Wizard//Magica Wish −9−
「私は…さやかが好きだ。まどかも、マミも、ほむらも…そして、ハルトも好きだ」
「…っ…、ちょっと違うかな?」
「えっ!そ、そうなのか?」
「少し難しいね、例えば…そうだなぁ。傍に誰かが居て心臓がドキドキしたり、ずっと一緒に、傍に居たいって思ったり」
「うん…ごめん、やっぱわかんない」
「そっか、ごめんね?変なこと聞いちゃって」
杏子ちゃんなりに考えて出た言葉だ。否定することはない。きっといずれ理解出来る時が来るだろう。さて、これからどうするか…さやかちゃんは今、相当気が立っている状態だ。変に接触すれば逆効果だろう。
「な、なぁハルト!」
「…ん?どした、杏子ちゃん」
「あのさ…あたし、さやかに会ってくるよ」
「えっ」
「いくら考えてもさ、やっぱりあたしはさやかが今どんな事考えてるのかなんてわかんないんだ。そんなの、時間が経つばかりで何の解決にもならないと思う。だから、実際に会って、さやかが一体どんなこと考えてるのか聞いてくるよ!」
「…っ…そうだね、それが一番かもしれないね」
そうだ、俺は一体何を悩んでいたのだろうか。考えても仕方がないんだ。あの時決めたじゃないか、俺に出来る事を実行するって。ここは杏子ちゃんに任せてみよう。
「杏子ちゃん、さやかちゃんのこと、頼んだよ」
「おう!任せてくれ!!」
杏子ちゃんは何かが吹っ切れたかのように二カっと笑った。やっぱり、杏子ちゃんにはかなわないのかもな。
さて、これで本当に全てを終わらせよう。さやかちゃんが望んだ本当の願い。そして、恭介と仁美ちゃんの願いを裏切らない為に…。
作品名:Wizard//Magica Wish −9− 作家名:a-o-w