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おれの親友

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サンジはゾロをずっと見ていた。
おれは声をかけようとして、出来なかった。
でも、そこから動くことも出来なかった。

そんなおれの目を抑えて連れ出してくれたのはナミとルフィだった。


お昼に使う空き教室に着くと、
おれは力が抜けてずるずるとへたり込んだ。

「おい、大丈夫か?」

「情けないわね、あれぐらいで。」

きっとバレてるんだろうなとは思ってた。
必死に隠そうとしてきたけど、こんな時は感謝だなって思った。

でも、この時のおれはそれどころじゃなくて、
感情の波が自分でコントロールできなくて、混乱してた。

あの視線があの顔が全部語ってた。
だからこんなにおれは泣いてるんだと思う。
辛くて、哀しい。
痛くて、苦しい。

それでも、

それでも、おれは・・
あぁまた新しい表情が出来るようになったんだなって、

嬉しい・・なんて・・・


「どうするの?」

ナミの声に顔を上げるとひどい顔だったんだろうな、
大げさに溜息をつかれてしまった。

「告白よ、するの?」

「こく・・はく?」

「何、その考えたこともなかったって顔は。
自分の気持ちに今気付いたわけじゃないんでしょう?」

「・・あっあぁ、気付いたのは中学の終わりだ。
好きになったのはいつからか分からねぇけど・・・」

「サンジが大好きなんだな。」

ルフィがおれの顔を拭きながら笑いかけてくる。
その笑顔につられておれも笑顔でうなずいた。

「だったら、伝えればいいじゃない。」

「それは・・するつもりねぇんだ。」

「・・どうして?」

ナミの質問のあとすぐにチャイムが鳴った。
だけど、二人はそれが当たり前のように動く気配は見せなかった。

おれは全然まとまってはいなかったけど、
思ったことを少しづつ話していった。



おれさ、おれサンジが幸せだなぁって笑ってればそれでいいんだ。
サンジの近くに居られればそれでいい。

サンジが幸せだとか、ちょっと辛いとか、苦しいとか、
そういうのが分かる距離に居られればそれで・・
だから一番じゃなくたっていいんだ。

サンジはさ、真っ白だったんだ。
何もなくて、でも、今はいっぱいある。
おれはその中の一つになれているなら、
サンジを彩る絵具の一つになれてるなら嬉しいなって。

おれのこの気持ちに名前つけるならやっぱり恋だと思うんだ。
それは否定しねぇ。でもさ、おれはこれ以上は望んじゃいないんだ。

おれは良く出来た人間じゃないから、嘘だって吐くし、ズルもする。
自分をよく見られたいなって思うし、泣き虫だ。

だけど、本当に、
本当に幸せなんだよ。

あいつが幸せならそれだけで。
おれは・・・・


だから、

サンジの幸せの為ならいくらでも強くなれる気がする。


サンジはおれの親友で、
おれもサンジの親友だ。

大切で大切で仕方ない親友なんだ・・・。





「馬鹿じゃないの?
じゃなんだってあんたは今泣いてんのよ。」

「ははっ・・おれも吃驚だぜ。
やっぱりどっかで期待あったのかなぁ。」

「・・馬鹿ね。」

「泣きたいのに泣かねぇなんて変だぞウソップ。」


こんなに自分の感情が一つに絞れないのは初めてだった。
嬉しいのに悲しさもあって、笑ってるのに泣けてくる。

でも、泣き顔をサンジには見せたくないから、今のうちに泣きたいなって思った。
だからおれは膝をかかえて泣けるだけ泣いた。
ナミとルフィはおれが泣き止むまで側に居てくれた。


作品名:おれの親友 作家名:おこた