兄弟の絆
その時、驚いたのは、日向だけじゃなかった。
(伊)「水戸部がしゃべった。」
・・・・・・・
水戸部は、無言でルカリオを出した。
二人は目をつぶり、歩き出した。
(伊)「日向・・・水戸部が言いたいことわかるか?今焦っても、山本君は帰ってこない。それで自分まで捕まったら誰が山本君を助けるんだ?」
(笠)「そういう事だ。わかったか?日向・・・」
(日)「・・・・すみません。俺の・・・俺の・・・弟なんです。血がつながってなくても、武に嫌われていても・・・弟なんです。」
笠松は、優しく日向を抱いた。
(笠)「ああ。わかってる。それにあいつは、お前の事嫌いなんかじゃない。」
(日)「でも・・」
(笠)「お前が武を信じてやらないでどうするんだ。」
(日)「笠松先輩。すみません・・・ありがとうございます。」
水戸部が、伊月に手招きをした。
伊月は、日向と笠松にも言い。
四人とも走り出した。
ついた部屋は、ボールがたくさんあった。
(笠)「すべてうちのモンスターボールだ・・・」
水戸部は、その先の水槽を指差した。
そこには、山本が入れられていた。
(日)「武!」
(笠)「これは、一体・・・・どういう・・・」
(?)「やあ・・・初めまして・・・日向君は久しぶりかな?」
・・・・その姿を見た日向は、目を見開いて驚いて声が出ていなかった。
(伊)「日向・・・?知り合いか・・・?」
伊月の声が聞こえて日向はやっと声が出せた。
(日)「白蘭・・・・どうしてここに・・・どうして!未来で倒したはず!どうして!どうして!」
(百)「うん。驚くのも無理ないね。ユニも無駄死にだしね。」
(日)「うそだろ・・・こんなこと!」
(百)「まあ、僕にあんな力はない。だから別の事してるんだ♪ポケモンを使ってね。でも、僕の元には、まだ部下が少ない。それで山本君にも協力してもらおうとしてるんだよね~。彼のポケモン。綱吉君達も強いじゃない?」
(日)「ふざけるな!武にそんなことさせて見ろ!おれが許さない!」
(百)「でも・・・もう時間・・・・」
山本が入っていた水槽が割れた。
山本が、中から出てきた。
(百)「そうだね・・・次は、水戸部君。君だ・・・」
水戸部は、驚いた。
(百)「本当は、最初に君からしようと思ったけど・・・さすがに君のルカリオは、強すぎる。ここに来てからじゃないとだめだと思ってね。」
山本は、ポケモンを出した。
(山)「・・・・ルギア・・ハイドロポンプ。」
(日)「武!やめろ!武!」
(百)「・・・山君。そっちからやってもいいよ。」
山本は、うなずきルギアのハイドロポンプの方向を変えた。
(日)「くっ!フライゴン!ドラゴンテイル!」
日向は、咄嗟にフライゴンをだし、防御をした。」
(日)「笠松さん!伊月!武は俺にどうにかさせてください!」
(伊)「でも!日向・・・!」
(笠)「わかった。こっちは任せろ。こっちだ水戸部!」
笠松は、水戸部の手を引いた。
(伊)「笠松さん!」
(笠)「大丈夫だ。あいつなら武をもとに戻してくれる。あいつは、武の兄貴なんだ。それがどんな形であろうと。あいつの武への思いは、きっと武にも届く。信じろ!お前らの親友を。親友の弟を。」
伊月と、水戸部は、うなずき笠松について行った。
(百)「逃がさないよ・・・武君は、そっちをお願いね。」
(山)「はい。白蘭様。」
・・・・・
(山)「ルギア。ふぶき」
ふぶきは、フライゴンにクリーヒットした。
(日)「しまった!戻れフライゴン!」
(山)「・・・・」
(日)「武・・・くそ!ホウオウ!」
(山)「ルギア・・・・エアブラスト・・・」
(日)「いきなりかよ!くそ!ホウオウ!せいなるほのお!」
ルギアとホウオウの攻撃が激突した。爆発が起こった。
二つの伝説のポケモンは、戦闘不能になった。
(山)「戻れ・・・いけ!ピカチュウ。」
そこに現れたのは、あの時のピカチュウだ。
(日)「く・・・バシャーモ!フレアドライブ!」
日向のバシャーモは、ボールから出た瞬間フレアドライブでピカチュウにせまった。
(山)「ピカチュウ・・・・エレキボール。」
エレキボールは、バシャーモのフレアドライブにあたった。
バシャーモは、戦闘不能になった。
(日)「やっぱり・・・強い・・・武のピカチュウ。くそ!エンペルト!ボーマンダ!」
しかし・・・
(山)「ピカチュウ・・・・かみなり・・・」
二体とも戦闘不能になった。
(日)「・・・・・・・・武・・・いけ!ミュウツー!」
二人のパートナーが並んだ。
(山)「ピカチュウ。かみなり」
(日)「かわせ!ミュウツー!シャドーボール!」
(山)「・・早い!ピカチュウ!ボルテッカー!」
ピカチュウは、ボルテッカーでシャドーボールの意力を防ぎそのままミュウツーに突っ込んできた。
ピカチュウのボルテッカーは、ミュウツーにあたった。
(日)「まだだ!きあいだま!」
ミュウツーのきあいだまも、ピカチュウにクリーヒットした。
(山)「エレキボール!」
(日)「サイコブレイク!」
二つの攻撃は、大爆発をおこした。
その爆発から、日向は山本を助けた。
(山)「くっ!ピカチュウ!かみ・・・・」
(日)「武!」
山本は、日向からすぐに離れてピカチュウに攻撃支持をしようとしたが、日向に泊められた。
(山)「・・・・っ」
(日)「武!もとのお前に!戻ってくれ!」
(山)「・・・・お前なんか知らない・・・どけ・・・」
(日)「頼む!お前が、いきなり来た俺に兄として接しろと言われても・・・戸惑う事・・気持ちはわかる。だから、俺はお前に嫌われていても構わない・・・・仕方ない・・・でも、でも!俺は弟としてお前が大事だから・・・俺は、うれしかった。絶対に何があっても兄として何かできればと思ってた・・・・俺は、お前が大好きだから・・・信じてるから。」
日向の涙が、山本の頬を伝った。
(山)「はっ!・・・・・・じゅ・・・に・・・い?」
(日)「武・・・今・・・」
山本は、頭を押さえた。
(山)「うわ―――――――!」
(日)「武・・・?武!」
日向は、そんな山本を腕の中に包んだ。
(山)「・・・!」
(日)「大丈夫。お兄ちゃんがいる。山本。大丈夫だから。」
日向は、優しい言葉をかけた。
(山)「・・・・兄・・・順兄・・・聞こえたよ。順兄の声。俺も・・・大好き。嫌いなんかじゃない。最初はびっくりしたけど。俺もうれしかったのな。だって・・たった一人のお兄ちゃんなのな。」
山本の呪いは、完全に解けた。
(日)「武・・・よかった。」
(山)「ごめん。ありがとう。順兄。」
・・・・・・その頃・・・
(笠)「走れ!とりあえずここから!」
(百)「残念でした~さあ、水戸部君を渡してもらうよ。」
(伊)「そうはさせない!ファイヤー!フリーザー!サンダー!頼む!」
(笠)「カブリアス!サザンドラ!オノノクス!」
(百)「うん♪すごいね。」
(笠)「水戸部!お前は、逃げろ!アイツの狙いはお前だ。ルカリオがいれば、簡単に逃げられるだろう。」
水戸部は、横に首を振った。
水戸部は、ランクルスとエーフィを出した。
(伊)「まさか・・・俺たちに逃げろって言っているのか!?」
(笠)「だめだ!狙いはお前なんだぞ!」