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機動戦士ガンダムRS 第19話 宿敵の鎌

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 アスランは、チリソースまみれのケバブをほおばって笑顔になった。
「お前もこの味を知ったら病み付きだぞ」
 アスランは、キラのケバブにもチリソースをかけようとした。
「待て待て」
 それをサオトメが制止した。
「何だ?」
 アスランは、不愉快そうに聞いた。
「素の味、チリソースとヨーグルトソースを食べ比べどれがうまいか決めるというのも悪くないと思うが」
 サオトメの提案にアスランも納得した。
キラは素の味、チリソースとヨーグルトソースを食べ比べた。
 その結果今1番うまいと感じたケバブを食べているがサオトメとアスランは、頭を抱えていた。
キラは、チリソースとヨーグルトソースのミックスを選んだのだ。
「うまいのか?」
 サオトメは、キラに聞いた。
「はい、ミックスもなかなかいけます」
 サオトメの質問にキラが答えた。
「それよりお前は、何が目的だ」
 アスランの言葉にキラは、はっとなった。
今まで平和に世間話をしていたが目の前にいる人物は、ヘリオポリスを破壊ししつこく追撃を行ってきた『敵』であった。
「ただ単に地球軍のトップエースがどういう人物か知りたかっただけさ。
差し支えなければ教えてもらいたい」
 サオトメは、キラにお願いした。
キラがアスランを見ると信用したのだろう。
「問題ないと」と無言で伝えた。
「僕は、ユーレン・ヒビキが唯一成功させたスーパーコーディネーターで元々中立国オーブの難民コロニーのヘリオポリスで平和な学生生活を過ごす工業カレッジの学生でした。
でもあなたたちが攻め込んだせいで避難しなければならなくなってそしたら新型モビルスーツを発見したんです。
僕は、友人を護る為モビルスーツに乗ってユーピテルと戦いあなたとも戦いました」
 キラは、モビルスーツの名前や性能を言わないように注意しながら出身とこれまでの経緯を話した。
サオトメは、その話を真剣に聞いていた。
「そうか。
ちなみに俺は、強制かな」
 サオトメは、そうぼやいた。
キラとアスランは、その内容に興味を抱いた。
「両親は、俺が小さいころに事故で死んだんだ。
その後身寄りのなかった俺は、児童養護施設に預けられたが将来の戦力を欲していた軍が全コロニーの養護施設に預けられた子供を引き取って兵士に育てたんだ。
その中で突出して優秀だったのが俺らしい。
それでガンダムサイガーのパイロット候補に選ばれルナツー防衛戦でデビューを果たした。
結果は、いう必要はないだろう」
 サオトメもまた軍事機密を言わないように注意しながら自分が戦争に身を投じた経緯を話した。

                  ※

 バルトフェルド大佐たちは、ジャイリーに案内され地下のファクトリーの奥へ進んでいた。
「水と食料、燃料等は既に用意させてあります。
あとは、問題の品の方ですが」
 奥まで進むとジャイリーの側近たちが木箱の載った台車が4台運ばれてきた。
そしてジャイリーの合図とともに木箱の箱が開けられた。
「75mmAP弾、モルゲンレーテ社製EQ177磁場遮断ユニット、マーク500レーダーアイ」
 ジャイリーが説明中にジャッキー軍曹が商品を手に取って本物か確かめた。
「純正品じゃないか」
 ジャッキー軍曹は、純正品だったので驚いた。
「呆れるな。
どこから横流しされてるんだか」
 それには、バジルール副艦長もあきれた。
「世界には、ご存知ない地下水脈も多御座いましょう?」
 ジャイリーは、そういうと笑った。
「お代でありますが」
 ジャイリーは、金の話に移した。
「ちょっと待ってくれ。
品物は、それでいいんだな?」
 バルトフェルド大佐は、バジルール副艦長に品物の質を確認した。
「品物に文句は、ありません」
 バジルール副艦長が答えた。
「希望した物は、全て揃うんだな?」
 バルトフェルド大佐は、今一度ジャイリーに確認した。
「それは、もう。
これを」
 ジャイリーの側近が請求書をバルトフェルド大佐に渡した。
それをのぞいたジャッキー軍曹が目を見開いた。
「なんだこの額は。
嘘だろ?」
 そこには、「ありえない」としかいえない数字が書いてあった。
「貴重な水は、高う御座います。
お命を繋ぐもので御座いましょう?」
 ジャイリーは、相手の足元を見ていた。
「支払いは、アースダラーでいいか?」
 バルトフェルド大佐が支払い方法をたずねた。
「はい、それでけっこうです」
 そこで契約は、成立した。
「では、すぐ運ばせろ」
 バルトフェルド大佐が部下に命令した。
「どうなってるんですか?
ついて行けないですよ、自分」
 ジャッキー軍曹は、バジルール副艦長にぼやいたがバジルール副艦長も理解できる範囲を超えていた。

                  ※

 サオトメ、キラとアスランは食事を終えた。
「君たちを見ているとコーディネーターもナチュラルと変わらないなと思うよ」
 サオトメが不意にそんなことを言った。
「君たちは、ザラ大統領やアズラエル大統領の言うことを理解しているかね?
ちなみに俺は、ブルーコスモスではないぞ」
 サオトメの質問にキラは、答えに詰まった。
「俺は、ナチュラルのテロで母親が殺されました」
 アスランは、自分の境遇を話した。
「なるほど。
それも痛い種の1種だな」
 サオトメは、ため息交じりで言った。
「痛い種?」
 キラは、サオトメの言いたいことがわからなかった。
「だってそうだろ。
C.E.22年の新たなる国家設立からちょっと経った後から双方のテロは、勃発した。
そして恨みに恨みが重なってコペルニクスの悲劇だ。
それまでの約50年のうらみは、相当強い。
並大抵の努力では、消えることはない。
だからこそこの戦争は、終わらないのだろう」
 サオトメは、この戦争の原因と更なる長期化を予想した。
「君たちもやっぱりどちらかが滅ばない限り戦争は、終わらないと思う?
同じパイロットとして意見を聞きたい」
 サオトメが2人に質問した。
サオトメは、アスランもパイロットだとわかっていた。
アスランもその言葉に驚いた。
「俺は、人を見る目があるんだ」
 サオトメは、嘘をついた。
ニュータイプの感覚で既にキラの隣の人物が赤いガンダムのパイロットだということもわかっていた。
アスランは、拳銃に手を掛けようとした。
「やめたまえ。
君は、既に拳銃を襲撃時に失ったはずだ」
 サオトメに指摘されアスランは、はっとなった。
追い詰められたとき確かに犯人のほうへ銃を蹴ってそのまま逃げてしまった。
銃は、あれ1丁しか所持しておらずキラも持っていなかった。
すなわちアスランとキラは、銃を持っていなかった。

               ※

 ドゴス・ギアに戻ったアイリス曹長は、ブリッジでブライアン艦長に事の経緯を話した。
「何だと?
サオトメが町からまだ帰ってきてない」
 その言葉にブリッジにいた皆が驚いた。
「はい。
先ほど銃撃があったという情報もありました」
 ブライアン艦長は、決断した。
「パイロットの何名かを町に出す」
 ブライアン艦長は、イワン曹長に命令した。

                ※