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Wizard//Magica Wish −9−

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「よっと…ふぃ…」
「ハルトくん!さやかちゃんは…」
「大丈夫、さやかちゃんの中の魔女は俺が浄化したよ」

外の世界へ飛び出し、さやかちゃんを見た。魔法少女の姿から元の人間の姿へと戻り、傷も完治していた。手元には、さやかちゃんから託された二つの指輪がある。俺はその一つの指輪を左手の中指に装着した。

「さやかちゃんから託された力、使わせてもらう」

俺はウィザーソードガンを持ち、再びメデューサ目掛けて突っ込んでいく。杏子ちゃんも連戦の疲れで身体はボロボロになっていた。
「くそ…っ!ハルト!!」
「お待たせ、杏子ちゃん!」

「指輪の魔法使い!まさか…あの魔法少女を!?」

「えっ…さやか!!」
「ごめん、杏子ちゃん…さやかちゃんを助けるためにはこうするしかできなかった、けどね」
俺はベルトを操作し、左手に装着された青色に輝く指輪のバイザーを引き下げる。さやかちゃんの思いは、絶対に無駄にしない。俺が、受け継ぐんだ!

「メデューサ、覚悟しろ!」
「『ウォーター』プリーズ!『スィースィースィースィースィー!!』」

「また新たなエレメント変化の魔法!?」

「この感じ…さやかの魔力か!?」

俺の頭上から現れた青色の魔法陣が俺を包み込み、さやかちゃんの魔力が俺の身体に憑依した。仮面が菱形に変わり胸の宝玉が赤から青へと変化した。
「『コピー』プリーズ!」
「さぁ、ショータイムだ」
ウィザーソードガンを両手に構え、そのまま俺はメデューサを斬り付ける!
「うっ!…速い!?」
「身体が軽い…スピードが上がったのか?」
俺は身体が軽くなったのを実感し、身体を回転させ、まるで乱舞のように何度も何度も奴の身体に斬り付けた!斬り付けた箇所から火花が飛び散り、間違いなくダメージを与えられているようだ。

「あの動き、さやかそっくりだ。ハルトは本当に さやかの力を引き継いだのか!」

「答えろメデューサ!何故そうまでして罪の無い人間や無意味に魔法少女を殺そうとする!」
「ぐあぁっ!か、関係ないでしょ…調子に乗るな!指輪の魔法使い!!」

メデューサは負けじと槍を振り回して俺に対抗してくる。だが今の俺にはメデューサの動きは止まったように見える。避けるのも容易かった。

「お前は、何かを愛したことがないのか!お前はこの世界に、何の未練もないのか!!」
「ぐっ!!…未練?笑わせるな!!この世界に、未練なんて…」

・・・

・・




そんな時、俺は一瞬脳裏に映像が過ぎった。突然の事で俺は理解ができなかった…

−ミサ、そろそろテーブルの上の花取り替えない?−

−まだ早いわよ、ユウゴ!この前取り替えたばかりじゃない!−


俺の脳裏に過ぎったのは、幸せそうな二人の男女。優しそうな笑顔を浮かべる男性に寄り添う一人の女性。この女性は…メデューサ?




・・

・・・


「っ!!…なんだ、今の…」

「ハルト、危ない!!」
「えっ…ぐあぁっ!!」

「ゆ、油断したわね!指輪の魔法使い!!」

隙を見せた為、メデューサの槍が容赦無く俺の身体を切り刻んだ。俺は数歩後ろに下がりウィザーソードガンを構えなおす。
「はぁっはぁっ…油断した。けどさっきのは一体…いや、今は良い。この指輪で、決める」
腰のホルダーから さやかちゃんから託されたもう一つの指輪を右手に装着し、ベルトを操作した。それと同時にメデューサはもう一つの姿、フェニックスへと変貌し身体から炎を放出し始めた。


「これ以上、あなたを生かすのは危険だわ…ここで死になさい!」

「ルパッチマジックタッチゴー!ルパッチマジックタッチゴー!」
「死ぬのはお前だ!メデューサ!!」
「チョーイイネ!『スティンガー』サイコー!!」

ウィザーソードガンを前に突き出し、身体に青色の魔力を充填させた。俺はそのままウィザーソードガンを一度後ろへ下げ、突撃する体勢にする。

「何をしても無駄よ!私は不死身の肉体を持つ魔女!!」
「それでも、俺は…俺は!」

魔力が最大限に溜まった瞬間、俺は一気にフェニックスへ突っ込んだ!
「…っ!なんだ…何が起こった?」

「ほむらちゃん、今何が…」
「私にも見えなかった…っ!!?」



「あっ…がぁ…」
「フィナーレだ…」

俺自身も、何が起こったのか理解できなかった。気がついた時には、フェニックスの身体を貫いていた自分の姿だった。ウィザーソードガンが見事に身体に突き刺さり、フェニックスは言葉にならない声を上げていた。
「ふふ…はははっ!見事ね、指輪の魔法使い!!また…またすぐに私は復活して、お前を殺す!!」
「あぁ、その時は本当に決着を付けてやる」
「覚えておきなさい!指輪の…魔法使い…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

フェニックスは爆散し、その場には俺一人が立っている状態になった。ウィザーソードガンを一回転させ、皆が立っている方向へ振り返る。
そこには、まどかちゃんに抱かれている、…目を閉じたまま起きない さやかちゃんの姿が俺の目に映った…。


作品名:Wizard//Magica Wish −9− 作家名:a-o-w