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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
novelistID. 26082
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仮面ライダー ~episode of NEW RIDERS~

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二人のライダーは、一斉に飛び掛かった
その攻撃をよけ、ゾディアーツはさらに離れた
「これは好都合だ。すこし協力してもらおう」
オフィユーカスは、また棒に口をつけ、笛を吹く
心なしか、さっきと違うメロディーだった
「また蛇か?」
「がああ!」
「流星?」
何故か流星が苦しみだした
弦太朗は、それを見ていることしか出来なかった
そして、メロディーが止んだその瞬間、なぜか流星が襲ってきた
「流星!どうしたんだよ!」
「無駄だ。声は届かん。彼は今、私の手の内だ」
オフィユーカス…へびつかい座の本質
それは、蛇を自由自在に操ることが出来ることだ
それと同じように、人を操ることも出来る
「クソッ、どうすれば…」
メテオは中国拳法のような格闘技で追い詰めて行く
いつかに襲われた時のようだ
いつの間にか、フォーゼはサンドバックのようになっていた
そんなときだった
『Apollo on』
「はぁぁ!」
また別の声が聞こえた
ゾディアーツの後ろからだ
「がはぁ!?」
衝撃波が飛んできて、オフィユーカスの後ろから当たり、吹っ飛んだ
それと同時にメテオは、意図の切れた操り人形のように倒れた
それをフォーゼは受け止める
「おっと。…誰だ、あれ」
さっき衝撃波が飛んできた場所
そこには、人がいた
ただの人ではない。仮面ライダーだ
「全く…おいメテオ、もうちょっと周りに気をつけろよ…」
腰には、スイッチソケットが中心に一つ、その両側に横になって一つずつ、計三つあり、装着者から見て右側のソケットの前にエンターレバーが、真ん中のソケットの前に青いトランスイッチが二つあるドライバーがある
胴体部には大きな太陽がついており
頭部は既視感を覚える、太陽の形をしたマスクが
手には鍔の部分が大きな太陽の形をしている剣のモジュールがあった
「お前は…仮面ライダーなのか?」
「貴様、何者だ」
颯爽と現れた仮面ライダーと思しき人物は、フォーゼの前に踊り出て、ゾディアーツに向き直った
「俺は仮面ライダーアポロ。太陽(ほし)の天誅は、俺が下す」
オフィユーカスに向けて指を指し、言い放った
「仮面ライダーアポロ…。どっかで声を聞いた気がするんだが」
「そんな事より、今はあいつだ」
アポロはゾディアーツを見据えた
「じゃあ、すこしお片付けでも始めますか」
太陽のライダーは、ゾディアーツに向けて剣を振り上げた
「セイッ!」
振り下ろした剣がオフィユーカスに当たることは無く、彼は飛んで避けた
「ったく、手間を増やさないでくれよ」
アポロは、横についている二つのスイッチをオンにした
そのスイッチは装着者から見て右側はチェーンソー、左側はガトリングのスイッチに酷似していた
『Canon on』
『Busuter on』
刹那、アポロの肩にバスターキヤノンとガトリングバスターが現れた
「ハッ!」
アポロは肩のモジュールにコズミックエナジーを集中し、エネルギー弾を放った
そのエネルギー弾はオフィユーカスに数弾命中し、そのまま吹っ飛ばした
「リミットブレイクだ」
アポロはベルトの真ん中のソケットのスイッチを外し、マジックハンドスイッチに似ているスイッチを装着した
『Bazooka』
そのスイッチをオンにする
『Bazooka on』
その瞬間、アポロの胸の前に大きなバズーカが現れた
そして牽制目的でエネルギー弾を放つ
牽制目的のこの弾はオフィユーカスに当たり、吹っ飛ばした
そのあと、ドライバーのエンターレバーを引いた
『Limit Brake』
「はぁぁぁぁ、てやぁぁぁ!!」
その声とともにバズーカのトリガーを引く
すると三つの砲門から同時にエネルギー弾が発射された
しかしその弾をオフィユーカスはかわした
「クッ…。このままでは勝てんか…」
そのまま彼は逃げてしまった
「あっ…。まあいっか」
それをアポロは無理に追おうとはせず、フォーゼとメテオの方へ戻ってきた
「お前…アポロか」
「やあ、メテオ。お目覚めかな」
どうやら今の間に流星は目覚めたようだ
「いや、操られている間は意識はあった。ただ、負担がかかって倒れたらしい」
「そうかい」
まるで知り合いのように話す二人
そんな二人に弦太朗は聞いた
「おい、アポロ、流星、お前ら知り合いなのか?」
「まあな。こいつも、反ゾディアーツ同盟に所属していたライダーだ。タチバナさんがいない今、ただの悪友というべき奴なんだろうな」
そういいつつ流星は変身を解除した
それにならい弦太朗も変身を解除する
「なんだ、仮面ライダー部には正体は公にしているというのは本当だったんだな」
そういいつつアポロもトランスイッチをオフにして変身を解除した
「お前…」
「紅阪…陽太…か」
「やあ、はじめまして。紅阪陽太だ。以後お見知りおきを」
彼の名は紅阪陽太(あかさかようた)
今日転校して来た、転校生
そして―仮面ライダーだ



ところ変わり賢吾の家
少しぶりに再会した流星と、転校生の陽太とともに弦太朗、ユウキはお邪魔していた
「賢吾の家、久しぶりだな」
「そうだな。…いいのか、賢吾。大人数だが」
「構わない。どうせ一人だしな」
その言葉に弦太朗とユウキはほろりと涙を流した
「いや、そんな事で泣かれても…」
「だって、いつも一人だなんて淋しいじゃねぇか」
「そうだよ、賢吾君。私たちがいるよ!」
ユウキは言葉とともに両手を広げた
同じく弦太朗も両手を広げる
「いや、行かないからな」
いつも通りの漫才を繰り広げていた
本人達は漫才のつもりはないのだろうが
「とりあえず話を聞こうか、紅阪。何故、こちらへ来たのか」
賢吾は陽太に聞いた
「そうだな。ちょっと話が長くなるけどいいか?」
四人はそれぞれ頷いた
「…実は、三ヶ月ほど前にタチバナさん…江本先生に頼まれたんだけど」
「江本さんのことを知っていたのか」
「ああ。一応、親父の友人だからな。…話を戻すぞ」
そういって、陽太は話を続けた
「三ヶ月前、江本先生から連絡があった。…紅阪伊吹…俺の親父を調べてくれ…と」
「…もしかして」
流星が口を挟む
「ああ。親父が、オフィユーカスだ。生憎、親父は俺の秘密を知らない。好都合だ。…で、それが二週間前に分かって、江本先生に連絡しようとしたら…」
そこにいた五人はそれぞれ俯いた
それもそうだ
江本州輝…タチバナは既に死んでいる
十二使途を裏切ったとして、レオとリブラに処刑されていた
その場面を直接見てはいなかったが、陽太以外の四人は彼の亡きがらを目に写していた
その遺品…タチバナとしての仮面は月面において供養された
江本は、この四人に大きな影響を及ぼしていたのだ
それゆえ、そのときは涙を止めることは出来なかった
「だから、せめてオフィユーカスは倒したい。江本さんは救いたいと願ったはずだ。俺も親父を救いたい。…だから、協力してくれないか」
そんなもの、断る理由がない
四人はそれぞれ頷いた
「そんじゃ、飯にすっか!」
「いや、勝手に決めるな。それに、君達はちゃんと家があるじゃないか」
「いや、既に友達の家で飯食ってくるってじっちゃんに言ってある」
「同じく!」
「俺もだ」
なんと準備がいいものか
賢吾はそれに呆れてしまった
「紅阪はいいのか?」