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だーくびーんず
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とある歌姫の闘争記録(ラブコメディー)

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 叫んでいる自分に気づき、あわてて口を押さえた。風呂場を確認するが、微かな寝息しか聞こえてこない。
「やっぱり、アリサもとうまのことが好きだったんだね」
 茹蛸のように真っ赤になったアリサに、インデックスは柔らかい口調で話しかけた。
「とうまは貧乏だし不幸の象徴だし自分のこと考えずにたにんばっかり助けようとするし、すっごい鈍感だからわたしやあいさや短髪なんかがアピールしても全然気づかないんだよ。そんなとうまでも、アリサは好きでいられる?」
 インデックスの言葉がライバルを減らそうとするものではないことは、アリサにもはっきりとわかった。
 ただ、ともだちに対する確認と心配。
 だから、アリサは首を縦に振った。
「もちろん」
 言葉に力が入る。インデックスはまるで慈悲深いシスターのような微笑みを浮かべた。
「とうまに助けられた女の子は、どうしてかみんなとうまのことが好きになっちゃうんだよ。だから、アリサにもライバルになっちゃうことは覚悟してたんだ」
 でも、と彼女は続ける。
「でも、わたしとアリサはライバルである前に“ともだち”なんだよ。前はできなかったけど、今度はアリサといっぱい遊びたいな!」
 そういってアリサに抱きついたインデックスには、もう一切の敵愾心はなかった。
 抱きつかれたアリサも、小さなシスターに対する暗い感情が霧散するのを感じていた。
 でも、とアリサは言葉に出さずに思う。
(……確かに、私が当麻君を好きになったのは、彼に助けられたからっていうのもある。だから、当麻君に助けられた女の子が当麻君を好きになるっていうのは間違ってない。でもね、インデックスちゃん)
 インデックスは大切なことをしらない。
(エンデュミオンの中で当麻君に助けられたのは、私だけじゃないんだよ)
 シャットアウラ=セクウェンツィアが鳴護アリサを呼び出したもう一つの理由……。
 それは、アリサと「決着」をつけるためであった。
(私は、負けない。インデックスちゃんにも、美琴にも、シャットアウラさんにも)
 鳴護アリサの決意は固い。