<メモ>BLACK AVATAR
ゼロ VS 雷門『ゴッドエデン編』
(途中からになります)
「強くなければ、守りたいものを守れない!! それを教えてあげるよ!」
『魔王の斧』!!
ドスグロイ風をまとって、天馬に向ってくる!
「負けない!! 大切で大事なものは……、、絶対守らなきゃいけないんだ!!」
半ば無意識で、ボールを取る。手が摩擦で皮が破れそうになる。
しかし、そんなことはきにならない。
「うわーーーーーーーー!!!」
天馬が雄叫びをあげると、彼から厚い気が出て、彼を包み込んでいった。
そして……。
化身が姿を現した。
「あれは……」
剣城、そして、ゼロのメンバーは目を疑った。
いつもの天馬の化身とは違う。怒りを帯びたような赤い翼から、純白の羽へ、そして、悟りを開いたようにおだやかになった顔つき……。
『魔神ペガサス』ではなかった。
「まさか、化身が進化したのか!?」
白竜が驚くように言った。化身の進化など今まで前例がない。
目の前に起きていることが『現実』なのか。その場に自分の意識があるのか、目を見張った。
「へえ」
一人だけ、シュウが面白そうに、微笑む。
しかし、シュウが放った必殺シュートを天馬は受け入れきれず、腹部を直撃し、そのせいで、痙攣した。
「キャプテン……みんな……」
「松風!!」
剣城が素早く移動し、天馬の上半身を起こす。
うわごとで、何かを言っているようだが、聞き取れない。
意識はなかった。
「面白いものが見られたね」
「……」
喜びを見せるシュウとは対照的に、白竜は不服そうだった。
唇を強く噛む。
失神した天馬を置き、一人立ち上がる剣城。体に傷はあるが、まだ戦える。
天馬の努力に報わなければならない!!
「まだ、試合は終わっていない!!」
「いや、そこまでだ」
教官牙山が割り込んできた。
次に目に入ったものは、戦車の銃口が倒れている雷門メンバーに向けられているところだった。
もし、剣城が何か行動を起こせば、仲間の命はない。そう悟らせているようだ。
牙山がにひと笑うと、シード・ファーストランク、剣城。我々に、再度協力してもらう。また、雷門イレブン全員をゴッドエデンにおいて、教育する。これは決定事項だ。
剣城は睨みつけたが、それをさっと流された。
そして、その傍ら、天馬だけは先に別の車に移されようとしていた。
それに気づいた剣城は
「待て!!」
と怒鳴った。
「彼は別だ」
「理由はさっきの化身のせいか?」
牙山は当然だというように笑う。
続いて、雷門イレブンも、エージェントたちが無理矢理に立たせていた。
剣城は、歯がゆかった。それ以上に、何もできない自分に腹が立った。
「すっかり、お前も変わったな。また、サッカー、楽しくやろうぜ」
白竜が苦笑いした。
作品名:<メモ>BLACK AVATAR 作家名:るる