機動戦士ガンダムRS 第13話 宇宙(そら)に降る星
シグマン大尉は、ビーム・マシンガンで1隻のドレイク級を撃沈した。
サオトメは、部下の疲労がたまっていることに強い警戒感を持っていた。
すると前方から2機のメビウスが接近してきた。
なので60mmバルカン砲で2機のメビウスを撃墜した。
「補給と修理が必要なものは、無理せず帰艦しろ。
後休憩が必要なものもだ。
疲労がたまっては、本来の力が出せないしちょっとしたミスが戦死につながる。
戦果よりも生き残ることを大事にしろ」
サオトメは、部下に無理をするなと警告した。
※
「総員、大気圏突入準備作業を開始せよ」
アークエンジェルでは、ロメロ伍長が艦内放送で皆に指示した。
それは、モビルスーツデッキでも流れた。
「下りる?
この状況で?」
フラガ大尉は、その放送内容に驚愕した。
※
「降下シークエンス、再確認。
融除剤ジェル、噴出口、テスト」
アークエンジェルのブリッジでは、ラミアス艦長が融除剤ジェルの噴出テストを命令した。
アークエンジェルの艦底にある融除剤ジェルの噴出孔から融除剤ジェルが出た。
このジェルは、大気圏突入の際に発生する熱と衝撃を緩和するジェルのためこのジェルが正常に作動するかどうかで大気圏突入が行えるかどうかがかかっている。
※
「自分に怒鳴られても。
まあこのまま消耗戦になるよりは、マシなんじゃないですか?」
マードック軍曹は、フラガ大尉に自分に文句を言われても仕方ないといった。
「いや、けどさ」
「死神は、こちらより一手二手先を読んで行動するでしょう。
振り切れるかわかりませんね」
フラガ大尉は、なおも何かいいそうにしていたがそれを聞いたことのある声が続いた。
「坊主?」
それは、紛れもなくパイロットスーツを着たキラだった。
「ストライクで待機します。
まだ第一戦闘配備ですよね」
キラは、そういうとストライクガンダムに向かっていった。
「あいつは、船を降りたんじゃ」
マードック軍曹は、状況を読めなかった。
「あんな若いころから戦場とか戦争とかに行かされると後の人生は、悲惨になるぞ」
フラガ大尉は、悲しそうにそうつぶやいた。
※
サオトメは、1機のジンをG-M.B.Bで撃墜した。
さらにデブリに隠れていたメビウス1機をG-M.B.Bで撃墜した。
※
アークエンジェルでは、着々と大気圏突入準備が整っていた。
「降下シークエンス、チェック終了。
システムオールグリーン」
カズイ二等兵が報告した。
「修正軌道、降下角6.1、シータ、+3」
トール二等兵は、修正軌道を報告した。
「閣下」
ラミアス艦長は、ハルバートン准将に許可を求めた。
「アークエンジェル、降下開始」
ハルバートン准将が許可を出したのでアークエンジェルは、降下を開始した。
「降下開始。
機関、40%。
漸進。
4秒後に姿勢制御」
ノイマン曹長が次々と命令を出した。
※
ハルバートン准将は、全艦に通信を開いた。
「メネラオスより各艦コントロール、ハルバートンだ。
本艦は、これより大気圏突入限界点までのアークエンジェル援護および防衛戦に移行する。
厳しい戦闘なのは、わかる。
しかし彼の艦は、明日の戦局のため決して失ってはいけない艦である。
陣形を立て直せ。
第8艦隊の意地に懸けて1機たりとも我らの後ろに敵を通すな。
地球軍の底力を見せてやれ」
ハルバートン准将は、味方を鼓舞した。
※
それは、ブライアン艦長にもわかった。
「アーガマもどきが下りる?
ハルバートンめ、第8艦隊を盾にしてでもアーガマもどきを下ろすつもりか。
沈めろ。
なんとしてでもあれを沈めろ」
ブライアン艦長は、皆に命令した。
※
サオトメは、1機のメビウスをメガビームライフルで撃墜した。
シグマン大尉も4連グレネードラックの近接信管タイプで1機のメビウスを撃墜した。
アイリス曹長もビーム・マシンガンで1機のメビウスを撃墜した。
「アーガマもどきが下りる?」
皆は、ブライアン艦長からの報告を受け防衛陣形を張った艦隊に取り付こうとした。
※
アークエンジェルでは、順調に大気圏突入に対する準備が行われていた。
「降下シークエンス、フェイズ1」
ノイマン曹長が報告した。
皆の表情は、暗かった。
「大気圏突入限界点まで7分」
ノイマン曹長が艦内放送で報告した。
フラガ大尉は、メビウス・ゼロのコックピット内で瞑想していた。
イザーク中尉は、出撃命令を今か今かと待っていた。
※
1隻のドレイク級が迎撃ミサイルを撃った。
狙われた1機のユーピテルは、ミサイルの直撃で機体を損傷し帰艦した。
「クソ」
シグマン大尉は、ビーム・マシンガンを直撃させ1隻のドレイク級を撃沈した。
「諦めが悪い」
サウス中尉は、ビーム・マシンガンを撃ち1隻のドレイク級を撃沈した。
2人は、4機の邪魔してきたメビウスをビーム・マシンガンで撃墜し直掩を突破した。
※
それは、メネラオスでも確認できた。
「主砲、撃て」
艦隊は、さらに濃い弾幕を張った。
2機は、それをかいくぐり艦に取り付こうとしていた。
※
アイリス曹長は、3発のミサイルをバルカン・ポッド・システムで迎撃したが3発目を迎撃しようとした瞬間に弾切れになってしまった。
「弾切れ?」
しかしもはやほかの武器で迎撃も回避も不可能だった。
そのときビームが飛来しミサイルを迎撃した。
「大丈夫か?」
その機体は、サオトメが駆るガンダムサイガーだった。
「はい」
アイリス曹長は、元気いっぱいに答えた。
「疲労がたまっているなら帰艦しろ」
「わかりました」
アイリス曹長は、サオトメの言うことに従い帰艦した。
※
サオトメは、アイリス曹長を見送ると上空に新たな感覚を感じた。
「何だ?」
しかしそれは、敵機ではなく味方機だった。
「何であの方が」
サオトメは、援軍に来た人がどうしてここに来たのかわからなかった。
※
シグマン大尉とサウス中尉の動きは、アークエンジェルでも確認できた。
「ユーピテル2機、先陣隊列を突破。
メネラオスが応戦中」
ロメロ伍長がそれを艦内放送で流した。
※
シグマン大尉とサウス中尉のほかに彼らの部下もアガメノン級に取り付こうとしていた。
「沈め」
サウス中尉は、ビーム・マシンガンでアガメノン級を攻撃した。
※
「墜とせ。
なんとしてでもここから先に通すな」
ハルバートン准将は、部下を鼓舞した。
※
1機のユーピテルがユーピテル・バズーカでシグーを撃墜した。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第13話 宇宙(そら)に降る星 作家名:久世秀一