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Wizard//Magica Wish −7−

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突如、後ろから声が聞こえてきたので俺は振り返る。さやかちゃんは両手両足をファントムの触手に締め付けられ、さらには首まで絞められていた。流石に魔法少女とはいえ、多少の傷なら問題ないが、呼吸ができなければ話は別だ。俺はすぐさま彼女を拘束している触手を全部切り倒し、さやかちゃんを解放させてあげた。

「げほっごほっ…た、助かったわ」
「流石に今のはやばかったね。こっちも威勢が良いな。」

さて、第2ラウンド。
さやかちゃんが手こずったもう一体のファントムを見上げる。どうやらさっき倒したファントムより身体が一回り大きいらしい。もしかしたらこっちのファントムのほうが強いのではないだろうか。

「あんまり近寄りたくないな…ここも一気に、いや、一発で決めるか」
「『ランド』プリーズ!『ドッドッド、ド・ド・ドン!ドッドッド、ドン!!』」

ランドスタイルにエレメントチェンジし、俺は腰から指輪を取り出して右手に装着した。
「さやかちゃん、援護お願い!」
「わかった!てやぁぁッ!」
掛け声と共にファントムから触手やらハサミやら俺たちに向かって放たれた。魔法を発動する俺を守るために大量に剣を作成した さやかちゃんは両手に持ち何度も何度も触手を切りつける。

「ルパッチマジックタッチゴー!チョーイイネ!『ティロフィナーレ』サイコー!!」
「フィナーレだ」

その合図とともに巨大化したウィザーソードガンから高威力の射撃がファントムに放たれた。何も出来ないファントムは断末魔を上げながら身体が消滅し、そこには一個のグリーフシードが落ちた。さやかちゃんはそれを回収し、手で額の汗を拭って一息ついた。

「ふぃ~……疲れた」

俺も変身を解き、さやかちゃんの元へと向かう。公園はファントムとの戦いのお陰で地形が変わってしまい、美しかった光景も全て破壊されてしまう。つい先程まで凄まじい戦闘とは一変して静かになり、ただ風が自分をとおりすぎる音が聞こえる。
「まさか一日で2体のファントムと戦うことになるなんてね…あとで杏子達にメデューサが復活したこと教えてあげないと」
「そうだね…あっ、忘れてた!」
「は?なによいきなり…」
俺はさっき さやかちゃんに言おうとしていたことを思い出し、全く別の話しを始めた。今話さないと自分は絶対忘れてしまう自身がある。ごめんさやかちゃん。空気読めなくて。

「さっきの話し、覚えてる?」
「はぁ!?別に今じゃ無くても良いじゃない!」
「駄目、今じゃないと駄目なんだよ。…おほん…さて、さやかちゃん」

俺はびしっとさやかちゃんに指を差す。さやかちゃんは俺の威勢に負けたのか、数歩後ろへと後ずさった。

「さやかちゃん…やっぱり君は、助けてあげた彼と一緒になるべきだ」

「…は、はい……はい?」

「今からでも遅くない……今から彼に告白するんだ!」




作品名:Wizard//Magica Wish −7− 作家名:a-o-w