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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
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仮面ライダー ~episode of NEW RIDERS~

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第三章 フォーゼ 新・参・騎・士



場所は移り、天ノ川学園高校
ここには、高校生でありながら仮面ライダーである人間がいた
名は如月弦太朗
またの名を仮面ライダーフォーゼ
新しく創立した、宇宙仮面ライダー部の部員だ
「もうあと半年で卒業かー」
「まだ弦ちゃん来て一年しか経ってないのにねー」
彼女は城島ユウキ
弦太朗の幼なじみで、同じく仮面ライダー部の一員
というか部長である
一時色々あり、ジェミニ・ゾディアーツとなってしまっていたが、今ではそんな事も無く、普通に暮らしている
「まあ、俺は少し卒業できるか危ないけどな」
彼は歌星賢吾
彼も仮面ライダー部の部員ではあるが、実は人間ではなく、コアチャイルドというプレゼンターよりもたらされた、言わば宇宙人である
しかし、今ではそんな兆候も無く、普通の人間として暮らしている
「そんなときは、俺達も一緒に留年してやる!」
「そうだよ、賢吾君!」
「いや、それはそれで困るんだが…」
今3人がどこにいるのか
それは、3-Aの教室だった
現在、部室であったラビットハッチは破壊され、部室がなかったのだが、顧問である大杉の尽力により、この教室が宛がわれた
「転校生といえば、今日JKのクラスに転校生がきてたよね」
「おっ、そうだな。今の時期だなんて珍しいけど、あいつとも友達にならないとな」
今現在、学校の生徒のほとんどが弦太朗の「友達」だ
弦太朗と友達でない人間がいるのが不思議な状態だ
「まあ、君の好きにすればいい。もう"敵"はいないのだからな」
「ああ、そうさせてもらうぜ」
そういえば、今日は他の部員は休みらしい
一年の二人は集会があるらしく、二年の二人は進路についてそれぞれ担任と話し合っているようだ
そんなときだった
どこからかブザーが鳴った
「なんだ?」
すぐには気づけなかったが、賢吾は数瞬の後に気づけた
「これか…!」
いつも持っているトランク
アストロスイッチが入っているトランクだ
他にも、各フードロイド、NSマグフォンやレーダーモジュールと通信が出来たり、パワーダイザーの遠隔操作やゾディアーツの探知が出来たりする
このアラームはゾディアーツの発見音だ
「なぜ…こんな…」
そうだ
三ヶ月前の一件で、サジタリウス―我望理事長は消え、全てのゾディアーツが消えたはずだった
しかし、この音が鳴っている
ということは
「…新たなゾディアーツ」
「「えっ?」」
幼なじみ二人は首を傾げた
「とりあえず行こうぜ、賢吾」
「ああ」
三人は部室を出て走り出した



外に出ると、すぐそこにいた
「あれか!」
「しかもマント付き…」
マント付き
ということは幹部ゾディアーツ…
「へびつかい座…。オフィユーカスか」
「一体…どうして…」
「俺は我望にスイッチを渡され、十二使途と同等の力を持つ十三番目の黄道星座のへびつかい座の力を手に入れた。だが、奴の思想とは合わず俺は離反した」
そしてオフィユーカスは、スイッチを出した
下部が赤い、幹部スイッチだ
「このスイッチがあれば、あいつも安全にプレゼンターの元へ行けたものを…」
彼は嘲笑するかのように笑い、三人に顔を向けた
「どういう意味だ。十二使途のスイッチを揃えればプレゼンターの元へと行けるのではなかったのか」
賢吾の疑問に、オフィユーカスは答えた
「君達が我望達を倒したのだと聞いている。なら知っているだろう、ワープの時にその者が無防備になるのは。それが、このスイッチ一つで変わるのだよ。このスイッチがワープする者を守る防壁を作ることが出来るという優れ物なのだよ。まあ、我望自身は、気づくことはなかったがな」
そして弦太朗を見据える
「如月弦太朗、十二使途を倒し、我望をも下したお前の力を見せてみろ。俺が相手になってやる」
その言葉に弦太朗は、いつも通りに答えた
「おう、その喧嘩、買ったぜ!だけど、一つだけ間違ってる。理事長に勝ったのは俺じゃねぇ」
「なんだと?」
弦太朗は鼻高々に答えた
「俺と、仮面ライダー部のみんなと、全員で勝ったんだ!」
「フッ、笑わせる。友達など、ただの夢想に過ぎん。それを今から教えてやる」
「上等だ!」
弦太朗はドライバーを出し装着し、それについている赤いトランスイッチを全てオンにした
『Three Two One』
「変身!」
そしてドライバーの右側にあるレバーを押し込んだ
刹那、UFOのようなエフェクトが弦太朗を包み、変身が完了した
「仮面ライダーフォーゼ、タイマンはらせてもらうぜ!」
弦太朗は右手を突き出し、そういった
その後いつも通り、戦闘を開始する
とりあえず拳で殴ってみる
しかしオフィユーカスは、持っている棒のような物で応戦して来た
このままでは埒があかない
そんなわけで
「これ使うか!」
フォーゼは、ドライバーからデフォルトで装着されているロケットスイッチを引き抜き、代わりにゴールドのスイッチを装着した
『Eleci』
それをオンにした
『エレキ オン』
その瞬間、フォーゼを稲妻が包み、ステイツチェンジが完了した
フォーゼ、エレキステイツだ
「おら!」
弦太朗は、ゾディアーツが持っている棒に対して、ビリーザロッドで対応した
激しい応酬が始まった
しかし電気を纏っている分、フォーゼに分があった
衝突の度に相手の持つ棒から電気を流し込み、少しずつだがダメージを与えていった
「このままではやられるか…」
オフィユーカスはフォーゼから離れ、持っている棒の先端をくわえた
「なんだ?」
そして息を吹き込む
すると綺麗なメロディーを奏でた
「気をつけろ、如月。なにか来るぞ」
「お、おう」
その瞬間、ゾディアーツの周りから、蛇がうじゃうじゃと出てきた
「へ、蛇ぃ!?」
「行け」
その言葉とともに大量の蛇がフォーゼを襲う
「うわー!!」
大量の蛇を前にビリーザロッドを振り回しても役に立たない
「こうなったら…」
弦太朗はエレキスイッチを引き抜き、赤いスイッチを取り出した
それをドライバーに挿し込む
『Fire』
そのスイッチをオンにした
『ファイアー オン』
刹那、フォーゼの周りを炎が包み、ステイツチェンジが完了した
すぐさまヒーハックガンを手に、蛇達を燃やしはじめた
しかしいくら焼いても少なくなる気配がない
そんなときだった
『Meteor Ready』
「変身!!」
そんな声が聞こえた
ユウキと賢吾が振り向くと、青い球体がこちらに向かって飛んで来ていた
「あれは!」
その球体は、一度オフィユーカスに体当たりをし、そしてフォーゼの隣に降り立った
その衝撃で蛇達はまるで紙屑のように飛んでいった
「流星!」
そう
流星だ
「貴様、何者だ」
オフィユーカスが聞くと、球体の中から人が現れた
どうやら、ライダーのようだ
「仮面ライダーメテオ。お前の運命は、俺が決める」
ポーズをキメて、敵を見据えた
朔田流星
またの名を仮面ライダーメテオ
反ゾディアーツ同盟の仮面ライダーであり、今は同盟は潰れたが、それでもライダーとして戦いつづける、流星のライダーである
「朔田、どうして…」
「昴星から帰るときに、なにか嫌な感じがした。それで来てみればこの様だ。きてよかった」
どうやら弦太朗が心配になったらしい
「弦太朗、あれを倒せばいいんだな」
「ああ。一緒に行くぜ」