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こらぼでほすと ちょい先の話にるらい編2

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 というか、連れて帰ると、上司とか、そのまた上の上司とか、その関係者が、いちいち遊びに来て五月蝿いから連れ帰らないということになっている。
「おまえは帰らんでいい。おまえが戻ると、五月蝿くてかなわん。」
「別に、俺が五月蝿いわけじゃないんですが? 」
「だが、おまえが原因だろ? 」
「そうかなあ。あんたの顔が見たいだけでしょ? ほんと、あんたはアイドルですよね? 」
「ああ? おまえ、その腐れた脳みそをぶっ潰されたいのか? 」
「照れなくてもいいでしょ? 可愛くて仕方ないんでしょうね、あの方たち。」
「おまえも入ってるぞ。ホームシックになったら、速攻で下ろしてたじゃねぇーか。」
「あれは・・・・失敗でしたね。まさか、あんなに落ち込むとは思わなかった。金蝉さんが、えらく心配してくれて・・・」
「あいつ、絶対に、おまえを狙ってる。」
「ないです、ないです。どっちかというと、あんたの嫁だから、気にしてくれてんですよ。俺、半人前だから。」
「よく言う。・・・おまえも、満更じゃないんだろ? 」
「あんたねー、俺はノン気だって知ってるでしょ? それなら、あんたを襲いますよ。そのほうが早いんだから。」
「やめろ。」
「わかってます。俺も、やりたくありません。」
 この会話で、三十年間だ。それでも、亭主は枷にならないのか、と、ライルは、それを考えつつ観察する。リジェネのほうは、スルーだ。延々と、この会話を耳にしているから飽きている。勝手に立ち上がると、風呂の準備に出て行く。



 ライルが風呂から上がる頃に、悟空が帰って来ていた。がつがつと晩御飯をかきこんでいる。こちらも、三十年前の姿のままだ。よおう、と、挨拶するとメシに集中する。
「慌てて食うなって、何度言ったらわかるんだ? 」
「・・・腹減ってんのっ・・・」
 がつがつと丼飯は、呑むように胃に収まっていく。もう、と呆れつつも実兄が、追加のおかずを膳に載せている。どんどん消費されていくから、追加しなくては足りないらしい。せっせと運んでいるのを、よそ目にして冷蔵庫からビールを取り出す。
 坊主とリジェネは、テレビで野球を観戦しているので、こちらの会話に参加していない。ライルも、そちらに腰を落着けた。
「ママ、明日、弁当いらねぇー。」
「え? 」
「今日の助っ人の代わりに、学食で昼飯奢ってくれるんだ。」
「いや、悟空? 全開で食ってやったら、迷惑だろ? 三時限の後に、ちょっと腹に入れとけばどうだ? 」
「別にいいんじゃね? 覚悟はしてるぜ? 今日は勝ったからさ。」
「なんの助っ人だったんだ? 」
「野球。社会人とやって勝ったから、好きなだけ食っていいって言ってた。・・・一回、俺の本気を知ったら、もう頼まないだろうから、それでいい。」
「あーまあ、そういうことなら。」
 あまり目立つのも問題だから、悟空も、あまり助っ人はしないようにしている。今回は、同じクラスの人間に泣きつかれて、しょうがなかったらしい。一度、本気で食べれば、あまりの金額になるから、頼んでこないだろうということで、ニールも、それなら、と、納得した。腹一杯になった悟空も、ようやくお茶に手を出す。
「ライル、いつまで居んの? 」
「組織は退職したから、無期限。まあ、二、三ヶ月は、こっちで骨休めするつもりだ。」
「じゃあさ、ママの普段着、なんか見繕ってくれよ。ずーっと、同じもんばっか着てんだ。俺とかリジェネが、新しいのを買おうって言っても、全然、スルーされちゃってさ。」
「別に、いいだろ? どっかへ出かけることもないんだしさ。」
「三蔵とデートするのに、ジャージは、どーなんだよ? ちょっとくらい、着替えたほうがいいって。なあ? リジェネ。」
「僕も、悟空の意見に賛成。たまには、ぱりっとした服で、僕とデートしてよっっ。レストランとか入れないじゃない。だいたい、その半纏、僕がプレゼントしたやつだよね? もう十年は経ってる。」
「どこも綻びてないから、いいだろ? 」
 自分の服装を眺めて、ニールは、どこもおかしくない、と、言い張っている。半纏の下は、フリースにジャージだ。確かに、その格好で行けるのは近所のコンビニまでだろう。
「俺がプレゼントした半纏、もう五年くらい、押入れで寝てるぜ? ママ。」
「僕がプレゼントしたコートも寝てるよね? 」
「だって、トダカさんがくれたのは、しっかりしてて、草臥れてないのに、新しいのを出すのも、もったいないだろ? 」
「ちょ、兄さん? トダカさんって・・・あんた、まだ、あのコート着てるのか? 」
 大昔に、トダカが、季節ごとに服を用意していた。コートといえば、深緑のどっしりとしたコートだ。軽く三十年近く経過している代物だ。いくらなんでも、後生大事にしすぎだ、と、ライルでも呆れる。相変わらず、実兄は貧乏性であるらしい。
「ああ、それほど出かけないから、綺麗なままなんだ。・・・それに、冬しか着ないしさ。」
「別に棄てろって言ってない。他のも着ればいいって、俺は言ってんの。・・・なあ、ライル、ママの服、整理して新しいのも用意してくれよ。時間あるだろ? 」
 平日は、学校がある悟空やリジェネには、整理まではできない。新しいのを贈っても着てくれないから、それが不満だ。
「・・・あんたさ・・・少しぐらい、オシャレしようと思わないか? 」
「主夫なんて、オシャレしても意味がないんだ。」
「いや、お義兄さんの目を楽しませるっていうのは、あるだろ? ・・・悟空、その用件は俺が片付けてやる。どうせ、俺の普段着も買わなきゃいけないから、一緒に連れて行くよ。」
「そうしてくれる? 俺らが言っても、聞いてくれないんだ。頼むぜ、ライル。」
 どちらにせよ、ライルも、ここに滞在するなら最低限の衣装は必要だ。それの買出しに実兄も連れて行けばいい。せっかく、若い姿のままなのだから、少しは着飾ればいいのだ。
「流行のものも用意してね? ライル。ママには似合うと思うんだよねー。」
 寺は基本、オールセルフサービスなので、各人の衣装も各人で用意する。坊主だって、適当に仕入れているのに、寺の女房だけは、適当すぎるから気になっていたらしい。
「おまえ、たまにはホストやってた時みたいな格好して、そこいらを流して来い。適当なのが釣れるぞ? 」
「釣って、どうすんですか? あんた、食べます? 」
「いらねぇーよ。」
「俺も、釣れたって迷惑なだけですよ。それでなくても、いろいろと誘われてるのに。」
「人外のほうが、後腐れなくていいんじゃねぇーか? 」
「野郎なんですが? 」
「修行だと思え。」
 なんの修行だ、と、坊主以外は大声でツッコミだ。そんな修行したいとは、ニールは考えたこともない。
「修行したら、相手してくれるんですか? 三蔵さん。」
「はあ? 無理を言うな。そこに、経験者がいるだろ? 」
 と、指差されているのがライルだ。えーーーーと、ライルも嫌そうな顔だ。実の兄弟でやることでもない。
「お義兄さん? それは無茶ぶりですよ。いくらなんでも、うちの兄さんとは無理。」
「てか、あんたね。人の弟を、色欲魔王みたいに言わないでくださいよ。そりゃ、遊んではいるだろうけど、こいつは刹那一筋なんですからね。」