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Wizard//Magica Wish −5−

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「そうね…面白いこという子ね…けど…あなたはどうかしら?」

「っ!?」

なんだ…
この人は、何か知っている。
ただの人間ではない…なにか、別の生き物のような感じもする。
今言えることは一つ、こいつは只者じゃない…!

「あなた…絶望しきってるわね…ふふっ!面白い子」
「…っ…それはどうも…よく人から変人って言われるんだ」
「さっき、私はこの世界にはどんなものにも時間は存在するって言ったわ…けど、あなたは、あなただけが違う」

「…どういう意味かな?」



「だってあなたの時間はずっと止まっているのだから」



「……ッ!!」

「ふふっ!生まれていれば時間は進む…死んでしまえば新たな時間が始まる…だったら、あなたは一体何者なのかしら?」
「いい加減にしろ、お前、一体何者だ?」


ハルトは横に座っている女性に容赦なく、胸元にウィザーソードガンを突きつけた。顔色は一切変わっていないが、よほど興奮しているのか鼻息が荒い。
女性は銃に微動だにせず、そのままベンチから立ちハルトを見つめた。


「私の名前は『ミサ』また逢いましょう、操真 ハルト」

「あぁ、出来ればもう二度と会いたくないものだね」

「…ふふっ…じゃあね」


ミサと名乗った女性は病院内のどこかへと消えていった。
ハルトはそれを確認したあと、ウィザーソードガンを下ろし深いため息をした。
よほど緊張したのか彼はそのままこのベンチで寝ることにした。

「時間…か。確かに、あの時から止まってるよ」

雲は一つもない。
だが、自分の心にはずっと暗雲が漂っているままだ。
そんなことを考えている間にハルトに眠気が襲ってきた。その睡眠欲に身体を任せ、ハルトは両目の瞼を閉じて、意識を失った。


作品名:Wizard//Magica Wish −5− 作家名:a-o-w