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おれの親友

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6年生になって、
おれはサンジとまた同じクラスになった。
その頃にはたまにしか来ないサンジのことは学年にすっかり浸透していて、サンジが来たからといって驚く奴も居なければ、声をかける奴も居なかった。

けど、おれは未だに友達になることを諦めていなかった。
でも、おれはこうみえて、小心者で、人見知りな一面もなくはない。うん。
だからなのか、サンジに話しかけることがいつまでたってもできなかった。


小学生としての生活もいよいよ終わりに近づき始めた頃。
毎年恒例の合唱祭が行われた。

おれたちのクラスは学年優勝をとることはできなかった。
男子も練習じゃそこまで真剣にやってないくせいに悔しがって、
女子は泣いて悔しがってた。


おれは、そんなクラスメイトを元気づけたくて、嘘をついた。

『2位だったぞ』って。

そんな深く考えてなかった。

今思い返しても、可愛いおれさまの嘘。
でも、ちょっと困ったことになっていった。

まぁ、このおかげでサンジと話すことになるんだが。


おれの小さい嘘は優勝を同じく逃したほかのクラスを巻き込んでいった。
おれの言葉を信じて疑わなかったクラスメイトは他のクラスの連中と喧嘩になった。
事が大きくなって、先生が介入して、とうとう発表される必要のなかった順位が告げられた。
その結果、おれたちのクラスは学年でビリだったことが判明した。


まぁ、当然の報いなんだろうが。
この小学校で過ごせる時間は残り少ないというのに、
おれはクラスで話す友達が0になった。

おれは、ずっと俯いて過ごした。
顔を上げれば、おれを睨むクラスメイトが視界に入ってしまうから。
そんな日々は辛くて仕方なかったけど、おれは上手く謝ることが出来なくて、
きっとクラスメイト達も引くに引けなくて…

おれはこっそり泣いてた。
…内緒だぞ。

っても、サンジに見られたんだけどな。


おれは一人教室に残って、カーテンにくるまって泣いてた。
誰にも見られるもんかっていう理由だったんだが、
涙を拭わずにカーテンから出てしまったおれは、泣き顔をばっちり目撃された。

そのとき、初めてサンジが無表情以外の表情、
ちょっと驚いた顔をしたんだ。


おれはそれがきっかけで…大泣きしちまって。
思わず、おれとしゃべってくれぇって泣きついちまったんだ。

見上げたサンジは、
少し特徴のあるまゆげを若干下げて笑ってくれた。



絶対に忘れないサンジの初めての笑顔だ。
まぁ困り顔でもわったわけだが。


「お前は悪くねぇよ。」


最初にかけられた言葉をおれは忘れない。
そのときのおれにとって、これはとてつもなく大きな救いの言葉で、
おれの言葉はあんなにもクラスメイトを傷つけてしまったのに、
こいつの言葉はなんてあったけぇんだ…って。

感動したんだ。




でも、次にかけられた言葉は、「邪魔。」だった。





作品名:おれの親友 作家名:おこた