新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第95話
蓮 「いいからアンコールだっっ!!!アンコール!!アンコール!!」
それからしばらくして、最前列から前に黒い幕が生徒会スタッフによって展開された。
奥では何やらゴトゴトと物音がしている。アンコールの準備であるのは確かだった。
その物音がより周囲のわくわく感を駆り立てる。
俊 「もしかして、下に移動する気か?」
勇士朗 「もしそうなら直に澪達の演奏見れるじゃん!」
ここへ来て午前中に澪が言っていたことが直結する。前列にいた観客達はそわそわしなが
らし始めていた。
しばらく時間が経ち、アンコールの声援が響く中で和のアナウンスが響く。
和 「みなさん、お待たせいたしました。放課後ティータイムがアンコールに答えてくれ
るそうです・・・・。」
その直後、紬が奏でる静かなキーボードの前奏が鳴る。
和 「それじゃ、温めていた新曲いっちゃってください、Listen!!」
♪ 「Listen!!」
曲は完成していたが、これまで公開してなかった曲だった。今回初披露となる。そういっ
た意味では新曲だった。
キーボードメロディーが終わった直後、賑やかな曲調のサウンドが始まると同時に、幕が
解除された。一気に会場がわあああっとなり、前列付近の観客は立ち上がってわっと彼女達の
目の前に集まった。
澪と唯の二人のヴォーカルは、新しいコスチュームに着替えていた。黒と赤の菱形模様の
ネクタイを付けた新しい制服タイプのコスチュームだった。
二人の彼氏は興奮を隠せずにはしゃいだ。
光 「唯ちゅわああああああああああん!!!」
勇士朗 「みをおおおおおおおおおおおおお!!!」
・
・
・
曲の中盤、梓のリズムギターの凄まじいテクニックに俊が唖然とする。更にその直後の澪
の歌声に、綺麗さとカッコよさが加味される。
俊 「がはあああ・・・・梓死ぬほど上手いっっ・・・・!!!」
勇士朗 「澪、綺麗・可愛い・カッコいいの三拍子がそろってるぅううう!!!」
・
・
・
♪「NO,Thank You!」
アンコールの1曲目が終わり、続けて新曲が披露される。勇士朗が提供した歌詞の曲「N
O,TankYou!」だった。紬の静かなキーボードのイントロが流れる。
そして激しいギターとベース、ドラムの音と共に一気に場を盛り上がらせた。
その曲は勇士朗が歌詞提供した曲だった。嬉しさの余りに勇士朗達は更に前に出て盛り上
がりを見せる。
正直、本番のライヴでここまで二人が近づいたことは無かった。無論、他の4人もそうだ
った。特に舞人は、仕事や戦闘の関係で今まで本番に立ち会ってこれなかった。
舞人 「紬ぃいいいいいっっ!!!」
ノリに乗った舞人は、この瞬間に初めて紬を呼び捨てで呼んだ。
蓮 「律っちゃあああああん!!!ひゅー!!!」
光 「唯ちゃあああああああん!!!」
俊 「梓ぁああああああ!!!」
勇士朗 「これ、俺が書いた歌詞の曲だっっ!!澪ぉおおおおおおおおおお!!!!」
それぞれが名を呼ぶ彼氏と微笑んでアイコンタクトのチラ見をする放課後ティータイムの
メンバー。彼女達も彼達を意識している故に目が合っていた。
カッコいいサウンドと澪の凛々しい歌声が観客達のテンションを更に上げさせる。
・
・
・
テンションを上げてリズムに乗りながら皆が盛り上がる。歌いながら演奏する度に揺れる
澪のポニーテール。勇士朗はリズムに乗りながら見入る。
勇士朗 (こんな近くで本気の澪の歌を聴いたのは初めてだ・・・・かわいいし・・・・・
カッコいい!!こんなやばいくらいすげー彼女が、俺の彼女と思うと・・・改めて実感なくす
ぜ・・・・澪・・・・・やっぱ最高の彼女だっっ!!!)
唯、澪、梓の汗がリズムに乗せて輝きながら散る。手拍子をする人、グーで何度も拳を突
き出してリズムにのる人・・・・会場のテンションが絶頂の中演奏が終わる。
拍手とコール喝采の渦が講堂内を包んだ。すると、紬はもう一度キーボードで前奏を奏で
る。メンバーもにっと顔を合わせて、もう一度「NO,Thank You!」を飛ばし始め
た。うおおおおおとなる会場。
・
・
・
そして演奏が終わり一息つくかと思いきや、観客達が同じ曲をアンコールする。
観客 「もっと今の曲やってー!!アンコールっ、アンコールっ!!!」
それを聞いたメンバーは予想以上の反響に嬉しさをこみ上げて、ギターから一気に入って
力強く演奏を飛ばし始めた。勇士朗達の目には、今までの中で最も彼女達が輝いて見えた。
・
・
・
思いもよらない反響で、会場は大いに盛り上がりを加速させていた。ここから引き続いて
「ふわふわ時間」と「カレーのちライス」を続けて演奏に入る。ここからは唯が澪とアイコン
タクトとジェスチャーをとりあってメインヴォーカルを務める。
♪ 「ふわふわ時間」
・
・
・
♪ 「カレーのちライス」
・
・
・
放課後ティータイムの顔とも言える曲が終わり、ここで唯のMCが入った。
唯 「ふ〜・・・思いもよらない反響受けて、同じ新曲3回もやっちゃいました〜・・・
いやいやみんなありがと〜・・・・・えー・・・でもね、こうやってライヴをやることができ
るのはすごく素敵なコトなんだなーって思えます。」
唯のMCがヒートアップで盛り上がっていた会場に落ち着きを取り戻させる。
唯 「ここまで盛り上げることができたのは会場のみんなのおかげでもあるし、バックア
ップしてくれた生徒会のみんなのお陰でもあるし、さわちゃん先生のお陰でもあるし・・・・
私達を守ってくれる人やロボット達のお陰でもあります!!みんな、みんな、本当にありがと
う〜〜〜〜〜〜!!!」
作品名:新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第95話 作家名:Kブレイヴ