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「ここは、大丈夫なんですか？」
　レディー軍曹が不安になって質問した。
「サオトメ少佐が何も言ってませんから大丈夫なんじゃないでしょうか？」
　マーネリー曹長が答えた。
レーダーが使えない今皆は、サオトメを頼りにせざるおえなかった。
そのとき警告音が鳴った。
「本艦隊がレーダー照射されています」
　レディー軍曹が報告した。
「総員、第一戦闘配備」
　ブライアン艦長が命令した。
艦内では、第一戦闘配備を知らせるアナウンスがなった。
それで動いたパイロットは、シグマン大尉だけだった。

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　アル・ギザでは、マン・マシーンデッキで寝ていたサオトメが起きユーピテルツヴァイに乗り込んだ。

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　η艦隊は、ミサイル攻撃を弾幕で防いでいた。

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「状況は？」
　ドゴス・ギアのブリッジでは、ブライアン艦長が状況を聞いていた。
「第一波、ミサイル攻撃6発。
対空機銃にて迎撃」
　イワン曹長が敵の攻撃の種類、数と迎撃方法を報告した。
「砂丘の影からの攻撃で発射位置が特定できません」
　ハリダ軍曹が敵の攻撃位置が特定不可能だと報告した。
「機関始動。
シグマン大尉は、ガンダムサイガーでスタンバイ」
　ブライアン艦長が命令を出した。

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　その様子をバルトフェルド大佐は、暗視双眼鏡で見ていた。
「よし始めよう」
　バルトフェルド大佐は、本格的な攻撃を開始するように命令した。
「航空隊、攻撃開始」
　それを聞いてダコスタ少佐が命令した。

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　ドゴス・ギアのマン・マシーンデッキでは、シグマン大尉がガンダムサイガーのことで整備員ともめていた。
「とにかく凡人が動かせるようにガンダムサイガーを調整してくれ」
　問題は、ガンダムサイガーだった。
既にサオトメの命令どおりS型に換装し終わっていたがサオトメの凡人には、とても操縦不可能なセッティングの影響でシグマン大尉は操縦不可能だと思っていた。
「それが無茶だと言ってるんです」
　しかし整備が間に合わないと整備員は、主張していた。
そのためシグマン大尉は、そのままのガンダムサイガーで出撃を余儀なくされた。

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　ダコスタ少佐の命令で対MM戦闘ヘリコプター3機が発進した。

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　それは、ドゴス・ギアでも確認できた。
「5時の方向に敵影3。
地球軍戦闘ヘリと確認」
　ハリダ軍曹が報告した。

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　3機の対MM戦闘ヘリコプターが艦隊に向かってミサイルを発射するとそのまま砂丘へと離脱した。

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　それは、ドゴス・ギアでも確認できた。
「ミサイル接近。
機影、ロスト」
　ハリダ軍曹が報告した。
「フレア弾散布。
迎撃」
　ブライアン艦長は、落ち着いて命令した。

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　艦隊は、フレア弾を撃ちミサイルの照準をかく乱させようとした。
そのかいあってミサイルは、命中しなかった。

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　ドゴス・ギアのブリッジにアル・ギザのユーピテルツヴァイから通信が入った。
「敵は、攻撃した後砂丘に隠れる一撃離脱戦法で来る。
だから敵を発見したら敵の後方にある砂丘のあたりに主砲を当てて砂塵を舞い上がらせるんだ。
いくらヘリコプターでも大量の砂塵が載ってきたら飛行できなくなる」
　サオトメは、対MM戦闘ヘリコプターの撃墜方法を教えた。
「了解。
レーダーから目をそらすな。
敵がもう1度現われたらその後方にある砂塵を主砲で撃って砂塵を舞い上がらせる。
それで敵を撃墜する」
　ブライアン艦長は、サオトメが言ったことを命令として繰り返した。

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　再び3機の対MM戦闘ヘリコプターが現れた。

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　ドゴス・ギアでは、その出現を待っていた。
「主砲、撃て」
　ブライアン艦長たちが命令し主砲が3機の対MM戦闘ヘリコプターの後方にある砂丘あたりに命中し大量の砂塵が舞った。

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　再び3機の対MM戦闘ヘリコプターは、ミサイルの発射後再び砂丘に隠れようとしたが大量の砂塵の中に突っ込んでしまった。
対MM戦闘ヘリコプターは、ガラスを割られ中のコックピットにまで砂が入りセンサーの多くが破壊されてしまった状況でとても飛行できる状態ではなくなってしまった。
そして次々に墜落した。

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　それは、バルトフェルド大佐とダコスタ少佐も見ていた。
「なんという戦い方だ。
まさか砂塵を利用して戦艦の主砲で戦闘ヘリを撃墜するとは。
勝負を売られたのは、初めてかな」
　バルトフェルド大佐は、サオトメの戦い方のうまさに感心した。
「勝負を売られたのですか？」
　ダコスタ少佐は、バルトフェルド大佐の言っている意味がわからなかった。
「だって戦闘ヘリを出したのにマン・マシーンが出なかった。
すなわち『戦闘ヘリごときでは、マン・マシーンを出す必要はない』という死神の無言の答えさ」
　バルトフェルド大佐がそう言いうとダコスタ少佐は、びっくりした。
すなわち死神は、バルトフェルド大佐の戦略を読んでいたのだ。
「バクゥを出せ。
反応を見たい」
　バルトフェルド大佐は、うれしそうにそういった。

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　それは、アル・ギザでも確認できた。
「TMF/A-802。
地球軍モビルスーツ、バクゥと確認」
　ハワード上等兵が報告した。
「サオトメ少佐、敵はバクゥ9機です。
気をつけてください」
　アーノルド艦長がサオトメに報告した。

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「サオトメ少佐、敵はバクゥ9機です。
気をつけてください」
　サオトメは、アーノルド艦長から機種と数を聞いた。
「了解。
アツシ・サオトメ、出る」
　その報告を聞きサオトメは、出撃した。
カタパルトで射出された後ユーピテルツヴァイは、自由落下で地表に向かった。
「地球での自由落下と言うやつは、言葉で言うほど自由ではないようだな」