機動戦士ガンダムRS 第13話 宇宙(そら)に降る星
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「フラガ大尉」
キラは、もはや艦隊の全滅は時間の問題だと考えていた。
「ああ、わかってる。
艦長、ぎりぎりまで全機を出せ。
何分ある?」
フラガ大尉は、静かに力強くお願いした。
「何をバカな」
そういってラミアス艦長は、あることに気づいた。
「全機?」
デュエルガンダムは、イザーク中尉が負傷しキラは艦を降りたはずである。
全機発進など不可能なはずである。
「カタログスペックならGは、全機とも単体で降下可能です」
通信には、パイロットスーツを着たキラがいた。
「キラ君」
ラミアス艦長は、目を疑った。
ほかの人も動揺した。
「どうしてあなたがそこに?」
ラミアス艦長は、動揺しそれくらいしかいえなかった。
「このままじゃメネラオスも危ない。
それにこれくらいの傷などたいした問題では、ありません」
今度は、イザーク中尉が問題ないといった。
ラミアス艦長は、どうしていいかわからず固まってしまった。
「わかった。
ただしフェイズ3までに戻れ。
スペック上は、大丈夫でもやった人間などいないんだ。
中がどうなるか知らないぞ。
高度とタイムは、常に注意しろ」
バジルール副艦長が固まってしまったラミアス艦長の代わりに命令した。
「了解」
そこで通信が切れた。
「バジルール少尉」
ラミアス艦長は、思わず立ち上がり怒鳴った。
「ここで本艦が沈められれば第8艦隊の犠牲のすべてが無駄になります」
ラミアス艦長は、バジルール副艦長のもっともな意見に反論できなった。
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シグマン大尉は、艦に取り付こうとしたが反撃でできなかった。
「時間がないんだ。
沈め」
シグマン大尉は、ビーム・マシンガンを撃ち1隻のドレイク級を撃沈した。
「もう1隻」
シグマン大尉は、次の獲物に向かった。
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それは、メネラオスでも確認できた。
「ベルグラーノ、撃沈」
索敵士が報告した。
「限界点まで後5分」
操舵手がメネラオスの現状を報告した。
「閣下、これ以上は。
これでは、本艦も持ちません」
ホフマン大佐は、これ以上は戦闘不可能だと考えていた。
「まだだ」
しかしハルバートン准将は、まだ戦闘を継続するつもりだった。
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アークエンジェルでは、モビルスーツハッチが開放しモビルスーツとモビルアーマーの発進準備が行われていた。
キラは、これまでにない緊張感に支配されていた。
「こんな状況で出るなんて俺だって始めてだぜ」
しかしそれは、フラガ大尉を始め皆同じだった。
「キラ・ヤマト、行きます」
ストライクガンダムが正規のエールストライカー装備で出撃した。
これは、物理攻撃では重力に曳かれるため弾頭が下がる可能性があったためビームライフルが選ばれた。
後続機も次々と出撃した。
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それは、メネラオスでも確認できた。
「アークエンジェルよりX102デュエル、X103バスター、X105ストライク、X207ブリッツ、X303イージス、メビウス・ゼロならびにシグーハイマニューバ発進」
索敵士がアークエンジェルが艦載機を発進させたと報告した。
「何だと?」
それには、ハルバートン准将も驚いた。
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それは、ドゴス・ギアでも確認できた。
「この状況でか?。
本艦隊も降下シークエンスに入る」
η艦隊も降下準備に入ろうとしていた。
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キラは、出撃したが地球の重力のせいで機体が重かった。
「重力に曳かれてるのか?」
キラは、スラスターを最大出力で噴射させ地球の重力を何とか突破した。
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サオトメは、キラを確認した。
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しかしそれは、イザーク中尉も同じだった。
「ようやくお出ましか、死神」
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サオトメも白兵戦型ガンダムを確認した。
「フルアーマー装備というやつか」
サオトメは、肩部のレールガンを撃ちながら接近してきたフルアーマー白兵戦型ガンダムのビームサーベル攻撃を軽く回避しキラと戦おうとした。
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「降下シークエンス、フェイズ2に移行。
大気圏突入限界点まで後4分」
ノイマン曹長が報告した。
今のところ順調である。
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キラが射撃援護を行いイザーク中尉が接近でガンダムサイガーを攻撃したがガンダムサイガーは、軽々とその攻撃を回避し続けた。
「もうやめろ」
キラは、サオトメの追撃があまりにしつこくそう叫んだ。
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シグマン大尉は、モビルアーマーと戦闘を開始したが機体が重くなっていた。
「そろそろ潮時か?」
シグマン大尉は、タイムリミットが迫っているのを感じた。
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サオトメは、そろそろ潮時と感じていた。
「ユーピテルツヴァイならびユーピテルは、帰艦しろ。
なお敵艦からも離れろ」
サオトメの警告とともに1隻のローラシア級が上空からのビーム攻撃で撃沈した。
さらに1隻のナスカ級をビームで撃沈した。
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それは、アークエンジェルでも確認できた。
「ガモフならびにヘルダーリン、撃沈。
新たな機影を発見。
マン・マシーン?
いえモビルアーマーです」
ロメロ伍長が報告した。
「機種は?」
ラミアス艦長がたまらず質問した。
「機種不明」
ロメロ伍長が答えた。
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さらにモビルアーマーは、ホイジンガーとツィーグラーをビーム1発で2隻を同時に撃沈し1隻のドレイク級とヴェサリウスを機体横から出たビームで切って撃沈した。
「クソ。
何なんだ、あいつは」
イザーク中尉は、攻撃目標を新手のモビルアーマーに変更した。
そして175mmグレネードランチャー装備57mm高エネルギービームライフルとシヴァで攻撃したがまったく命中しなかった。
そしてそのモビルアーマーは、デュエルガンダムの目の前でマン・マシーンに変形した。
「何?」
イザーク中尉は、激しく動揺した。
その動揺してるところをビームサーベルで左腕を切られ蹴りを入れられた。
イザーク中尉は、危うく予定降下コースから外れそうになったがイージスガンダムがモビルアーマーで捕獲しアークエンジェルに帰艦させたことで事なきを得た。
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ガンダム四天王の1人のマーク・ヘイル少将は、上空から敵艦隊をレーダーで捉えた。
「艦隊を犠牲にしてでもアーガマもどきを地球に下ろすか。
わからない話では、ないがやらせるわけにはいかない」
そして1隻のローラシア級に照準を合わせた。
「沈め」
マーク少将は、モビルアーマー形態のリズィーシーガンダムの中で1番火力の高い大口径V.M.B.Cでローラシア級を撃沈した。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第13話 宇宙(そら)に降る星 作家名:久世秀一