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【カイハク】機械仕掛けの神

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部屋中に積み上げた書物の山に埋もれ、レリクは満足したように頷く。
どれほど文献を遡ろうと、自分が見た城と人形に関する記述は見つからなかった。不自然なほどに。


村に伝わる迷信といい、余程隠しておきたいものとみえる。


大抵の魔道士は、研究の成果を後の世に残したがるものだ。己がいかに聡明で、同時代の魔道士よりも優れていたかを誇示する為に、膨大な書物を残している。
だが、あの城に関しては、通り一遍の記述すらなかった。
恐らく、鍵はあの人形。
現在伝わっている魔道人形の製法とは、明らかに異なる。


あいつを、分解して調べてみたい・・・・・・!
私を追い出した、都の魔道士どもの鼻を明かす為にも・・・・・・!


だが、森に入るのは上策ではないと、レリクは考えた。あの時はデタラメに歩いたので、正確な位置を把握していないし、地の利は向こうにある。待ち伏せされて襲われたら、こちらの命すら危うい。


あの鏡・・・・・・私が押し込められた、あの鏡。魔力の流れを逆に辿れば、あの城に移動出来るだろう。


問題は、あの鏡がいつ使われるか分からないということだ。


罠を仕掛けて、時を待つか。
なに、焦る必要はない。


レリクはにやりと笑うと、文献を押し退けて立ち上がった。