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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 7

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 爪と刃がぶつかり合い、爪がいとも簡単に剣の刀身を叩き折った。
 刀身はくるくると空を舞い、ロビンの後方の地面に突き刺さった。
 刀身のなくなった剣を見つめるロビンにユニオンドラゴンの爪が襲いかかった。
――これまでか…!?――
 ロビンは固く目を閉じた。
『ヒートバーナー!』
 一直線に走る炎がユニオンドラゴンの爪を弾いた。
 いつまで経っても体が切り裂かれないと不思議に思い、ロビンは目を開けた。
 ユニオンドラゴンが横を見て唸り声を上げていた。
「へへ、遅くなっちまったな。ロビン」
 ジェラルドはユニオンドラゴンに手を向けていた。
「オレ達が間違ってたよ。ロビンの戦う姿を見て分かったんだ」
「ボクも戦いますよ!」
 イワンは剣を握っている。
「ロビン、私も協力するわ」
 メアリィが言うと、皆ロビンの前に立ちふさがった。
「ふ、腰抜けとはよくも言ってくれたものだ。だが見せてやろう、私達は断じて腰抜けではないと!」
 リョウカが言った。
「みんな…」
『プライウェル』
 メアリィのエナジーでロビンの傷が塞がった。痛みも消えた。
「ありがとう、メアリィ」
 ロビンは立ち上がった。
「よし、みんな、戦おう。未だかつてない強敵だけど、みんなの力を合わせれば必ず勝てるはず、いや、勝つんだ!」
「おお!」
 皆の心が一つになった瞬間だった。
「行くぞデカブツ!」
「私達の力、見せてやる!」
 ジェラルドとリョウカは立ち向かっていった。
 ジェラルドは大剣を振るい、リョウカは刀を抜きはなった。
 それぞれ右足、左足を攻撃したが、やはり斬れない。
「飛鳥刃!」
 リョウカは真空の刃を飛ばした。しかし、刃はユニオンドラゴンの首に当たると消えてしまった。
『ヒートバーナー!』
 ジェラルドは極太の炎を放った。先ほどはユニオンドラゴンの爪を弾くのに成功したが、今度は全く通用していなかった。
 ユニオンドラゴンは反撃と言わんばかりにサテュロスの髪型の首で火の息を吐き出してきた。
 ジェラルドは右に、リョウカは左に飛び込んで火をかわした。
 元が火のエナジストであり、今も炎を使っている。どうやら火には強いようだった。
「ジェラルド、リョウカ、奴に火は効かないぞ!」
 ロビンはそれを看破し、叫んだ。
「ならば、これでどうだ!」
 リョウカは詠唱した。
『アイスホーン!』
 無数の氷の刃がユニオンドラゴンに降り注いだ。
 ユニオンドラゴンは苦悶の叫びを上げた。どうやら効いていたようだ。
 リョウカは一気に畳み掛ける。
『チルドアース!』
 しかし、ユニオンドラゴンも愚かではなかった。
 足元で発生した氷をぶつかる前に炎で溶かした。
 炎はそのままリョウカへと向かっていった。
「ち!」
 空中へ飛び上がり、後ろに宙返りして着地した。
 ユニオンドラゴンは爪を突き出してきた。
 リョウカはとっさに刀を半分抜き、爪を防いだ。防いだというのに後ろに強く飛ばされた。
「くっ!」
 リョウカは身を捻って体勢を直した。
「うおおお!」
 ジェラルドは力任せに大剣を振り回した。大抵の魔物ならこれで真っ二つのはずだが、ユニオンドラゴンの皮膚に僅かな傷しか与えられなかった。
 ユニオンドラゴンのメナーディの髪型の首がジェラルドを向き、こちらは毒の霧を吹き出してきた。
 ジェラルドは身を屈めて霧をよけた。
『チルドマウンテン!』
『シャインプラズマ!』
『マザーガイア!』
 二つの首が別々の方向を向いた隙にエナジーを発動した。
 メアリィはユニオンドラゴンの体程の氷を作り出し、イワンは輝く落雷を引き起こし、ロビンは大地のエネルギーを噴き上げた。
 どれも効いていた。火は効かず、剣で斬ることもかなわないが、エナジーは通用するようだった。
「グオオオオ!」
 ユニオンドラゴンは怒りで咆哮し、炎を吹いて辺り一面を火の海にし始めた。
 炎は不気味な紫色をしており、燃えるものが何もないのに燃え続けている。
 常に燃え続ける炎、ヴェスタである。ロビン達はヴェスタに囲まれ、逃げられなくなった。
「く、何て暑さだ…!」
 周囲は陽炎が立ち始めていた。空気の温度も相当高くなっている。
「まずい!」
 リョウカはロビン達の所へ駆け付けた。
「ジェラルド、お前も早く戻ってこい!」
 リョウカは叫んだ。ジェラルドは慌てて駆け寄ってきた。それとほぼ同時にユニオンドラゴンの首両方がロビン達に向き、ヴェスタを吐き出した。
 二つの首から吐き出されるヴェスタ、まさにギガヴェスタの名にふさわしかった。
「イワン、手伝ってくれ!」
「はい!」
 リョウカとイワンはロビン達の前に立ちふさがり、迫り来るヴェスタに手を向けた。
『ハイレジスト!』
 二人同時に詠唱した。それは『レジスト』をさらに超えるバリアである。
 上下左右、前後どこにも隙のない大きなドーム状のバリアがロビン達全員を包み込んだ。
 バリアの出現と同時にヴェスタをバリアが阻んだ。バリアにより直撃は避けるも、ヴェスタはあまりにも強力だった。
 ヴェスタがバリアにぶつかったその瞬間、二人は一瞬で気力が吹き飛びそうだった。今リョウカ達は必死にエナジーを出し続けているが、彼女らはあまりの大きな力に今にも押しつぶされそうだった。
「うわああああ!」
 ヴェスタが辺り一面を焼き払った。
 ユニオンドラゴンの吹いたヴェスタがロビン達を閉じ込めた小さなヴェスタを吹き飛ばしたため、残っているのはほんの種火程度である。
 その中でロビン達は伏していた。
 リョウカとイワンのおかげでどうにかギガヴェスタを防ぎきれた。ドーム状にバリアを張っていた所以外全てが変色している。
「ちきしょう、何て技だ…」
 ジェラルドは立ち上がった。
「うう…、みんな、大丈夫か?」
 ロビンは身を起こして首を振った。防ぎきったとはいってもほぼ痛み分けだった。
「ええ、何とか…」
 メアリィが答えた。
 皆無事だった。
 ロビン達は目の前のユニオンドラゴンを見た。 ユニオンドラゴンは低い唸り声を上げている。
 よくぞ耐えた、とでも言わんばかりだった。
だが同時に次はないとも目が言っているようだった。
 事実、再びギガヴェスタが来たらもう耐えられそうもない。イワンが先ほどのバリアでほとんどエナジーを使い切っていた。
「次こられたら、終わりだ…」
 ロビンは呟いた。
「ロビン、まだ十分にエナジーがあるな?」
 唐突にリョウカが訊ねた。
「ああ、まだまだ残ってる」
「そうか」
 リョウカはイワンを見た。
「イワン、私に『インパクト』をかけてくれ」
 イワンは言うとおりに、残るエナジーを振り絞り、発動した。
『インパクト』
 イワンの手から光線が放たれ、リョウカに力がみなぎる。
「ロビン、私がやつの気を引く。その隙に残るエナジー全てを込めて『ラグナロック』をやつに放つんだ。全力のエナジーで急所を突いてやれば、さすがのやつも倒せるはずだ」
 ロビンは驚いた。
「待て、一人でいくと言うのか!?」
「大丈夫、言っただろう?腰抜けではないと教えてやるって、それに」
「それとこれとは話が違うだろ!」
 ジェラルドが言った。