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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 2

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 目の前は見渡す限りの銀世界が広がっている。右を見ても左を見ても雪の白ばかりである。 雪の街道は今まで通っていった人々や動物達のおかげでいくらか踏みならされていて雪が靴の中に侵入してくることはない。しかし、そこは雪原である。足場が決して良くはなく、足にかなりの負担がかかっている気がする。
 雪原を歩き続けること1日である。ロビン達の目指す先はイミルのマーキュリー灯台であるが、それと思しき物はなかなか見えてはこない。道を間違えたのかとロビンは何度か思ったが、街道以外は雪深い道であるため、間違えるということは考えにくい。よほど遠いのか、それともイミルは街道沿いには無く気付かずに過ぎてしまったのか。
 更に歩くこと数時間、岬の方に高い塔のようなものが見えてきた。
「ロビン、あれマーキュリー灯台じゃありませんか」
 イワンは灯台を指差した。
「ああ、オレもそんな気がしてきたところだ」
 ロビンは言った。
「でもまだここから距離がありそうだ。今日はもう遅い、イミル村で休もう」
 1日に及ぶ雪原の旅であったので、3人は既に少なからず疲弊していた。それにもう、1つ2つ星が瞬き始めた時間でもある。ガルシア達が先にこの地に着いていたとしても、今灯台を灯そうなどとは思わないだろう。
 イミル村はロビン達から西の方角にあった。村人の灯りが見える。
「いいよな、今日はもう休みで」
 2人は賛成した。
「早く行こうぜ。もう疲れたよ」
「よし、じゃあ行こう」
 ロビン達は灯りを目指して歩みを始めた。
    ※※※
 イミルの村を歩く者はほとんどいない。それどころか、人が活動している物音さえしない。俗に言うゴーストタウンと呼ばれるものに近いかもしれない。
「ごめんくださいな…」
 村唯一の教会の扉が2人の老人によって叩かれた。老婆が老爺に肩を貸している。
「はい、どうしましたか?」
 元気そうな子供の声とともに扉は開けられた。
「ごほ…」
 老爺は苦しそうに咳き込んだ。
「このとおり爺さんの咳が昨日から止まらなくてねぇ」
 老婆は背中をさすってやっている。
「ミリー、どうしたの?」
 教会の奥から声とともに清楚で可憐な少女が現れた。白を基調とした服を幾重かに着ている。白の強い水色のローブをさらに纏っている。寒さの厳しいイミルではこの格好が主流である。青緑の髪を後ろで一つにまとめていた。
「メアリィ、また病気の人みたいだよ」
 ミリーは言った。
「まあ、そうなの。ではお爺さん、奥へ来てもらえますか?」
 メアリィは老人を奥へと誘導した。
「どうぞお掛けください」
 メアリィは椅子を差し出した。老爺は腰を降ろした。
「では今から治療いたしますので、動かないでください」
 老爺は言われたようにした。
 メアリィは念じた。
『プライ』
 水のベールのようなものが発生し、老爺の体を包み込んだ。
『その体の悪しきものよ、消滅したまえ!』
 ベールが光を発して消えた。そこには驚いた表情の老爺がいた。
「咳が止まったぞ…」
 途端に笑顔になり、
「どうもありがとうございました。神官様」
 老婆共々深々と頭を下げた。
「いえいえ、また何かありましたら来てくださいね」
 メアリィは笑顔でそれに応えた。
 老人達が帰ってから数分後、少年が教会に駆け込んできた。
「大変だ、大変だよメアリィ!」
 少年は切羽詰まった様子で息を切らしている。
「どうしたのよランド、そんなに慌てて」
 ミリーが訊ねた。
「村長さんの家で村長さんが倒れたって!」
 メアリィは驚愕した。
「本当なのランド?」
「本当だよ!だから早く」
 メアリィは持ち物を準備した。
「じゃあ私村長さんの家に行ってくるから留守番してるのよ」
 メアリィは子ども達の返事を聞かずに教会をでた。    ※※※
「げほごほ」
「大丈夫かよ爺さん!?」
 ジェラルドはイミル村村長をベッドに運んだ。尚も村長は苦しそうである。
 ロビン達は宿屋で一泊した後マーキュリー灯台について何か訊こうと村長の家に来ていた。灯台についての話はあまり深くは知られていないようで、村長は多くの事は話してくれなかった。
 代わりにイミルについての話は聞いた。最近、イミルでは疫病が蔓延しているらしい。それはとても人に移りやすい病であるそうで既に村人の大半がこれに倒れたらしい。
 こんな話をしている時に村長は倒れてしまった。
「お医者さんは呼んだんですか?」
 ロビンは側の村長の夫人に訊ねた。
「さっき、メアリィを呼んだ、間もなく来るじゃろう」
 ノックと同時に扉が開け放たれ、青緑色の髪の少女が入ってきた。
「失礼します、村長はどちらにおられますか?」
 この人がメアリィなのだろうか、とロビンは思った。
「こちらに、こちらに寝かせていますじゃ」
 メアリィはすぐさま村長の元へと寄った。
「げほげほ」
 村長は肺炎になっているのか、乾いたような咳をしている。
「これは、いつものでは無理ですわ…」
 無理、とはもう助かりはしないのだろうか。
「村長、今楽にして差し上げますわ」
 ロビン達は驚いた。助かる見込みがない故に安楽死でもさせるのだろうか。
 思っているうちに、メアリィは両手を動かし始めた。
「止せ…!?」
 ジェラルドが止めに入ろうかと思ったがやめた。 メアリィが手を合わせ何かを念じ始めたからである。
『水に宿りし癒やしの心よ、その安らぎをあたえたまえ…』
 メアリィは力を解き放った。
『プライウェル』
 村長の体に水のベールが発生するのと同時に光の粉が降りかかった。それは確実に村長の体に満遍なくかかっている。
 やがて全ての現象が終わった。
「どうですか村長?」
「ごほ…、ごほ…」
 村長はまだ咳をしていたがだんだん収まってきた。
「楽に…なったわい…」
 村長の呼吸も整ったようである。
「そうですか、それは良かったです」
 メアリィは笑った。
「ではまた何かありましたら呼んでください。いつでも駆けつけますので」
「ああ…、ありがとうよメアリィ…」
 メアリィは村長に会釈してきびすを返した。 メアリィは今まで村長の治療に専念していたので、ようやく見ない人物がいることに気がついた。
「あなた方は、どなた?」
 メアリィはロビンの前に来た。
「オレは、ロビ…」
 ロビンが名乗ろうとした瞬間、何かとてつもない力が働き、一瞬村全体が青白く光った。
 メアリィは驚いて、窓からマーキュリー灯台の方角を見つめた。
「まさか、今のマーキュリー灯台が!?」
――いや、でもあそこには私しか入れないはず。まさか!?――
「アレクスが!?」
 メアリィは慌てて外へ飛び出した。
「おい、待ってくれ!」
 ロビンが制止した時にはメアリィはもう家の外に出てしまっていた。
「ジェラルド、イワン追いかけよう。たぶんサテュロス達が灯台に着いたんだ」
 ジェラルドは血相を変えた。
「何だって!?それはまずいぜ、あの娘1人じゃ止められないぞ」
「急ぎましょう、こうしている間にも彼らはどんどん灯台を登っているかもしれません」
 ロビンも後を追うべくイミル村を出た。
    ※※※