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機動戦士ガンダムRS 第18話 ペイバック

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 シグマン大尉は、サオトメが何を考えているのかわからなかった。
「ここでの戦闘目的は、達した。
帰艦する」
 そう命令するとサオトメは、ドゴス・ギアに向かった。

                                  ※

 町は、火の海になっていた。
バルトフェルド大佐たちは、その全貌が明らかになるにつれ皆の表情は絶望に染まっていった。
そのとき上空を2機のスカイグラスパーが通り過ぎた。

                                  ※

 フラガ少佐は、敵がいないか警戒しながら町の状況を見た。
「これは、ひどい。
全滅かな?」
 フラガ少佐は、生存者なしという最悪の事態も想定した。
しかし町のはずれに生存者がいることに気づいた。
「こちらフラガ。
街には、生存者が居る」
 フラガ少佐が生存者を発見した。

                                  ※

 町の様子は、アークエンジェルのブリッジにも中継で送信された。
しかしニュートロンジャマーの影響でクリアな映像とは、いかなかった。
それでもラミアス艦長たちでも全滅だと確信するくらい町の状況は、悲惨だった。
そこにフラガ少佐から生存者の発見の一報が入れば皆が驚くのは、当たり前だった。
「いや、かなりの数の皆さんが御無事の様だぜ。
これは、一体どういうことかな?」
 フラガ少佐もアークエンジェルのブリッジにいた皆もどういうことかわからなかった。
「敵は?」
 ラミアス艦長は、フラガ少佐に質問した。
「もう姿は、ない」
 ラミアス艦長は、敵の目的について考え始めた。

                                   ※

 フラガ少佐は、着陸しようと考えた。
「着陸するぞ」
 フラガ少佐は、2号機に命令した。
「了解」
 2機は、無事に着陸した。

                                    ※

 バクゥとジンオーカーのパイロットは、機体から降りると生存者の許に走った。
パイロットたちと生存者たちは、再会を喜び合った。

                                    ※

 トール二等兵とフラガ少佐は、その光景を見守っていた。
「少佐」
 そのときバジルール副艦長たちが乗ったジープが到着した。
「これは」
 バジルール副艦長もその光景を見てどういうことかわからなかった。

                                    ※

「動ける者は手を貸せ。
怪我をした者をこっちに運ぶんだ」
 バルトフェルド大佐は、皆に命令した。
「バルトフェルド大佐」
 そこに町の長老がいた。
「長老」
 バルトフェルド大佐は、長老の許に走った。
「どのくらいやられた?」
 バルトフェルド大佐は、険しい表情で質問した。
「死んだ者は、いない」
 その回答にバルトフェルド大佐は、驚いた。
「最初に警告があったわ。
今から街を焼く。
逃げろ、とな」
「なんだと」
 その言葉にバルトフェルド大佐たちは、驚いた。
様子を見に来たフラガ少佐、バジルール副艦長とトール二等兵も驚いた。
「そして焼かれた。
食料、水、燃料の全てな。
確かに死んだ者は、いない。
だがこれでは、もう生きてはいけない」
 長老が力なく言った。
「死神め。
味な真似を」
 普段めったに感情をあらわにしないバルトフェルド大佐が久しく感情をあらわにした。
「どういうことですか?」
 トール二等兵がフラガ少佐に質問した。
「兵糧攻めだ」
 フラガ少佐が説明をはじめたがトール二等兵は、まだよくわからなかった。
「確かに生存者たちは、生きているが水と食料なしに沙漠にいたら1週間も生きていけない。
それを救うためキンバライト基地から物資を割かなければならない。
しかしそんなことをすればキンバライト基地の物資は、減るしアークエンジェルへの補給もしなければならない。
そうなれば長期戦は、不可能になりバルトフェルド大佐はいあおうなしに前線を下げなければならない。
それが死神の狙いさ」
 フラガ少佐は、トール二等兵に説明した。
トール二等兵は、納得しバジルール副艦長も納得した。
「大佐」
 部下の1人がバルトフェルド大佐を呼んだ。
「どうした?」
「来てください」
 部下は、説明せず来てくれるように言った。
バルトフェルド大佐は、部下を追った。
「死神ってやっぱり残虐非道なんですか?」
 トール二等兵が再び質問した。
「戦争にも一定のルールがあるとは、言われているがそのルールとは何だと思う?」
 今度は、バジルール副艦長が説明した。
「民間人を殺さなかったからというだけで死神は残虐非道ではないと死神に家族、恋人や友人を殺されたものにいえるか?」
 バジルール副艦長の質問にトール二等兵は、何もいえなかった。
「戦争にある一定のルールとは、個人にゆだねられる。
たとえ死神が民間人を殺すことは、ルール違反だと考え目標を町と絶対に必要な物資にしたから死神を許せとケーニヒッ二等兵は言えると?」
 バジルール副艦長の質問には、トール二等兵がすけいる隙がなかった。
「相手に反感を買えば皆が残虐非道になる。
それが戦争だ。
覚えておけ」
 バジルール副艦長は、悲しそうにお願いした。
トール二等兵は、思わず反射的に敬礼していた。
「どうした?」
 バルトフェルド大佐は、部下に着いていくとレーダーで索敵班が敵艦隊の所在を突き止めた。
「奴等は、街を出てそう遠くないところにいます。
追撃します」
 部下たちは、死神に仕返しをしようと考えていた。
「なに」
 その言葉にバルトフェルド大佐は、驚いた。
「自分たちは、追います。
こんな目に遭わされて黙っていられません」
 部下たちは、怒りで目の前が見えなくなっていた。
「バカなことを言うな。
そんな暇があったら怪我人の手当をしろ。
奥さんや子供に付いててやれ。
そっちが先だ」
 バルトフェルド大佐は、冷静に強くとめた。
「それでどうなるっていうんだ」
 部下は、燃える町を指差した。
「見てください。
タッシルは、もう終わりさ。
家も食料も全て焼かれて女房や子供と一緒に泣いてろとでも言うんですか?」
「まさか自分達に降伏しろなんて言わいでしょうね、大佐」
 部下たちは、完全に死神のへの復讐でバルトフェルド大佐の言葉すら聞こえていなかった。
「行くぞ」
 部下たちは、バクゥ2機とジンオーカー9機で死神のところへ向かった。
フラガ少佐、バジルール副艦長とトール二等兵は彼らを見送るしかできなかった。
「エドル」
 バルトフェルド大佐は、エドル大尉を呼んだ。
エドル大尉は、バルトフェルド大佐の許に来た。
「お前たちは、けが人の手当てと物資の配給作業を行え。
僕は、追う」
「了解」
 エドル大尉は、敬礼し作業をはじめた。
バルトフェルド大佐は、指揮官用バクゥに乗ると彼らの後を追った。
「風も人も熱い御土地柄なのね」
 フラガ少佐が不意にそういった。
「全滅しますよ?
あんな戦力で死神に立ち向かえるわけがない」