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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 2

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 先にメアリィが乗ってみせた。
 乗った瞬間、台座からメアリィの頭上へ光のリングが発生した。
 メアリィはその後広大に広がる泉へと跳んだ。当然体は水に沈んでしまうと思い込んでいたロビン達だったが、実際には違った。
 光のリングがメアリィの足元に留まって彼女を支えていた。
「さあ、皆さんも早く」
 メアリィに促されてジェラルドが続いた。
 さっきのメアリィのようにジェラルドにも光のリングが頭上に生じた。そのままジェラルドは水の上に跳んだ。例によってリングがジェラルドを支えた。
「すっげ?、本当に水の上に立てたぜ」
 2人も早く来い、とジェラルドは呼び掛けた。
 続いてイワンが前の2人と同様にした。イワンも水上に立つことができた。
「本当にすごい、どうなっているんでしょうか?」
 残るはロビンのみであるが、ロビンは後込みしている。
「何やってんだよロビン、早くしろよ」
 ジェラルドは急かした。それでもロビンは動かない、いや動けない理由があった。
――冗談じゃない、人が水の上なんか歩けるものか。第一落ちたら…――
 ロビンは金槌なのである。幼い頃から水にだけは入れなかった。それどころか昔ジェラルドにふざけて水に落とされた事もある。その時は溺れかけた。それ以来水を見る度にその時の恐怖が蘇ってしまうのである。
 ふと、ジェラルドが水から上がってきた。
「ほら、モタモタすんなさっさとしろ」
 ジェラルドはロビンの背中を押して台座に載せた。
「分かった、分かったから押すな。自分で行くから」
 それでもロビンは台座の上で固まり続けている。
「行けよ!」
 業を煮やしたジェラルドがロビンを押した。
「へ、やうわあああ!」
 ロビンは何ともおかしな叫び声を上げ、水の上に落ちた。光のリングがロビンを支えてはいるが、ロビンは驚きと恐怖のあまり暴れている為、光のリングは徐々に小さくなってきている。
「いけません!そんなに動いたら…」
 メアリィが注意しようとした途端ロビンの光のリングは消え失せ、ロビンは水の中に沈んだ。
「ロビン!」
「がばぐぼぼ…」
 ジェラルドはわき目もふらず水に飛び込んだ。数メートル先で溺れるロビンの元へ泳ぎ、向かった。
「ロビン、さあ手を伸ばすんだ」
 ジェラルドは手を伸ばせば届く距離に近づいた。必死に手を伸ばしてロビンを掴もうとするがなかなか掴めない。
 しかも、この水はとてつもなく冷たい、このままではロビンだけでなくジェラルドも危険である。
――ちきしょう、体が痺れてきやがったぜ…――
 ジェラルドもロビンも限界に近づいている。
――一か八か、やってみるか――
 ジェラルドは力を込め念じた。
『ヒートバーナー!』
 一直線に極太の炎が延びた。炎の勢いが水を押し上げ、水を2つに割った。
「よし、今だ!」
 ジェラルドはロビンを背負って水がとんだ所を駆け抜けた。
 イワン達のいる所へたどり着くと水が元に戻るのを待ち、戻った後水から上がった。
「メアリィ、ロビンの手当てを頼む」
 メアリィはすぐに『プライ』を発動した。いつものようにエナジーが働いて、間もなくロビンは目を覚ました。
「あれ、オレは何を…」
「ロビン、気が付いたか!本当に悪かった。お前が泳げない事知らなかったんだ」
 ジェラルドは慌てて詫びた。
「うん?ジェラルド…ああ、そうだお前よくも!死ぬかと思ったぞ」
 ロビンはジェラルドにつかみかかった。
「いや、本当に悪かったって、てかなんで泳げないって教えてくれなかったんだよ?」
 ジェラルドは苦笑しながらロビンの掴む手を払った。「だってお前知ってると思ったんだ」
 何せロビンの金槌の原因は幼い頃のジェラルドのせいなのである。しかし、こともあろうにジェラルドは
「全然知らなかったぜ」
 ロビンの怒りは収まるはずがなかった。
「ジェラルド…」
 ロビンは再びジェラルドにつかみかかろうとしたが、突然のくしゃみに邪魔された。
「おい、ロビン大丈…」
 ジェラルドもまたくしゃみをした。
「2人ともその格好のままでは風邪を引きますよ」
 灯台の内部は風がないぶんいくらかマシであるが、十分に寒い。その上2人はずぶ濡れであるため体感温度はさらに低い。
「ひとまずどこかで休みましょう」
 ロビンとジェラルドはメアリィの提案に従うことにした。
    ※※※
 刃と刃がぶつかり合った。
「私の剣技と互角にやり合えるとは、貴様何者だ?」
 刃がギチギチと耳障りな音を立てている。
「何者でもありませんよ。ただの人ですよ…今のところはね」
 アレクスは剣を振り上げた。
「くそ…!」
 突きを繰り出してきたアレクスの剣をリョウカは紙一重のところで交わした。赤い髪の毛が数本舞った。
「えええい!」
 後方に跳びながら刀を抜きはなった。
「!」
 アレクスはかわしきれず額から一筋血を流した。
「あなたの剣技、なかなかですね」
 アレクスは手の甲で血を拭った。
「次は私の番です」
 アレクスは正面から向かってきた。
 それに対応してリョウカは刀を横薙に振った。しかしその刀身は虚空を切り裂くのみであった。
「こちらですよ」
 後方からアレクスの声がした。振り返ったが遅く、背中を一閃された。背中から血が噴き出す。
「今のは致命傷になるかと思いましたが、体を捻りましたか」
 アレクスは剣の血を振り払った。
『キュアライト』
 エナジーによって背中の傷がみるみるうちに閉じていく。
「おや、癒やしの力を持っていましたか」
 リョウカは既に立ち上がって構えている。
「いいでしょう、お気のすむまでお相手いたしましょう」
 突然、リョウカが消えた。
――消えた?…いや、これは…――
 アレクスは短刀を横に向けた。すると、鋭い金属音と共に驚いた表情のリョウカが現れた。
「そちらでしたか」
 リョウカは跳び下がった。
「何故だ、何故今貴様は私を捉えることができた!?」
 アレクスは微笑した。嘲笑の意味も込めて、
「目にも留まらぬ速さで動き相手を翻弄する、とても素晴らしいものです。ですが、貴女の場合は動くことに夢中で無駄な空気の流れを生み出してしまいがちです。私のような空気の流れを読める者にとっては、貴女の動きなど手に取るように分かりますよ」
 リョウカは愕然とした。彼女は今まで一度もこの技を見破られた事がなかったのだ。
「さあ、何度やっても同じ事だと思いますが、どうします?」
 アレクスは一歩前に踏み出した。
 リョウカは歯噛みをしたが、ニヤリとして刀の構えを変えた。今までとは違い、今度のは刀の柄に手を添えている。
「まさか本気を出さなければいけないとは…」
 アレクスは動じなかった。
「何ですかそれは?ハッタリですか」
 次の瞬間アレクスの周りで風が巻き起こされた。それと同時にアレクスの周りの物が全て寸断された。
気が付くとリョウカはアレクスの背後にいた。
「ハッタリなどではないぞ」
「でしょうね、安心しました」
 両者の刃がかち合った。同時に後退する。
『フレア!』
 リョウカはエナジーを発動した。炎がアレクス目掛け飛んでいく。
「甘いですよ!」