二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【カイハク】機械仕掛けの神

INDEX|12ページ/25ページ|

次のページ前のページ
 

手入れされた花壇に身を屈め、花を摘み取っていく。
もくもくと手を動かしながら、ハクは村の伝承とカイトの言葉を思い返していた。
災いが起こるという言い伝えられているけれど、実際に何かあったという話は聞かない。本当に、誰一人、ただの一度も、森に足を踏み入れなかったのだろうか。レリクのことも、自分が言い出さなければ、誰も気づかなかったかも知れないのに。


彼が、そんな恐ろしいことをするとは思えない。言い伝え自体知らないようだったし。
でも、それなら何故マスターは・・・・・・。


ハクはぎゅっと目をつぶって、胸に沸き起こった疑問を振り払う。
遠くから雷鳴が聞こえて我に返り、急ぎ足で城に戻った。



ハクは手に持った花を差し、水を入れようと花瓶を持ち上げる。慎重に階段を下りようとしたその時、激しい雷鳴が響き渡った。

「きゃあっ!」

轟音と閃光に驚き、ハクは花瓶から手を離してしまう。あっと叫んだ時には、花瓶は粉々に砕けてしまった。

「お嬢さん! どうしましたかね!」

ホールからガルムが飛んでくる。ハクは慌てて制し、

「あ、気をつけて! 足を切ってしまうから! あ、あの、私、ごめんなさい、雷が鳴ってそれで」

おろおろと状況を説明していると、声を聞きつけたのかカイトもやってきた。

「凄い雷だったな」
「あっ、あの、ご、ごめんなさい!」
「旦那、お嬢さんはわざとやった訳じゃないんですよ」

カイトは二人と散らばる破片を見やり、

「さっきのは、花瓶が割れた音か」
「ごめんなさい、手が滑ってしまって」
「旦那、わざとじゃないんですよ。お嬢さんは良かれと思って」

ガルムの言葉に、カイトは首を傾げて、

「落としたら割れるのは当たり前だ。破片で怪我をする前に、片づけたほうがいい」
「あ、は、はいっ」

ハクが慌てて破片を拾おうとすると、カイトが「カラクリにやらせたほうがいい」と言う。

「ハクでは手を怪我する」
「・・・・・・・・・・・・」

冷静な視線に耐えられなくなり、ハクは身を翻して自室へと駆けていった。