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機動戦士ガンダムRS 第6話 鉄壁の要塞

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「質問が悪かったようだ。
あの新型機の中で一番高性能なやつのパイロットは、誰だ?」
 ガルシア少将は、ノイマン曹長の回答に少しいらだって再度質問しなおした。
「私、アスラン・ザラ中尉です」
 アスラン中尉がガルシア少将の前に行って敬礼していった。
「嘘を言うな」
 副官は、怒ったがガルシア少将はそれを制した。
「ザラといえば大西洋連邦の代表は、パトリック・ザラだったが君はそのご子息かね?」
「はい」
 ガルシア少将とアスラン中尉と会話に副官は、驚いた。
「しかし」
 ガルシア少将は、近くにいたミリアリアに近づくと腕をつかんで立たせた。
「ミリアリア」
 それにつられてトールも立ち上がりそうになったがニコル中尉が止めた。
キラは、また立ち上がろうとしたがやはりマードック軍曹に制止された。
「この子が君より優れたパイロットということもありうる。
何せ艦長は、なかなか美人な女性だったから」
「やめろ」
 堪忍袋の尾が切れたアスラン中尉がガルシア少将に殴りかかろうとしたが憲兵たちに取り押さえられてしまった。
「やめてください」
 ミリアリアとアスランがひどいことをされキラは、もう我慢ができなかった。
「あの5機のOSにロックを掛けたのは、僕です」
 キラは、マードック軍曹の制止を振り切っていった。

        ※

 アルテミスの管制室では、定時哨戒が行われていた。
「定時哨戒。
近接防衛圏内に敵影艦なし」
「よし、もういいだろう。
全周囲光波防御体収容。
第2警戒態勢に移行」
 定時哨戒の報告にライズマン大佐が警戒態勢を解かせた。
光波防御体発生器からエネルギーが消え光波防御体が消えた。

        ※

 それを待っていましたといわんばかりにドゴス・ギアのカタパルトが開いた。
そして2機の石状ダミーバルーンに身を隠した2機のユーピテルを発進させた。
発進といってもカタパルトの速度であまりに速く移動していると不審に思われるのでユーピテルが押して外に出したといったほうが正しい。

        ※

 ガルシア少将は、キラに歩み寄った。
「坊主、2人を助けようとするその意気込みは評価しよう。
あれは、貴様のような青二才に扱える代物ではない。
ふざけたことを言うな」
 ガルシア少将は、キラを殴ろうとしたがキラはよけてその腕をつかんで一本背負いで投げ飛ばした。
「僕は、あなたに殴られる筋合いはないです」
 キラは、投げ飛ばしたガルシア少将にそういい飛ばした。
「司令」
 副官たちがキラに向かって走っていった。
「何なんですか、あなたたちは?」
 キラは、もうユーラシア連邦の軍人たちに完全にけんか腰になっていた。
「キラ、やめろ。
抵抗するな」
 マードック軍曹が止めようとしたが完全にキラは、頭に血が上っていた。
「貴様」
 今度は、副官がキラの軍服をつかみ殴ろうとしていた。
「やめてください」
 近くにいたサイが仲裁に入ろうとした。
「引っ込んでろ」
 キラを殴ろうとしていた副官は、仲裁に入ったサイを殴った。
サイは、殴り飛ばされた。
「サイ」
 フレイは、その光景を見て奇声を発しサイに歩み寄った。
「ちょっとやめてよ。
キラが言ってることは、本当よ。
その子がパイロットよ」
 フレイもサイが殴られてとうとう頭に血が上ってしまった。
「フレイ」
 トールは、何とかキラの秘密をしゃべらせないようにフレイを制止させようとしたができなかった。
「貴様らいい加減にしないか」
 副官が怒鳴るがフレイは、怖気つかなかった。
「嘘じゃないわ。
だってその子は、スーパーコーディネーターだもの」
 副官は、驚いてキラを見た。
マードック軍曹は、「やっちまった」と手で頭を抑えた。
「スーパーコーディネーター?」
 立ち上がったガルシア少将が言った。
キラがガルシア少将を見た。
 キラは、ガルシア少将と数人の憲兵とともにモビルスーツデッキに向かった。
「何であんなことを言うんだよ、お前は」
 トールは、殴られたサイのほほを冷やしているフレイに言い寄っていた。
「だって・・・・。
でも本当のことじゃない」
 フレイの言葉には、詫びのひとつもなかった。
「キラがどうなるとか考えないわけ、お前って」
 トールは、先ほどから詫びのないフレイに憤慨していた。
「お前お前ってキラは、コーディネーターで私たちの仲間でここは味方の施設じゃない。
それでいったい何が問題があるわけ」
 フレイには、コーディネーターで構成されている地球軍の軍事施設でコーディネーターが不当に扱われる筋合いなどないと思っていた。
「スーパーコーディネーターっていうのは、俺たち普通のコーディネーターとは違う目で見られたり扱いを受けるんだよ」
 トールは、怒鳴った。
「もうよせ」
 それを制したのは、アスランだった。
「彼女を責めるのは、もうよせ。
俺がいたにもかかわらず君の彼女とあいつを護れなかった俺の落ち度の結果だ。
それ以上フレイを怒鳴りたかったら気が済むまで俺を殴れ」
「アスラン」
 トールは、アスランの覚悟の言葉を聞いて少し気が済んだ。

      ※

 キラたちは、モビルスーツデッキについた。
「OSのロックをはずすだけで良いんですね」
 キラがガルシア少将に質問した。
ガンダムの前にいた技術者たちは、キラを驚きの目で見ていた。
キラは、その視線がいやだった。
「まずは。
しかし君には、もっといろいろなことができるだろう」
 ガルシア少将は、意味深なことを言った。
「どういうことです?」
「たとえばこいつの構造を解析しこいつを量産したり逆にこいつより高性能な機体を作るとか」
 ガルシア少将がガンダムを見て言った。
「僕は、民間人で学生です。
軍人でなければ軍属でもない。
僕がそんなことをできるわけないでしょ」
 キラは、自分にはそんなことできないといった。
「しかし君は、スーパーコーディネーターだ」
 ガルシア少将が言った『スーパーコーディネーター』という言葉がキラの反論する心を消した。
「君がどういう人間で産まれたかったかは、知らないがもう君はスーパーコーディネーターとして産まれてしまった。
スーパーコーディネーターとなればいろいろ優遇されるぞ。
もちろんこのユーラシア連邦でも」
 こういう類のうたい文句にキラは、飽き飽きしていた。

      ※

 ダミーバルーンは、刻一刻とアルテミスに近づいていった。

      ※

 部屋で休んでいろといわれた5人の表情は、逆に疲れきっていた。

      ※

 それは、アークエンジェルの食堂にいた皆も同じだった。

      ※

 キラは、まずストライクガンダムのOSの解除を行っていた。

      ※

 管制室では、数人が副司令官の前で雑談を行うほどのほほんとしていた。

      ※

 シグマン機とサウス機は、十分アルテミスに近づいた。

      ※

 η艦隊では、サオトメがころあいを感じ攻撃を始めた。
ビームは、はるかかなたのアルテミスに直撃した。

      ※

 その振動で管制室がどよめいた。

      ※