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魔法少女リリカルウィッチーズvol.5

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15th MISSION


「広い…」
「これはブリッジに辿り着くのも骨だな」
芳佳達はブリッジへ向かって進路を取っていた。予め、ゆりかご内部の構造はある程度把握していたつもりだったが、予想外の広さ、そして何よりネウロイ化によって内部の微細な部分が変化してしまっていたので迷いつつあった。
「…こっち」
それでもサーニャのレーダーを便りに、大まかな位置を掴みながら進んでいく。
「サーニャちゃんの魔法が無かったら大変だよね」
「なのはさん達、大丈夫かしら…」
「心配しても仕方ない。向こうだってエースなんだ、何とかしてるはずだ。」
それに、とエイラは付け足して、
「実際に一度、この中に入ったことがあるって言ってただろ。だから大丈夫だ」
二人にそう言った。
「どっちにしろ同時にコアを破壊しないといけないから、通信で状況は確認できるしな」
「エイラさんの言うとおり。私達は私達がやるべきことをやろう!」
三人は更に奥へと進んでいく。

「ここに来るのも久しぶりだね」
「ああ。ロクな思い出がないけどな」
なのはとヴィータは機関室側へと進んでいた。
「機関室は確か、この先真っ直ぐ進めば見えてくるはずだ」
と、二人は進むのを止める。
「気付いたか?」
「うん。ヴィータちゃんも?」
「たりめーだ」
二人の前方からガジェットⅣ型とおぼしきシルエットが現れる。
「またこいつらか…!」
忌々しげに呟くヴィータ。過去、彼女はこのガジェットに苦い思いをさせられている。
「ヴィータちゃん。これって…」
「そうだ。昔、お前を墜としたタイプだよ」
およそ無敵とも思われるなのはだが、過去に一度、撃墜されたことがある。10年程前のこと。とある任務を終えた帰り、なのはとヴィータ、二人の前にこのガジェットが現れ、この頃無茶をし続けていたなのはに重傷を負わせたのだ。
「前の時に全部ぶっ壊したと思ってたんだけどな…」
「他のガジェット同様にネウロイが再生させた可能性もあるね」
「まぁ、出てきたってんならもう一回ぶっ壊すだけだ!」
二人はそれぞれの形で戦闘を始める。

その頃、ゆりかごの外では無事突入班を突破させたセイバーズ空戦部隊の残りの面々が巨大ネウロイと対峙していた。
「宮藤達を送り出したことだし、あとはあのデカブツをどうにかするだけだな」
シャーロットが言う。その瞳には、いつでも始められるという気持ちがこもっている。それは他の面子も同様なようで、皆一様に動き出そうとしていた。
「皆の気持ちはようわかるで。けど本丸に挑む前に倒さなアカンのがぎょうさんおる。せやからまず、外堀から埋めよか」
はやてが無数に飛び回る小型ネウロイを見ながら言う。
「各員、散開して各個に小型ネウロイを撃破せよ!」
ウィッチーズに向けてミーナが告げる。
二人の言葉で、全員散開しての小型ネウロイ掃討戦が始まった。

「ルッキーニ、あれやるぞ!」
「オッケー!」
そう言うとルッキーニがシャーロットの方へ向かう。そして手を掴むとシャーロットが固有魔法『超加速』を使って回転する。
「いっけぇーっ!」
そのまま手を離し、ルッキーニを砲弾のように飛ばす。ルッキーニは固有魔法『光熱』を発動してネウロイの間を一直線に飛ぶ。加速の勢いで熱が更に高まり、それと共に放たれる衝撃波がネウロイを一度に破壊した。

「…チッ!ハルトマン、余ってるなら予備弾倉をくれ」
熱を帯びた銃身を交換しながらバルクホルンが言う。
「はいはい。あんま無駄撃ちしないでよ」
愚痴りながらもエーリカはMG42の予備弾倉を渡す。
バルクホルンは弾薬を装填すると、再びネウロイに向けて発砲する。

「はぁぁぁっ!!」
アサルトフォームのバルディッシュを振るい、フェイトはネウロイを一機ずつ確実に撃墜していく。
「数が多い…なら!」
フェイトの周囲に魔力スフィアが形成される。その隙を狙ってネウロイが攻撃しようとする。だが、それは横からの銃弾により阻まれた。
「ペリーヌ、ありがとう」
「この程度、何でもありませんわ。それよりフェイトさん、確か電気を扱えるんでしたわね?」
「うん。使えるけど…?」
「私の魔力、上手く貴女の攻撃に組み込めませんこと?」
突然の提案に一瞬考えるフェイト。
「デバイスを介せば、もしかしたら…」
それを聞いたペリーヌはバルディッシュに触れ、自らの魔力を注ぐ。すると、フェイトの周囲にある魔力スフィアが電気を帯び始めた。
「今ですわ!」
「プラズマランサー、ファイア!」
ペリーヌの合図でフェイトが魔法を放つ。電気を帯びた魔力の矢はネウロイに突き刺さる。しかし、これだけでは終わらない。
「トネール!」
ペリーヌが叫ぶとプラズマランサーが帯びていた電気が一斉に周囲に解放され、直撃を受けたネウロイの周りのネウロイをも巻き込んで撃墜した。ぶっつけでやってのけたのは、バルディッシュの功績も大きいだろう。
「やりましたわ!」
「上手くいって良かった」
二人はハイタッチを交わす。

「リーネさん、そっちへ行ったわ」
「了解!」
ミーナからの通信を受け、リーネは向かってくる小型ネウロイへ二発の銃弾をお見舞いする。一発目はわざと外して軌道を誘導し、本命の二発目を当てて見事に撃墜した。
「ふふ。リーネさん、もう立派な狙撃手ね」
「そ、そんな!まだまだです!」
ミーナの誉め言葉に頬を赤らめてわたわたしながらリーネは謙遜しつつ返す。
「謙遜することないわ。さぁ、次が来るわよ」
「はいっ!」
二人は再び、ネウロイ撃墜へ行動を開始した。

「シグナム、私の詠唱が終わるまで周りのネウロイを近づかせんようにしといてもらえへんかな?」
「了解しました、主はやて」
そう言うとシグナムははやての周囲の警戒にあたり、はやてはその中で呪文詠唱を始める。

はやてが詠唱を始める少し前。フォワードのキャロへ、彼女は通信を入れていた。
「キャロ、聴こえる?」
「八神隊長!はい、大丈夫です。どうされたんですか?」
「ヴォルテールの召喚準備、しといてほしいんやけどな。私の合図で、すぐ出せるように」
「了解です!」
「頼んだで」
そう言うと、はやては通信を切った。
「八神隊長、何て?」
ネウロイと応戦しながらティアナが訊く。
「ヴォルテールを召喚する準備をしておいてと言われました」
「ってことは、なのはさん達がゆりかごに突入したってことかな」
それを聞いたエリオが言う。
「どういうこと?」
「多分だけど、八神隊長はゆりかごネウロイを倒した後のことを考えてるんだと思う。あの質量だ、街に落下したら甚大な被害が出る。破壊出来ないにしても、ヴォルテールと八神隊長の最大魔法があれば、落下地点をずらすことくらいは出来るんじゃないかな?」
エリオが推察したことを口にする。
「確かに魔導師の単純な火力で言えば八神隊長は最強クラスね。それと同等以上の力を持つのはこの場では究極召喚くらい、ってわけか」
「はい。だから八神隊長はキャロには究極召喚を使わせなかったんだと思います」
「キャロ、一番最後に大仕事貰っちゃったね。いけそう?」
スバルが訊く。
「はい。八神隊長が私に任せてくれたんです、精一杯やってみます!」
キャロは大きく返事をして究極召喚のための準備を始めた。