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　　勇士朗　「まあな！てか、ここの列・・・・彼女達のパートナーがそろい踏みだ。」

　　舞人　「え？！君達全員、放課後ティータイムの・・・？！！」

　　俊　「ああ・・・言うなれば、彼氏軍団だな。」

　　蓮　「おうおう、こりゃ勇者がそろい踏みかぁ？！」

　　光　「舞人もいるしな！！こりゃ盛り上がってきた・・・あれ？？涼は？？」

　　蓮　「姫ちゃんの所いったんだろ。まいはにーのところに。」

　　勇士朗　「勇者そろい踏みってコトは、要さんも来てるのか？」　　

　　舞人　「ああ！今日の事で同時行動していたからね。今頃は彼女さんのところにいるんじ
ゃないかな？」

　　勇士朗　「要さんも？！！」

　　舞人いわく、要はさわ子と隣りあわせで立っていた。要本人は、仕事中の彼女に悪いと思
っていたのだが、さわ子自ら彼を誘っていた。

　　さわ子　「・・・今にあの子達のライヴが始まる。今の誠人君はもっと彼女達から勇気を
もらう必要があると思うの。だから今日は思う存分に全身全霊で聞いていって！」

　　要　「さわちゃん・・・・。」

　　さわ子　「とまぁ・・・ね、それもあるんだけど、私の自慢の教え子達の成果も見て行っ
てもらいたいの。」

　　要　「わかった・・・それじゃあ、ここで見させてもらおうかな・・・。」

　　そして涼は講堂の後ろのほうで姫子と立ち見状態を決め込んでいた。

　　涼　「姫ちゃん、みんなと一緒なら最前列で見れたんだけど、こっちでよかったの？」

　　姫子　「うん。ここなら全体が見れるし。あんまり近すぎてもおちつかないし。ほら、映
画いったときなんかもそうでしょ？」

　　涼　「そういえばそうだった！はぁ・・・今日で最後なんだよね？学園祭のライヴ。」

　　姫子　「こらこら・・・辛気臭いコト言っちゃダメだゾ？唯達のライヴが最後じゃないん
だから！勇者やってるならポジティブに考えよー。ぐりぐり〜！」

　　涼　「ごめん、姫ちゃん！えへへへへ・・・。」

　　優しく涼の頭をぐりぐりする姫子。その時、二人の後ろにあった講堂の扉が開き、勇が入
ってきた。合流した唯の両親もいる。

　　平沢・父　「おお！凄い人だな！はははは！」

　　平沢・母　「まだ唯達の番じゃないみたいだけど・・・座るところはある？」

　　勇　「憂が場所取りしてくれてるみたいだから、席は大丈夫だよおばさん。それで憂はど
こに座ってるんだぁ〜？？」

　　憂のケータイにかける勇。するとざわめいている会場であるにもかかわらず、すぐに繋が
った。　　

　　憂　「あ、勇兄ちゃん？」

　　勇　「おう、おばさん達も来たから今、講堂に来てるんだけど、どこにいるんだ？」

　　憂　「本当？！じゃあ、ケータイで手を振るね？」

　　それを聞いた勇は周囲を見回す。すると、客席から手を振る生徒が目に付いた。

　　勇　「お！あれか！おじさん、おばさん、あっちだ！」

　　憂の許へ来ると、憂が待っていましたと言わんばかりにテンションを上げる。

　　憂　「ここ！席とって置いたよ！お父さんとお母さんも座って！待ってたんだよー。」

　　平沢・父　「ありがとうな、憂。いやあ〜、しかし初めて見るな、唯達のライヴ！」

　　平沢・母　「普段は忙しくて、見にいけなかったけど、今年は最後の学園祭だからね。」

　　勇　「いっつも遅くまで練習してたからなぁ・・・今日がその成果ってコトっすよ。」

　　憂　「あ、紹介するね？友達の純ちゃんだよ！」

　　平沢・父　「そうか、いつもお世話になってます。」

　　純　「あ、いやいや、私の方が世話になってますよ〜・・・勇さんも久しぶり！」

　　勇　「おう、久しぶりだな！」

　　そして、二人の隣に座る男達に「？？」となる両親。清次と竜也だった。憂達はあえて紹
介を後回しにしていた。

　　憂　「それで・・・・彼氏の清次君だよ！」

　　両親　「彼氏！！？」

　　清次　「ど、どうも！！！憂ちゃんとお付き合いさせてもらってますっっ！！！」

　　がちがちになる清次をよそに純はゆるく竜也を紹介する。

　　純　「こっちは私の彼氏の竜也でーす。」

　　竜也　「ちーすっ！」

　　竜也はともかく、清次は緊迫した空気に包まれる。初対面が桜高の講堂という、ゆっくり
できない状況。だが、母の方がすんなりと彼を受け入れた。

　　平沢・母　「あなたが、憂がいつも言ってる彼氏さんだったのね。いつも憂がお世話にな
ってます。とても楽しそうにあなたの事はなしてるのよ？これからもよろしくね？」

　　清次　「え？！！は、はいいっっ！！！」

　　平沢・父　「か、母さんっ！！」

　　譲れない父親の性(さが)か、母親の対応に待ったをかけたくなった様子。だが、それを遮
るように和の声がマイクを通して講堂に響いた。

　　和　「それでは、皆さんお待たせいたしました、桜高目玉イベント！放課後ティータイム
の演奏です！盛大な拍手を！！」

　　勇　「和ちゃん・・・！！」

　　観客の声と拍手が上がり、ブザーと共に幕が開く。彼女達のそれぞれのパートナーが熱く
見守っていた。

　　光　「唯ちゃんっっ！！！」

　　俊　「梓っっ！！！」

　　蓮　「律っちゃん！！！」

　　舞人　「紬さんっっ！！！」

　　勇士朗　「澪ぉっっ・・・！！！」

　　そして幕が上がりきろうとした瞬間からダイレクトに演奏がはじまった。唯メインヴォー
カルの「ＫＡＧＡＹＡＫＥ！ＧＩＲＬＳ」の曲だ。

　　会場は頭から「わああ！！」と盛り上がり始めた。

　　唯の歌声が冒頭から講堂をはしる。光のテンションがバカになる。

　　光　「ゆいちゃあああああああああああああああああああああん！！！！」

　　蓮　「うっせええええええええええええええええええええ！！！！」

　　光　「んだとこらあああああああああああああああああああ！！！！」

　　光・蓮　「ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー！！」

　　最前列で取っ組み合いを始める光と蓮。歌に夢中の唯は気づいていない。だが、律はドラ
ムをやりつつも、細い目で見ていた。

　　律　(あー・・・はずかしいーからやめろー・・・)

　　そして、初めて見る愛娘の晴れ舞台に、両親が「わああ・・・」となり歓喜の気持ちに包
まれる。前列では憂がはしゃぐように清次を揺さぶる。

　　俊　「ぐはああああっ・・・・梓っ・・・・かわカッコ過ぎるっっ！！！」

　　舞人　「紬さんっっ・・・・その美しいイメチェンがたまらないぜっっ！！！」

　　勇士朗　「みおおおおおおおおおおお！！！！」

　　※曲はＭＰ３かＣＤでかけてみてください


　　　　　　　　　　　　♪　「ＫＡＧＡＹＡＫＥ！ＧＩＲＬＳ」

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　　一曲目が終わるが、拍手を受けて間もなくすぐに「Ｄｏｎ‘ｔ　ｓａｙ　”ｌａｚｙ”」
が始まる。今度は澪のカッコいい歌声が響き走る。速い曲調が更に会場を盛り上げる。