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グランギニョールは微笑んだ 第一章

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孤独な少年


「…銀の院から来た子供…ですか?」
山野淳一郎は研究員から其れを聞き、唖然としていた。パラダイス破棄当日にこんな事が在るなんてサプライズパーティーかと思うほどの事だが、いきなり何で…?と思った。
「…銀の院に、オメガダインが関わっているとの情報が入っていて。」
「!!」
研究員曰くオメガダインは人身売買にも手を出していたらしいと良くない噂が出ていた為、急遽保護したらしい。
「…それが、彼は売られ買われ盥回しにされた末に心を閉ざしたそうです。」
「…そうか。」
山野博士は彼を連れて来い。と言い、研究員は分かりました。と言って彼を連れて来た。

「…連れて来ました。彼です。」
現れたのは深緑のベレー帽、コートの中にブレザーと変わった格好をした少年だった。
「…名前は?」
「…それが無いんです。困りましたね、如何呼べば良いのか…。」
山野博士はそうだな…。と語るも、一つ案が浮かべた。

”父さん!ピーターパンのお話をして!”

はっ…!?山野博士は何かに閃いたのか、こう語る。

「ピート・ペインと言うのは如何だろうか?」
「そうですね、何か馴染み易いし…。」
山野博士は宜しく、ピート。と言い語る。彼は「…宜しく。」と言った。


「…で、それで彼が何で居るんだよ。」
カズが突っ込みながら言うもバンは「仕方ないだろ、父さんから言われた事だし。」と言った。アスカは可愛いな!とからかい、ランは「宜しく!」と言った。
ジンとユウヤも笑顔だ。…ジェシカは渋々顔を合わせ、宜しくと言おうとしたが。

『ネバー…ラ…に…して…やるさ』
『自分…開発…モン…に…』

「…来ないでっ!!」
ジェシカはピートの手をパン!と叩き、後退りをした。「何やっているのジェシカ!?」とアミが駆けつけるも、ジェシカは未だに警戒をしている。
「…何故、拒絶する?」
「…!!」
ピートから放たれた言葉は、心が無く、機械的な事だった。
「嘘だろう?」カズは言い、ヒロはうろたえた。これじゃあ、まるで
「…アダムとイブみたいじゃないですか!!」
…辛い事だろう。心の傷を負った者は、此処まで酷くなるなんて。