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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 2

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 雪原の中をメアリィは駆け抜けていた。進む先にはマーキュリー灯台がそびえている、しかしまだそこまでの距離はいくらか離れていた。
「はあ、はあ」
 メアリィの息は既に絶え絶えであった。しかし、ある使命と思いが彼女を動かしていた。――アレクス、どうして…?どうして灯台を?――
 メアリィに様々な思いが交錯している。
――いえ、たとえどんな理由があってもマーキュリー灯台を灯そうとするならば容赦はしません。敵がアレクスであろうとも――
 長い距離を走り、メアリィはようやくマーキュリー灯台に到着した。
 メアリィはエントランスホールを過ぎ、入り口にさしかかった。
 入り口の封印は案の定解けていた。――父様、あなたが私に与えた使命、必ず果たします!――
 メアリィは顔を滴る汗を拭って灯台の内部へと入った。
 メアリィは幼い頃から何度か父に付いてマーキュリー灯台に来たことがあった。その頃はアレクスも一緒だった。
 幼い頃のメアリィは何をするにもアレクスと一緒であった。彼らは兄妹ではないが本当のそれのように、あるいはそれ以上に仲がよかった。
 メアリィが5歳のとき12歳の少年アレクスが村の中で行き倒れていた。それを発見したメアリィの父に介抱され、一命を取り留めた。
 彼は髪の色や不思議な力を持つということで長く魔物の子などと呼ばれ忌み嫌われてきた。その為、彼は自分の住まうに相応しい、彼を嫌いはしない人がいる場所を探し、旅を続けてきた。そしてようやく彼と同族の親子を見つけることができた。
 アレクスはその後メアリィの父に弟子入りをし、癒やしの力、水に干渉する力を学んだ。その力は師であるメアリィの父に勝るとも劣らないほどのものとなっていた。
 それから数年の後、アレクスが18歳の時である、彼はマーキュリー一族が長く守ってきたマーキュリー灯台に錬金術解放の手がかりがあることを知った。同時に錬金術とは如何様なものなのかも。
 アレクスは師に灯台を解放することを進言した。当然それは聞き入れられるはずが無かった。そこで、アレクスはある考えを出した。
 アレクスが進言した次の日の夜の事である。メアリィが寝付いた所を狙って、師を家の外に呼び出した。
 アレクスは何も言わずに師に戦いを挑んだ。
 修行の際には勝るとも劣らない力を見せていたアレクスだが、その時には僅かに師の方が一枚上手であった。しかし、その時のアレクスの力は一回りも二回りも師を凌いでいた。
 力と力のぶつかり合いに異変を感じたメアリィは目を覚まし、外に出た。そこには変わり果てた父の姿があった。
 アレクスは既にどこかに行方を眩ましていた。
 メアリィはその日の出来事を忘れることは無かった。だからこそ、アレクスの目論見は阻止せねばならない。
――マーキュリー灯台は私が守ります。――
 突如、メアリィの足元に冷気が降りかかった。前を見ると、鎧を身にまとい戦斧を持つ爬虫類の魔物が口から冷気を発していた。
「リザードマン…」
 メアリィに恐怖は無かった。
「どきなさい、私は急がなければなりません!」
 彼女の武器である杖、セイントアンクを取り出した。
 メアリィは杖を構えたまま、リザードマン目掛けて杖を突き出した。しかしそれはリザードマンの戦斧によって弾かれてしまった。
 メアリィは勢いのままに床に倒れた。
「くく…、」
 メアリィはどうにか立ち上がった。そして杖を構えた。
「セイントアンクよ、真の力を現したまえ」
 メアリィの杖が脈を打った。
「アンチエナジーレイ!」
 メアリィはリザードマンの前に駆け寄り、杖の先端を横薙に振った。
 それはリザードマンに大きなダメージは無いように見えたが、振った動きに合わせて閃光が発生し、リザードマンの体を縛り付けた。
 リザードマンは呻きながら体を拘束する光の帯を引きちぎろうとしている。
「これでトドメです!」
 メアリィは念じた。
『チルドアース!』
 冷気とともに氷の刃をリザードマン目掛けて打ち出した。それはリザードマンの顔に命中した。
 戦いはメアリィの勝ちかと思われたが違った。メアリィの一撃はリザードマンを絶命させるのではなく、怒らせただけだった。
 リザードマンは怒りに任せて光の帯を引きちぎった。そして、力一杯メアリィを殴りつけた。
 メアリィは床を2転3転した後仰向けに倒れた。あまりの衝撃で少しの間息ができなくなった。
 痛みも強くてとても立ち上がれない。痛みに苦しんでいると、リザードマンが覆い被さってきた。
 驚いたメアリィであったが、既に両手を拘束されてしまい身動きがとれない。何度か体をひねって抜け出そうと試みたが、リザードマンは岩の如く頑強であり、比丘ともしない。
 リザードマンは爪を尖らせ、振り下ろした。
『フレア!』
 ほとばしる一筋の炎がリザードマンに当たり、爪は逸れてメアリィの衣服を少し切り裂く程度ですんだ。
 炎にもがき苦しむリザードマンから解放され、メアリィは見た。そこには金髪の少年2人に、手から煙を出している逆立った髪をした少年がいた。
「やい、このトカゲ野郎オレの目の前で不埒な真似はさせないぜ!」
 ジェラルドは言った。
「ロビン、イワンあの娘を頼む。こいつはオレ一人で十分だ」
 ロビンとイワンは言われたようにメアリィのもとに駆け寄り、肩を貸した。
「あなた方は…?」
「訳あって灯台の解放を阻止しに来たんだ」
 ロビンは簡潔に答えた。
 リザードマンは立ち上がって、ジェラルドを睨んだ。
「ふ、やっとやる気を出したか。さあ、さっさとやろうぜ!」
 ジェラルドは大剣を抜いた。そして、片方の手の手のひらを上に向け、人差し指を2、3回動かし挑発した。
 リザードマンはいきり立って、戦斧を振りかぶりながら飛びかかってきた。
 ジェラルドはそれを簡単にかわし、大剣を振った。しかし、斬れたような感じがしない。
「ち、かてぇ野郎だぜ」
 反動で痺れる手を抑えながらジェラルドは唾を飛ばした。
 ジェラルドに冷気が降りかかった。見ると、それはリザードマンの息、
「ウォーターブレス」であった。
「つ、冷てぇ!ちきしょうあのトカゲ…!」
 ダメージはそれほどでも無かったが、冷気が当たった所が少し凍りついた。
「もう容赦しねえぞ、くらえ…」
 ジェラルドは気持ちを集中させ、エナジーを溜めた。
『フレアウォル!』
 炎が放射状に広がりリザードマンを包み込んだ。
 炎が弱まる頃には焼け爛れた姿のリザードマンがいた。
「一気に畳み掛ける!」
 ジェラルドはさっきよりも大きなエナジーを溜めた。そして放った。
『ヒートバーナー!』
 極太の炎による火炎放射でリザードマンを焼き尽くした。
 炎の中でリザードマンは絶命した。ジェラルドはエナジーを止め、灰になったリザードマンに大剣を振った。…かさ、という音と共に壊れた。ふう、とジェラルドは息をつき、
「お待たせ!」
 ジェラルドは大剣を納めた。
「邪魔者は倒したぜ」
 ジェラルドはロビン達の元へと駆け寄った。そしてロビンの側で横たわっているメアリィを見た。
 目に付く傷などは無いようであるが、気を失っている。
「大丈夫なのか?」