二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

INDEX|44ページ/98ページ|

次のページ前のページ
 

エリカ、その花言葉は・・・・・・




「ジン、さん・・・・・・?」
突然の叫び声の正体は、風都署刑事の刃野だった。
「じ、刃野刑事? これは一体・・・・・・?」
「動くんじゃない、真倉!!」
そう叫んでいる刃野の手には拳銃が構えられていた。
そしてその銃口は油断なく三人に向けられている。
「ジンさん! こいつぁ一体どういう事だよ!?」
拳銃をこちらに向けている刃野に翔太郎は叫ぶ。
その翔太郎の叫び声にも刃野は取り合うことはなく構えを崩さない。
「・・・・・・翔太郎、真倉。ゆっくりでいい。こっちに来るんだ」
刃野は彼にしては似つかわしくない真剣なトーンの声で二人に呟く。
「はぁ!? い、意味が分かんねーよ! マジでどういう事さ!?」
「そ、そうっすよ、刃野刑事! 一体何が何やら・・・・・・ちゃんと我々にも説明を、」
「―――そいつが、今回の犯人だ」
刃野は翔太郎と真倉の顔を見ず、もう一人の人物を睨みつけて呟く。
「え?」
「へ?」
翔太郎と真倉は刃野の視線の先を追う。
「・・・・・・」
当然そこにいたのは、この場にいる唯一の女性。柏木多香子の姿だった。
「そいつが、柏木多香子が、今回の連続完全誘拐犯、サイレント・キーパーだ」
刃野は簡潔に、そしてこれ以上ないほど分かり易く、拳銃を構えている理由を述べた。
「・・・・・・」
そして自分の名前が出されたにも関わらず、柏木多香子という女は相変わらず俯いたまま何も語らなかった。
「今から数時間前、照井課長がこいつらにやられたとき。さすがにあのときはサイレント・キーパーどもも課長相手でてこずったんだろう。裏路地だったが付近の住人にばっちり姿をみられていたんだ」
刃野は銃を構えながら翔太郎たちに説明する。
「そのときに面白い目撃証言があってな。現場にいたのは倒れている翔太郎、おめぇと課長と永田。そしてお前らを見下ろす形でお前が言っていた光の怪人とあと一人女がいたそうだ」
「・・・・・・」
銃口をこちらへ向けられつつも黙って俯いている柏木。
翔太郎たちが知っている彼女なら、こんなときオロオロしたり泣きべそをかいたりするはずなのだが、どういうことかこの状況で全く臆しているようにはみえない。
「証言してくれたのは永田ん家から近いアパートの大家のじいさんでな。丁度その時間に夜の散歩に出かけようとしていたらしいんだが」
『いんやぁ〜、モノスゲーべっぴんさんじゃったわい。スタイルもめちゃ良かったし、ああいうのを美の化身とかいうんかのう』
「ちょっと気になってな。署のほうで似顔絵を描いてもらったんだが、―――これが最近出会った美人さんと瓜二つなんだよ」
「・・・・・柏木さん、だった・・・・・・?」
真倉が何かを搾り出すようなか細い声で問う。
それに刃野は首肯する。
「そういうことさ。・・・・・・ホント、あの大家のじいさん、よくもあの暗闇のなかであそこまで顔の特徴とか覚えていたものだぜ」
ありゃ筋金入りのエロじじいだな、などと軽口を叩くも、拳銃の射線は柏木にロック・オンされている。
「・・・・・・」
聞いているの聞いていないのか、柏木はやはり黙ったままだった。
その柏木の態度に自分の推測が間違ってなかったことを確信した刃野は少し得意げな表情になる。
「まぁとにかく、永田や光の怪人どもと繋がりがある。そして今も翔太郎たちに接触をはかってきた。はっはっは。この事実を覆せる証言や証拠があるなら受け付けるぜ、お嬢さん?」
シュッ!
と。
短く風を切る音。
それは柏木の手元から放たれた『何か』だった。
刃野が自分の推理に酔って、隙が出来たほんの一瞬。
柏木は手に持った『それ』を投擲。
べちゃ。
『それ』は刃野の拳銃の先端にへばりつくと、
ジュワワワァァ。
銃身を溶かしだした。
「おぅわ!? な、なんじゃ、こりゃ!?」
「ピザよ」
びっくりして拳銃を放り投げた刃野の問いに、すぐに答えが返ってきた。
「へ?」
ドゴォ!!
そして未だ混乱の最中にいる刃野の鳩尾に鈍い痛みが走る。
それはいつの間にか翔太郎たちの横を抜け、刃野まで接近していた柏木が放ったボディアッパーだった。
「ごほ・・・・・・っ!? な、なんじゃ、そりゃ・・・・・・っ!」
どさり。
そのまま、う〜ん、と間の抜けたうめき声を上げて倒れる。
「・・・・・・」
それを黙って見つめる柏木。
「・・・・・・っ!!」
その一部始終をみていた翔太郎に緊張がはしる。
「か、しわぎ、さん?」
その一部始終をみても未だ混乱から復旧出来ていない真倉。
「・・・・・・」
そんな二人を無視するように、今度は工場の真ん中あたりで気絶している永田のところまで歩いていき、
ドスっ!
「オイこら、ノロママンジュウ。テメーのせいで全部バレちまったじゃねーか、あぁ?」
全く違うキャラになった。