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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 2

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 ロビンが提案した。
「それがいいな…」
 2人の意見がまとまり、彼らは村に入ろうとした。
「もうこんな村には居られません!」
 ロビン達の側で騒ぐ者がいる。
「3日前に到着してから多くの物を盗まれましたし、大地震が来るし、ともかくもうカレイの町へ帰りましょう!」
 騒いでいる者は商人であった。それも相当な腕を持った商人である。
「ハメット様、宿の主から聞いたのですが、カレイに向かう為の南の橋は地震で壊れたそうです」
 商人の傍らの使用人が言った。ハメットはこれに驚いた。
「なんですって!?カレイには帰れないのですか?」
 ハメットは少しの間考えた後ある決断を下した。
「北へ行きましょう」
 今度は使用人が驚いた。
「ハメット様!北には盗賊の村ルンパがあります。ハメット様のような方が行かれたら確実にさらわれてしまいます!」
 ハメットは聞かずに側に止めておいた馬車に乗り込んだ。
「地震の被害に遭うよりはマシです」
 使用人はもうこれ以上何も言わなかった。
「ハメット様、イワンはどうするのですか?」
 使用人は彼らのお供らしい者の名を言った。
 ハメットは1つ息をつき、
「シャーマンの杖を取り返す、とは彼の意志です。好きにさせておきましょう」
 答えた。
「さあ、早く馬車を出しなさい」
 使用人も馬車に乗り込み、手綱を握りしめ、馬を走らせた。
 その場に残されたのはロビンとジェラルドだけとなった。
「地震なんか起きたのかな」
 ジェラルドが口を開いた。
「多分、アルファ山の異変で起きたんだろ。置いてかれたイワンって人も可哀想だな、地震が恐いから逃げたんだぜあれ」
 ロビンは見知らぬ者に同情した。
「まあいいや、さっさと宿を探そうぜ。ジェラルド」
「ああ」
 ロビン達は村へと歩みを進めた。
    ※※※
 ロビン達は宿を探した。そしてどうにか見つけはした。やっとの思いで見つけた宿だが、宿屋の主によると3日前から浮浪者風の男が3人ほど泊まっていてもう部屋がないという。「おい、じゃあオレ達はどうすればいいんだよ、せっかく村に着いたってのに野宿しろっつうのか!?」
 ジェラルドは怒り狂って宿屋の番台を叩いた。
「いえ、そう言われましても…こちらも一応商売なので…」
 宿屋の主は怯えている。
「商売だったらオレ達も客じゃねえのかよ、どうにかしろ!」
 ジェラルドも怒るのは本当に仕方がない話なのである。
というのも彼は2日間に及ぶ野宿の際に、寝込みを魔物に襲われその後一睡もできず、その次の晩は、寝入り際に毒蛇に噛まれてしまった。幸い、魔物は強いやつではなく、簡単に倒すことが出来、また蛇の毒は軽く、すぐに吸い出して毒消しを傷口に当て、毒によって多少奪われた体力はロビンの癒やしのエナジー、
「キュア」で取り戻すことが出来た。
 そんな不運な目に遭ってきたので今日、しっかりとした寝床で寝るチャンスを不意にしたくはないのである。
「もう諦めようぜ、ジェラルド」
 ロビンは喚くジェラルドをなだめた。
「ロビン、オレはもうあんな所に寝たくないぞ!」
 ジェラルドの喚きはさらに大きくなった。
「誰だ、うるさいぞ」
 階段から客と思われる男が不満そうな顔で降りてきた。
 男は汚れた顔、くしゃくしゃの髪型、煤まみれの格好とすべてみすぼらしく、汚らしい浮浪者であった。
「ひょっとしてお前達最近の盗みの犯人でも捜しにきたのか?」
 浮浪者はロビンに言った。
「いや、オレ達は宿を探してただけだ」
 ロビンは否定した。
「ふん、盗みだかなんだか知らないけど、あんたが犯人なんじゃねえのか?んな汚ねえ格好してんだからよ!」
 ジェラルドの言葉に浮浪者はムッとして、
「浮浪者だからといって疑うのは心外だな、こちらはその理由で何度も疑われた。全くいい加減にしてほしいものだ」
 言って階段を登っていった。
「あの、お客様?あちらのお客様も言われておりますのでどうか今日はお引き取りを…」
 仕方なくロビン達は宿屋を出た。
    ※※※
「あ?、ちきしょう!マジでむかつくぜ!」 ジェラルドは周りを気にすることなく騒いだ。
「もうよせよ、辺りに聞かれてるぞ」
 既に村人の注目の的になっている。ロビンは恥ずかしそうに諭した。
「こうなりゃもうヤツらに一泡吹かせてやらなきゃ気がすまねえ」
 ジェラルドは右の拳を左の手のひらに当て、そのままバキバキとならし始めた。
「全く、しょうがないやつだよ…」
 ロビンはため息をついた。
「おぅし、ヤツらに関する情報でも集めるか!」
 ジェラルドは気合い満々と駆け出した。
 ジェラルドとロビンは外を歩く村人に話を聞いて回った。やはり予想していた通り、この村で起きている盗みの犯人はあの浮浪者が怪しいと皆口々に答えた。しかし、決定的なものがなければ捕まえられたとしても、証拠不十分としてすぐに解放されてしまうだろう。彼らに盗られた物を取り返すためにも、完全に捕縛しなければならない。
「う?ん、どうしても証拠が見つからねえんだよなぁ…」
 村の外れの大木の木陰でジェラルド達は休んでいた。
「もういいじゃないかジェラルド、こんな事止めて野宿する所を探そうぜ」
 ロビンは顔の汗を拭い、暑そうにシャツをぱたぱたとあおいだ。
「いいや、絶対にヤツらをひっつかまえて宿に泊まるんだ!」
 ジェラルドは動じなかった。
 やれやれとロビンはため息をついた。ふと、前を見ると、犬と戯れている少年がいた。
――気楽なもんだ…――
 ロビンが目線を落としかけた時、不思議なものを感じた。もう一度少年に目をやると、少年の体が光輝いていた。
――まさか…?――
 ロビンは犯人捜しをしているジェラルドに声掛けた。
「ジェラルド、あそこにいる子見えるだろ?話を聞きにいこう!」
 ロビンはすぐさま立ち上がって進んだ。
「なんだ、ロビン?」
 ジェラルドも後をついてきた。
 距離はさほど離れてはいなかったのですぐに彼の目の前まで近付くことができた。
「あの、君…」
 少年はロビンを振り向き、手をかざした。
――何!?――
『リード』
 少年の手が光った。
エナジーの光である。
 エナジーとともに少年の心に声が届く。
『何、エナジーを使ったのか!?』
 少年は大きな目を丸くして、
「へえ?、この力はエナジーと言うのですか」
 感嘆した。これにロビンは驚愕した。
『リード』
 またエナジーを発した。
「なるほど、ロビンにそちらは、ジェラルドですね。僕はイワン、よろしく」
 イワンと名乗った少年は礼儀正しくお辞儀をした。ロビンの驚きはさらに大きくなった。
――どうしてオレ達の名前を知ってるんだ!?――
「少々心を読み取らせていただきました」
 イワンは悪びれずに言った。
「心を読むだって!?」
 驚き続けるロビンにイワンは説明をする。
「これはリードという力で相手の心を読み取ることができるのです」
 ロビンには察しがつかない。それを見越したのかイワンはロビンの手を取って、
「例えばこんな感じですよ」
 もう一方の手をロビンの傍らで固まっていたジェラルドに向けた。当の本人は驚き制止させようとした。しかし、
「や、止めろイワン!」