですか」
「佐天さんだけ言わないはズルイわよ」
「そうですよ、私も親友として知っておく義務があります」
「脳内に直接金属棒を送りこんで」

(う〜ん、気になる人・・・・)

今まで考えもしなかったことに動揺するも必死に記憶をたどっていく。
もともとあまり異性と接してこなかったわけですぐに出てくるものではないのだが、すると。



(そういえば・・・この前会った、え〜と・・・上条さん!)

ふと思い出した数日前のできごと。
公園での出会い。
おんぶしてもらったこと。
そして彼の背中の感触。

「・・・・(ッボ!)」
「佐天さん顔赤いですよ」
「本当だ」
「殺す殺す殺すコロス」

何かすごい殺気が・・・。

「やっぱり佐天さんにも気になる方が?」
「そういう話を振ったからそうだとは考えてたけど」
「え〜と、・・・あの」
「やっぱりいたんですね」
「いるっていうか・・・もしこういう人が彼氏だったらな〜っていう人ならいないことはないけど」
「けど?」
御坂と初春が問い詰める。


「別に好きってわけでもないし、まだ1回しか会ったことないし」
「あれですか?運命の出会いっていう」
「そんな大袈裟な程でもないよ」
「そうですか?恋は唐突に始まるもんですよ」

落下しそれを受け止めた(?)という会い方は普通の出会いでないことは確かだが。

「佐天さんも乙女ですねー」
「嫌だなぁ初春。御坂さん程じゃないよ」
「私はそういうアレじゃあ」
「そんなこと言って、さっきだってすごい顔真っ赤にしてたじゃないですか?」
「あっあれは!」
「隠しても無駄ですよ」
「もう!」


(好きな人・・・か)
このとき、佐天は知る由もない。
この先に待ち受ける波乱万丈な日々の襲来に。


「お姉さまに近づく輩は・・・片っぱしから根絶やしに」
「白井さん!?なんか顔がやばいですよ!?」
「黒子アンタいい加減にしなさい!」
「すごく怖い顔してます」


昼下がりのファミレス店内。
こうしてつかの間のガールズトークは続いていくのだった。





日の落ちる夕方の路地裏で、
怒号と絶叫とコンクリートの弾ける音が響いていた。


コンクリートの壁に挟まれた狭い直線の道。
その両サイドに息を切らしながら立っている複数の少年達。
少し辺りを見渡せば何人かの少年が体から血を流しながら倒れていた。
少年たちの手には、金属棒、サバイバルナイフ、電撃銃などが握られている。

そんな物騒な少年たちを見下すかのような目で見ている人間が1人いた。
武器をそれぞれ手にしている少年たちと違ってとくに何の武装もしていない、
それも本当に普通の・・・青年だ。

その青年を囲むようにして立っていた少年の1人が、
怒号とともに金属棒を振り上げながら突っ込む。
だが青年は目もくれない。
動きもしない。
その無防備な青年に全体重を乗せた金属棒を叩き込む。
そして、

少年の手から金属棒がすっぽ抜けた。

手に汗をかきすぎて抜けていったわけではない。
そんな間抜けな話ではない。
何かに引っ張られるかのように・・・金属棒が抜けていったのだ。

何が起こったか理解のできない少年の耳に上だという声が入る。
目に焦りを浮かべながらも上を見ると、
そこには先程まで彼が握っていた金属棒があった。

いや、正しい表現をすると浮いていた。

そして落下した。
地球の重力による自由落下による速度とは思えない程のケタ違いの速度で。
少年の頭に。

ゴインッ!!という音とともに少年が倒れる。