機動戦士ガンダムRS 第18話 ペイバック
バジルール副艦長が彼らが全滅すると危惧した。
「だよね。
どうする?」
フラガ少佐も同じ考えだったがいいアイディアが思いつかなかった。
「私に言われても」
バジルール副艦長は、困った。
いいアイディアが浮かばなかったのでとりあえず状況をアークエンジェルに報告しようとスカイグラスパーに向かった。
そして通信を開いて先あった事を報告した。
「なんですって。
追ってったなんてなんてバカなことを。
何故止めなかったんです、少佐」
ラミアス艦長からは、予想通りの言葉が飛んできた。
「止めたらこっちと戦争になりそうな勢いでね。
それよりこっちも怪我人は、多いし食料や何より水の問題もある。
どうする?」
フラガ少佐がけが人の多さと物資が不足していることを報告した。
バジルール副艦長の近くに右手にギブスを付けた子供が泣いていた。
母親にあやされていたが一向に泣き止む気配は、なかった。
「痛いのか?」
バジルール副艦長は、子供の近くに座って聞いた。
「ほら、もう泣くな」
そういいながらバジルール副艦長は、自分の帽子を子供にかぶせた。
「そうだ。
いいものをやろう。
美味しいぞ」
そういうとバジルール副艦長は、携帯用菓子を子供にあげた。
子供は、おなかをすかせていたのかそれをもりもり食べた。
するとバジルール副艦長の周りには、おなかをすかせた子供たちが集まっておりものほしそうな目で見ていた。
「そんなには、ないんだ。
困ったな」
バジルール副艦長が持っていた携帯用菓子の数は、全部で3つしかもっていなかった。
とても足りない。
※
アークエンジェルのブリッジでは、ラミアス艦長が決断した。
「ヤマト少尉、アスラン大尉とニコル大尉に行ってもらいます。
見殺しには、出来ません。
残っている車両とグゥルでそちらにも水や医薬品を送らせます」
ラミアス艦長でフラガ少佐に伝えた。
「了解」
そこで通信が切れた。
「ハウ二等兵。
ストライク、イージスとブリッツの発進を」
「はい。
ヤマト少尉、ザラ大尉、アマルフィ大尉、ストライク、イージス、ブリッツ発進願います」
「了解」
3人は、その命令で出撃準備を行った。
「APU起動。
カタパルト、接続。
ストライカーパックはエールにソードのマイダスメッサーとパンツァーアイゼン、ランチャーのコンボウェポンポッドを装備します。
シュベルトゲベールは、後から射出します。
エールストライカー、スタンバイ。
システム、オールグリーン。
進路クリア。
ストライク、どうぞ」
ストライクガンダムは、発進準備を整え発進した。
それにイージスガンダムとブリッツガンダムが続き3機は、グゥルに載ってバクゥを追った。
※
η艦隊は、町から少し離れた場所で敵を待っていた。
サオトメは、ガンダムサイガーに乗っていた。
「敵は、来るのか?」
町を出て敵の追撃を待っていたらもうすかっり朝になってしまった。
しかし敵は、現れない。
ブライアン艦長は、敵が来ないのではないかと感じて通信を開きサオトメに質問した。
「恐れをなして逃げ出したという可能性もあるといいたいのですか?」
サオトメは、敵が来ると確信していた。
「お前の活躍を見たらいやでも戦いたくないよ。
これでもし少数部隊が来たらそいつらは、バカだ」
ブライアン艦長は、敵はバカではないと考えここにはこないと結論付けた。
「バカは、来ます」
そのときレーダーが敵影を捉えた。
「艦長、前方から接近する機体があります。
8・・・・いや10。
ジンオーカーとバクゥの混成部隊のようです」
ハリダ軍曹の報告にブライアン艦長が驚いた。
※
サオトメは、接近するジンオーカーに狙いを定めた。
しかし照準が狂っていた。
「そうか。
沙漠の熱対流か」
しかしサオトメにとって照準器などなくても問題ないものだった。
サオトメは、照準を定めるときたいていマニュアルで定めている。
これは、照準システムに何か不具合があっても何も問題ないが高速で動く物体に照準を狙うには熟練の技術力が必要である欠点がある。
サオトメは、この欠点を欠点と感じず現在まで戦ってきた。
今回も沙漠の熱対流の影響を無視してマニュアルでメガビームライフルをジンオーカーに撃った。
グゥルに載ったジンオーカーは、次々とサオトメによって撃墜された。
ジンオーカーは、ガンダムサイガーを攻撃圏内に入れる前に全滅してしまった。
「後は、バクゥ3機とガンダム3機だけか」
サオトメは、不意にそんなことを言った。
※
ドゴス・ギアも後から新たな機影を捉えた。
「接近する熱源4。
艦長、これはバクゥとガンダムです」
ハリダ軍曹がブライアン艦長に報告した。
しかしこれの少し前にサオトメは、既にこの4機の接近を感じていた。
※
イージスガンダムとブリッツガンダムは、60mm高エネルギービームライフルと50mmレーザーライフルを撃ったがことごとく逸れた。
「アスラン大尉、ニコル大尉、沙漠の熱対流です。
それを補正しないと照準が定まりません」
キラ少尉は、アスラン大尉とニコル大尉に通信で教えた。
「了解」
アスラン大尉とニコル大尉は、熱対流をパラメータに入れた。
そして再び2機は、攻撃を再開した。
※
サオトメは、はじめのガンダムからの攻撃をまったくよけなかった。
というのも沙漠の熱対流で照準が狂っているとわかったからだった。
だか敵の攻撃で注意しなければならないのは、バクゥだけだったが照準を修正したのか急に命中精度が高くなり回避しなければならなかった。
「この短時間で熱対流をパラメータに入れたか。
やはりガンダムパイロットに選ばれるエースだな」
サオトメは、ガンダムの攻撃の精度の高さを見て改めてそう思った。
サオトメは、ガンダムサイガーの右手にカスタム・ビームザンバーを持たせた。
そして飛行させ換装型ガンダムと大型ビームソードとつばぜり合いをした。
そして一度距離をとると体当たりしようとしてきた1機のバクゥを左手でパンチした。
しかしそのバクゥを撃墜せずその場を離れた。
※
キラ少尉は、ガンダムサイガーが切りかかってきたのでシュベルトゲーベルでつばぜり合いをした。
一度ガンダムサイガーが距離をとると体当たりをしようとしてきたバクゥをパンチしバランスを崩させた。
(撃墜される)
キラ少尉は、本能的にそう思い120mm対艦バルカン砲で援護しようとしたがガンダムサイガーはその場を離れた。
何があったのかと思った直後ガンダムサイガーがいたところにミサイル群が襲ってきた。
サオトメは、それを回避すべくその場を離れたのだった。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第18話 ペイバック 作家名:久世秀一