とある歌姫の闘争記録(ラブコメディー)
上条の顔は、まだ赤かった。
『私の歌に奇蹟の力はなくなっちゃったけど……』
再び上条家に居候することになったアリサと元から居候のインデックスにベッドとソファを明け渡し、狭い風呂に体を押し込んでも、全然寝つけない。
さっきのアリサの一言が頭から離れない。
『当麻君に、普通の女の子として見てもらえるから、嬉しいな』
当麻君、と強調した、その言葉。
これまでにきいたことがないくらい、艶やかに聞こえた。
あれは、ひょっとして……。
(そういうことなのか? ……って、何考えてんだ俺はああ!)
上条当麻の夜は長い。
作品名:とある歌姫の闘争記録(ラブコメディー) 作家名:だーくびーんず