(差分)クロッカスとチューリップ
青天の霹靂。
高校受験が近づいて同じ教室に押し込まれた生徒が机にかじりついている間も俺たちはふらふら過ごしていた。俺はその気になれば勉強しなくても受かると確信していたし、美咲は進学せずに働くからいいんだと言っていたから、美咲のいない学校であと三年間も暇つぶしすることを考えると受験する気も起きなかった。
そういう時だ。鎮目町の伝説に遭遇したのは。
名前だけは知っていた吠舞羅の赤き王。都市伝説みたいな信憑性のないものだと思っていたのに、前触れ無く現れて道に転がる空き瓶を拾うのと同じ気安さで拾われた。
仲間になる儀式をクリアした俺たちは異能を得て、居場所と仲間を得た。美咲が部屋に来ることがめっきり減った。
作品名:(差分)クロッカスとチューリップ 作家名:3丁目