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Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

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本来は栄養満点の美味しい料理を作り出すガイアメモリ。
しかし、

「私が使うと何故か毒料理ばかりできてしまうのよねー」

なんでかしら、と柏木は考え込む。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
二人は考える。
元は普通の料理を生み出すガイアメモリ。
それが柏木が使うとその全てが掛け値なしのポイズンクックへと変貌する。
これが事実だとすれば、その先には―――、

((この女、精神力でガイアメモリの特性を歪めたがったのか・・・・・・っ!?))

自ずと、ある結論に辿り着く。
「まぁあのお方を疑う気はないけれど、やっぱりこれも不良品なのかしら?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
"この人、やはり本物だ・・・・・・っ!"
二人の脳裏には同じ言葉がよぎったがあえて言う気にはなれなかった。
柏木は戦慄している二人の心中など構わずモジモジし出し、
「で、でもいつか私の手料理で、こんなメモリなんか使わない私の愛情たっぷりの料理であのお方をノックアウトしちゃうんだからねっ!」
"逃げろ、サイレント・キーパー! 物理的にノックアウトされるぞっ!"
初めて二人が犯人に気を遣った瞬間だった。
「つかさー、このメモリはさぁー、まぁ役には立つけどさぁぁ」
ころころ話が変わる柏木。実は話好きな女性かもしれなかった。
「なんかさぁぁー、」
そんな話好きの彼女・柏木多香子は、
「なんか、なぁーんかぁ、めちゃイラつくのよねぇぇ!!」
何の脈絡もなくキレた。
ひゅん、ひゅん。
ドッゴォォーーン!! ジュワワワ〜〜!!
「うお!?」
「ひ、ひぃ!?」
「なんかさー、これじゃ私の料理が毒だって言われいるみたいでモノスゲー頭に来るんですけど、よぉぉぉおおお!!」
(いやそれ正解!)
(とは言えん! より毒性が強まりそうだ!!)
ひゅん、ひゅん、ひゅん、ひゅん。
ドッゴォォーーン!! ジュワワワ〜〜!! しゃこん!! しゅうううう!!
「「の、のわわわーーー!!」」
「おら、おらおらおらおらーーー!!!」
毒料理のつるべ打ち。
怒りに身を任せて手当たり次第毒料理を投げる柏木。
その度に床にでかい穴が空いたりだの派手な爆発が起こったりだの針の山に毒の霧が舞っているだの、ここは戦場なの、それとも地獄なのと勘違いしてしまうような危険な現象が次々と発生する。
「おらおらおら!! 食べろ! 食べろ! 食べろ! 食べろ! ―――食ぁ〜べぇ〜てぇ〜!!」
ほぼ自分を見失いながら攻撃の手を止めない柏木。
「ひ、ひぃ!!」
「じょ、冗談じゃなく怖いーーー!!」
両手に即死確実の毒料理を持って追いかけて来る凶悪な怪人。
ヘタなスプラッター映画よりもスリルは満点だった。
「くそ、こ、このままじゃ柏木のプレッシャーで体力よりも先に精神がまいっちまう! おいマッキー、とっととケリを着けるぞ!!」
翔太郎は逃げながら真倉に問いかける。
「い、異論はないっ!!」
必死に逃げながらも翔太郎の問い答える真倉。
「あ"ぁん? 私を倒す? お前らが? はっはー、冗談でももっと面白いこと言わねーと今の世の中じゃ売れねーぞオイィィ!!」
両手に毒料理を持ち半ば半狂乱に追いかけてくる柏木。
二人は逃げるのを止め、そんな柏木のほうへと振り向く。そして
「よし、行くぞ!」
「おう!」
二人は駆け出した。
狂人・柏木多香子のもとへ。
彼女を倒すために。
「おいおいマジかぁ〜、もしかして頭イカレちまったのかよお二人さん!! オーケイ、そういうことなら、お姉さんがとっておきのフルコースでテメーらをあの世まで昇天させてやるぜぇぇぇ!!」
突っ込んで来る二人に浴びれば即死レベルの毒料理を両手で構える。
距離はすぐに縮まり、柏木の料理攻撃は射程圏内に入る―――!!
「おら喰らえや!!」
「今だ、マッキー!」
「おうよ!!」
翔太郎の合図に手錠のボタンを押す。
すると手錠の連結部のワイヤーが伸び、一緒の方向に走っていた二人は大きく両サイドに避けながら走る。
「な!?」
突然二人の走っている軌道が変わり軽く混乱する柏木。
―――当然、二人はそれを見過ごさない!
「「よい、しょおおお!!」」
掛け声に併せて地面に向かってヘッドスライディングをする二人。
柏木の目の前にあった手錠のワイヤーが彼女の足首の高さまで低くなり。
「うおお!?」
結果、走りこんできた柏木はそのピンと張ったワイヤーに引っ掛かる格好になり、
ステン、ゴン!!
盛大にコケた。
さらにそのときに、両手に持っていた毒料理も落としてしまい、
ジュワワワ〜!! しゃこん!!
「ぎ、ぃやあああああああ!!!」
手痛いダメージをその全身に食らってしまった。
全身に酸を浴び無数の剣のような針が柏木の至るところに突き刺さる。
並みの人間なら即死もののダメージ。
「お"、お"お"お"お"お"!!」
しかし今の柏木はクックドーパント。かなりのダメージは受けたが倒すまでには及ばない。
「や、やややってくれるじゃねーか、このクソ虫ども!! どこだ、どこにいやがる!?」
今の攻撃で一時的に視力を失った柏木はその痛みよりも苛立ちにより、自分に大打撃を与えた探偵と刑事を探す。
「殺す! 最初は再起不能にする程度に痛めつけりゃいいかと思っていたけれどもう殺す!! 見つけ出して顔面溶かして内臓爆発させて毒の霧吸わせてその上で串刺しにして殺しつくしてやらぁぁぁあああ!!」
呪いの言葉にしか聞こえない暴言を喚き散らす。

「そ、そんなムゴすぎる死に方ゴメンだぜ!!」
「い、異論があるわけがない!!」

怨嗟の叫びを撒き散らす柏木の後ろからビビり気味の翔太郎と真倉の声が聞こえた。
「あぁぁん〜〜〜? そ〜こ〜か〜ぁぁぁあああ!!?」
柏木は声のするほうへと振り向く。
ヒュン、ゴンッッッ!!!
「ぐぇっ!?」
そのあとすぐに恐ろしく鈍い音と、小さな呻き声が聞こえた。
最初に聞こえた鈍い音は、真倉が操縦する小型パワーショベルのショベル部分が柏木の脳天に直撃した音であり。
次に聞こえた短い呻き声は言わずもがな500キロ近くある鉄の塊が脳天にクリーンヒットしてしまった柏木の声だった。
「どうだ!」
運転席でショベルのアームを操縦していた真倉が吠える。
工場内にあった重機、小型のパワーショベルカーを見つけた二人は柏木に目潰しを喰らわせたあとそれに乗り込んで操縦、柏木の脳天目がけてフルスウィングした。
「やったか!?」
手錠が伸びたおかげで真倉と反対方向に走れた翔太郎は地面に倒れたまま叫ぶ。
柏木は立ってはいるが、フラフラに揺れていた。
「こ、の、くそ、カスども〜〜〜」
虚ろな焦点の定まらない目で自分の脳天に大打撃を喰らわせた二人、特にパワーショベルを操縦していた真倉を睨みつける。
「ひ、ひぃ!」
その壮絶な柏木の視線を受けすっかりビビってしまう真倉。
「ま、だだ、ぞう」
一歩、また一歩と柏木は真倉のパワーショベルに近づく。
「マッキー! ・・・・・・痛っつ!」
少し離れたところにいる翔太郎。さっきのヘッドスライディングのときに地面に足を強打してしまい、すぐには動けない。
「マッキー、逃げろ!」
「あ、ああ・・・・・」