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Wizard//Magica Wish −6− 後編

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・・・



−マミ、用意はできたかい?−
−はやくしないと出発するわよ!−

−待って!お父さん、お母さん!−



「ここが…マミちゃんのソウルジェムの中…始まりの時か…」

ソウルジェム内、ウィザードは見たことの無い場所に立っていた。後ろにはかなり豪華な屋敷…そこに若い夫婦と見たことのある特徴的な髪型の女の子…あれは、巴マミか。
ここは、彼女の記憶の中なのだ。

「マミちゃん……っ!!」

突然、その光景で動いていた物の時間が止まり、ガラスが割るような音を立ててウィザードの後ろに巨大な魔女が出現した!!
外見は水色のワンピースのようなものに黄色の巨大なボンネットを被った姿だ。そのボンネットには名札がついている…自分の名前を書き綴っているのだろうか。

−「candeloro」−

魔女は出現するや否や両手からリボンを放出させ、ウィザードを拘束しようとする。ウィザードは避けるが、そのリボンがぶつかった空間が割れ、異様な魔力が流される…あれは、ソウルジェムの汚れだ。

「これ以上好き勝手されたらソウルジェムがグリーフシードに…!!絶対させないよ!」
「『ビッグ』プリーズ!」

巨大化したウィザードの左足が空高くに上り、勢いを殺さずにかかと落としを魔女に決めた。だが魔女には対した効果はなく、今度は両手のリボンで銃を作成し始めた。

「おいおい…ちょっと待てって!」

魔女は見境いなく色々な場所へと銃弾を放つ…あの魔女にしてみれば普通の拳銃だが大きさからしてマミの使用するティロフィナーレと何ら差し支えなかった。まともに喰らえば大ダメージでは済まない出力だ。

必死に銃弾を避けるが一向にキリがない…そして
「やめた…もう良い、好きにしろ!」
なんとウィザードは避けるのを止めてしまい、両手を開いて降参の意を魔女に見せた。ここに杏子がいれば 何をやっているんだ!と突っ込まれそうだが、これで良いのだ。一番被害が少なく、確実にあの魔女を倒すためには…。

「っ!…もっと優しくしてくれても良いじゃん」
魔女は両手からリボンを射出しウィザードをがっちりと拘束した。魔女の元へと引き寄せられ、次第に魔女が大きな口を開けた。…自分を丸呑みにするつもりなのだろう。
あと数十メートル、数メートル。そして、すぐ自分の目の前に鋭利な歯が…。
「これを待っていた!」
「『リボーン』プリーズ!」

ウィザードはあと数センチというところで魔法を発動し、魔女に右手を掲げた!魔女は悲鳴を上げウィザードを拘束したまま暴れ始める!家や車にぶつかりながらも必死に抵抗するが全く意味がなかった!次第に自分の身体から光が放出され少しずつ透明になって浄化されていく!!

「うっ!ぐうぅっ!マ…マミちゃん!!絶対に諦めるな!!今、俺が助けるから!!だからもうちょっと辛抱していてくれ!!…う、うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ソウルジェム内に、光が広がっていく…。
魔女は完全に浄化され、2つの指輪へと変わった。

汚れは完全に取り除いた。
だが、それは巴マミの…魔法少女としての使命の終わりという意味でもあったのだ。




−−−ありがとう、ハルトくん


「あぁ…ちょっと無茶しすぎたかな…」


何も無い白い空間、その空間内でマミの声が響き渡る。
ウィザードは上か下かもわからない状態で語り始める。…彼女に、真実を伝えなくては。


「ごめん、マミちゃん…俺がこの指輪を魔法少女に使っちゃったら、みんな意識を失ってしまうんだ…それも、いつ目覚めるかわからない…明日目覚めることがあれば、1年、2年後かもしれない…それは俺にもわからない」


−−−うぅん、それで良いのよ。ハルトくん。私が皆を傷つけるくらいなら、ね。


「そう…わかってもらえれば、嬉しいんだけどね」


−−−私、一度絶望しちゃったのね。絶望したために、鹿目さん達をあんなに気付付けて…。

「けど、マミちゃんは諦めなかった。だってそうでしょ?諦めてたら、ソウルジェムはもっと早くグリーフシードに変わっていたんだから」

−−誰かさんのお陰でね?…あの夜、ハルトくんが私に言ったこと、覚えてる?

「もちろん、俺がマミちゃんの希望だから…でしょ?」

−−うん…だから、ずっとハルトくんが助けてくれるって、信じてた。私は、もう一人なんかじゃないって。確かに辛い事、悲しい事。私が歩いてきた人生の中で沢山あった。望みがかなわないことだってあった。けど、すぐ傍には、皆がいた…だから私は歩いてこれた…ありがとう。本当に、ありがとう!!


「これからもだよ…君のそばには、皆がいる。…だから…ね



今は、眠って…お疲れさま、マミちゃん」




−−えぇ…ねぇ、ハルトくん

「ん、何?」




−これで、よかったのかな?−


うん、俺は良かったと思う。


−そう…なら、もう任せても良いわね?−


大丈夫、あとは俺が皆を守るから。


−ふふっ!本当に?−


もう、まだ俺のこと信用してないの?


−冗談よ…ただ、やっぱり不安だから…−


何が?


−私がいなくても…私がいなくてもやっていけるかしら…−


皆は少しずつ強くなっていってるよ、魔法も、絆も。だから…今は安心してゆっくり休むんだ。


−そう…なら、後は……任せるわね…ハルトくん……私は、もう…−


あぁ、今まで頑張った分、今はお休み…マミちゃん…





−えぇ……ありがとう……ハル…ト……く……−