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Muv-Luv Cruelty Mermaids 1

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6.Dramatic Eagle



翌日。
フランス、ダンケルク。

大規模BETA群は認められず、小規模な攻勢のみが橋頭堡に向かっていた。

「HQよりインビジブル1、現状を報告せよ。」

気付いたら予備戦力のリーダーとなっていたフィールが応えた。

「インビジブル1了解。現在、主だった変化なし。尚、接敵まで残り600秒。」

「HQ了解。接敵後、任務を開始せよ。」

「インビジブル1了解。…だそうよ、マーメイド1?」

「マーメイド1了解。…ま、やるだけやるわ。」

「―アルゴス1よりインビジブル1、マーメイド1。よろしく頼む。」

「インビジブル1了解。…ドーゥル中尉、帰投したら一杯、如何ですか?」

「マーメイド1了解。それいいわね、フィール。」

「うっせー!隊長がお前らなんかと―」

「アルゴス1了解。君達と懇親を深めるのも悪くない。」

「た、隊長!?」

フィールの誘いにタリサが噛み付くがイブラヒムは了承する。タリサは何故か不服そうにしている。

「隊長、マジッスか〜?燃えてきたぜェ〜」

「VG、程々に。じゃないと…」

「私達、貴女達を呼んだつもりはないわよ?」

アルゴスの面々にフィールは悪戯っぽく微笑む。

その瞬間、タリサは唖然と、ヴァリレオは白く燃え尽きたように、ステラはフィール同様ににやにやとしていた。

居たたまれなくなってキャシーが助け船を出す。

「…フィール。やり過ぎよ。」

「あら。そうかしら?…って、そうみたいね。ごめんなさい、冗談よ。隊の皆さんもどう?私達の方も皆参加するわよ?」

「是非参加させてもらうわ。ねぇ、タリサ、VG?」

「し、仕方ねーなッ!」

「可愛いお姉さんがイッパイか〜」

タリサはツンツンしながら、ヴァリレオはだらしなくにやけながら同意を表した。

「…すまんな。部下がぺらぺらと。」

バツが悪そうにイブラヒムが謝罪する。

「いえいえ、面白い部下を持ちましたね。ドーゥル中尉。」

「ええ、何だか仲良くなれそうだわ。」

フィールにキャシーも同意する。

その後アルゴス、インビジブル、マーメイドの小隊メンバーで束の間の雑談がなされた。




◇◇◇




「マーメイド2よりアルゴス1、インビジブル1、マーメイド1。接敵まで120秒。」

「アルゴス1了解。」

「インビジブル1了解。」

「マーメイド1了解。」

セリーナの言葉を切っ掛けに各々の小隊長が支持を飛ばす。

「マーメイド1より小隊各機。アルゴス小隊のライトバックヤードに展開。接近する敵を殲滅しつつ、アルゴスのフォローに入る!」

「「「了解!」」」

インビジブル小隊も左側にマーメイド小隊と同様の陣形を取る。アルゴス試験小隊の試験を最大限実施し、かついざというときはアルゴス試験小隊を後退させ、インビジブル、マーメイド小隊が彼らを包み込み護衛、敵を殲滅させる陣形である。
やがて、先頭BETA群が目と鼻の先に迫ってきた。

「HQよりアルゴスリーダー。状況を開始せよ。」

「アルゴス1了解!」

イブラヒムの言葉と共に、全ての戦術機が動きを始めた。




◇◇◇




「…こんのおっっ!」

「散れ、タコ助共ォ!」

状況開始から数分後。キャシーは目の前の敵を捌きつつアルゴス試験小隊に目を遣った。

「…すっごいわね。」

「―そうね。」

キャシーの呟きに、分隊を組んでいるセリーナから通信が入る。

「アクティブ・イーグル…第三世代戦術機並って、伊達じゃなかったみたいね。」

イブラヒムの駆るアクティブ・イーグルは強化改修された跳躍ユニットを華麗に制御し、その圧倒的推進力を駆使しながらBETA群を突っ切り、その中で突撃砲を弾かせながらBETAをミンチにしていた。その機動性はラプターに匹敵するのではと思わせる程だった。

「確かにアクティブも凄いけど…随伴機もかなりのモノじゃない?」

「そうね。あのストライク・イーグルは跳躍ユニットが強化されてるみたいよ。」

並の戦術機ではアクティブ・イーグルに追い付けないため、実証試験の際は随伴機は跳躍ユニットが強化されたストライク・イーグルが担うことになっているのだ。

「ふーん。ま、アレが見れただけでも護衛をした価値はあるわね。」

「そうね。」

素直に感心したキャシーはセリーナとの通信を終えると再び精肉作業に没頭することにした。




◇◇◇




数分後。

「マーメイド2より各機、戦域個体の殲滅を確認。」

管制役のセリーナの声を受け、HQからの哨戒任務の後帰投せよとのオーダーを受けると、その場の緊張感が途切れる。

「インビジブル1よりアルゴス1。お疲れさま。」

「ああ、君達も。」

「アクティブ・イーグル、中々の機体ですね。」

「まだまだ、さ。課題は残されている。」

「これからが楽しみですね。」

「そうだな。だが、君達もかなりの腕じゃないか。正確にBETAを捉えていたように見えたが。」

イブラヒムの称賛にフィールが謙遜する。

「そんなことありません。機体の―」

「!?マーメイド2より各機!第二波BETA群、接近中!総数300!接敵まで300秒!」

弛緩した空気はセリーナの報告により再び引き締められた。

「マーメイド1よりHQ。第二波BETA群接近中。命令を請う。」

「HQ了解。―HQより各機、その場でBETAを殲滅せよ。なお、国連試験小隊は直ちに帰投せよ。」

無数の了解の後、真っ先に反論したのはタリサだった。

「帰投!?冗談じゃない!私達も―」

「アルゴス1よりアルゴス2!命令だ!」

「!?しかし隊長!」

「アルゴス3よりアルゴス1。確かにこのままトンズラじゃあ、ちっとばかし後味悪くないですかねェ〜」

「アルゴス4よりアルゴス1。私も同意です。」

「貴様ら……分かった。待ってろ。」

「―接敵まで残り180秒。」

セリーナのカウントは続く。

「アルゴス1より小隊各機。アルゴス2、アルゴス4はインビジブル、マーメイド両小隊のフォローに入れ。私とアルゴス3は帰投する。」

「アルゴス2了解ッ!」

「アルゴス3了〜解。」

「アルゴス4了解。」

どうやらアルゴスは2機のストライク・イーグルを残して帰投するようだ。
キャシーは素早く情報を纏めるとオープン回線を開く。

「マーメイド1より各機!インビジブルズは地上からの制圧。マーメイズはエアカバー、アルゴス分隊は私達と一緒にエアカバーに入って!」

「「了解!」」

「これでよかったかしら?インビジブル1。」

「上出来よ。」

キャシーのオーダー後、戦術機は再び獲物を狩るべく動き出した。

「接敵まで残り20秒!」

BETAはすぐそこまで迫っていた。




◇◇◇




「マーメイド1より小隊各機。お客様のお出ましよ!ダンスパーティに御招待しなさい!」

「「「了解!」」」

4機のスーパーホーネットは跳躍ユニットを唸らせ、地面を叩く。
直後、反転し弾薬を舞わせる。

「マーメイド1よりアルゴス2、4!間違っても味方に当てるな!」

「アルゴス2了解!アタシ達を舐めるなぁ!」

「アルゴス4了解。タリサ、口が大きいわよ?」
作品名:Muv-Luv Cruelty Mermaids 1 作家名:Sepia